CⅥ ⅩⅥ NERIHSONUOAM (魔王の試練 ⅩⅥ)
「この永遠を………最後にしないと…………」
ザガンの声も虚しく、その永遠では何もできず、ほんとに最後になった、次の永遠に続く………
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ザガンの魔力と生命力は擦り減っており、何をどう考えてもまともに動ける状態ではない。
ただ、前回や前々回の永遠も同じような状況だった。
毎回、ループの真相に気づき、まだ限界は先だと温存していた力がある。
ーーーそう、神の駒の原動力だ。
「〈Ⅰ・邪槍〉・並行・〈Ⅲ・小槍虫〉!!」
ただ何もせず横たわり、〈怠惰〉に何度も死を繰り返した彼は、神の駒に原動力をため続けていた。
そして彼は大きなエネルギーを解き放ち、燃費の悪いその神の駒で一撃を放った。
邪槍を取り囲むように飛び回る小槍虫がベルフェゴールの体をゴリゴリ削ってダメージを与え最後に邪槍が風穴を開けた。
「なんで………てめーみてーな下位互換に………俺がやられてるんだ………?」
ザガンからの答えは、とても簡単で、それでもって今回の試練で判断するにはとても難しい話だった。
「今回の試練、4層で負けるたびに記憶を失って復活するんだ。だから、生命力や魔力がおかしい減り方をしている。最後の方のループなんてもう意味がわからないレベルの消耗具合だった。」
「てめー、何言ってるんだ?」
今回の永遠しか知らない幻影は、ザガンの言うことが理解できていない。
「生命力や魔力、その他エネルギー系の消耗は引き継がれるなら、おそらく原動力も引き継がれるはずなんだよ。
ということは、ここで〈怠惰〉に負けを繰り返すことで、〈怠惰〉な俺はエネルギーを得ることができる」
「だからてめー………」
今回の永遠しか知らない幻影は、ザガンの言うことを理解することを、半ば放棄した。
「俺もな、〈魔人〉としての意地ってもんがあるんだよ。お前ら倒して俺らが上だって見せてやりてぇんだよ………
座員も、もういねぇな。てことはもう生命力切れで死んだな………あいつらにもこの景色を見せてやりたかった………」
「〈魔人〉……?〈座員〉………?」
気になるキーワードが出てきて再び幻影は話に耳を傾けようとするも、もうその生命は長くなかったのだろう。
その場に霧のように散らばって消えた。
「残るは5層………俺一人で戦う…………!!」
そして、彼は残りのなけなしの原動力で術式を発動した。
「〈Ⅳ・邪花/生命の雫〉」
彼の体にほとんど残っていなかった魔力と生命力が蘇り、神の駒には原動力が再び宿った。




