CⅩⅡ Ⅲ DAOR THGILNOOM (MOONLIGHT ROAD Ⅲ)
「アウルス………でてくるにしては少し早くありませんか?」
そういいつつも楽しそうで嬉しそうな表情をしているフルカスに対し、
「おっさんに何をした?」
俺はものすごく殺気立っていた。
「何って、サタン様の目に映る光景こそが現実なのdーーー」
「なんのためにおっさんを殺したんだよ」
首筋に剣を突きつけ、変なことを言うなら斬るぞと言わんばかりの態度を取ってみるがフルカスは一切動じないどころか
「生物兵器………あなたを育てた者であり、あなたの師匠のような物だった。」
師匠のような者ではなく、師匠のような物だといい出すフルカスに対して俺は怒りを覚えた。
「は?」
確かに、彼は〈暴食〉の邪神に作られた生物兵器だと自分自身で語っていた。
ただ、心も人の温かみもある………人間のようなヤツだった。
俺はそう認識していたのもあって、物と表現されたことに違和感が生じた、しかしそれ以上に体に湧き上がる〈憤怒〉が抑えきれなかった。
「ふざけんじゃねぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉ」
体の中から、どす黒い感情が湧いて出てくる。
生物兵器を殺されたことに対する〈憤怒〉、
その死体を見せつけてくるフルカスのふざけた態度に対する〈憤怒〉、
そして生物兵器を物として扱ったことに対する〈憤怒〉………
全ての〈憤怒〉が体中から吹き出し、紫色の煙のような何かが辺りを埋め尽くす。
"噴出点"となる俺の体は暴走し、その後しばらくの記憶はない。
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「やってくれたな…………アスモデウスの配下……〈蠍部隊〉と言ったか?
鳩の住処の環境は丸っきり変わったと言っても過言ではないな…………
新種の魔物に謎の瘴気…………もう、アレを鳩の住処とは呼べないか………」
"魔王"は頭を抱えて困り果てたような声色で言った。
「あの地ははもう………」




