97話 9/16 弟子確保、これからどうなるのかは未定
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「まずは1つ確認だ。こちらの質問には嘘を付かずに正しく答えるように。それは良いな?」
「はい。解りました」
「よろしい。ここの魔法屋を知った理由はなんだ?」
「教会からここに魔法屋があるからと聞いてきました。教会で教わることは終わったので、何処かに仕事を見つけるまでは通っていいと言われてますから」
ふむ、教会からか。教会には確かに知らせてある。だが、それは優先順位があるはずだな。私の店は、最後の方だろうと思っていたのだが、どうなのだろうか。
「それで、既に別の魔法屋で断られた回数はどのくらいあるんだ?」
「……覚えていません。10回は超えると思います」
「そうか。初級魔法を使える回数を教えてくれ」
「……2回です」
ああ、そう言う事か。要するに使えないと言われてきたんだな。初級魔法を2回では魔法を作れる回数は1日に4つとなる。それでは戦力にならんだろうからな。
と同時に、魔法使いにもなれないだろうな。魔法使いになりたければ4回は使えた方が良い。ボーダーはその位だ。それ未満では、魔法使いとして使ってくれるクランが無いだろう。
「なる程な。なんとなく解ってきた。要するに、他の魔法屋では作れる回数が少なすぎるからと断られたという事だな。そして、魔法使いになるにも回数が少なすぎると。こう言う事か」
「……そう言う事だと思います。あの、やっぱり駄目でしょうか?」
「駄目かどうかは私が決めることだ。もう少し待て。魔法屋に拘る理由を教えてくれ」
「ある程度のお金が稼げると聞いて、それでと思って」
ああ、金目当てか。まあ解らんでもない。魔法が売れれば待遇は良くなるからな。魔法が売れればの話ではあるんだが。それにしても4つしか作れないのか。どうするか。
ここで蹴っても良いんだが、弟子は正直な所欲しいんだよ。多少使えなくとも弟子は欲しい所だ。色々とやらせたいこともあることだしな。さて、どうするか。
「他の仕事でも稼げるとは思うがね。魔法屋でも回数が少なければ、それだけ収入は減る訳だ。後は魔力の色次第な所があるんだが、それは今後何とかする。他の仕事では駄目だったのか?」
「駄目ではないんですけど、その。折角魔法が使えたので、魔法屋になれれば良いなと。後は力が強い方では無くて。だから力仕事以外が良いなと思って」
「そうか。まあ魔法屋に力が要らないと言うのはその通りだが、教会の方からは何と言われているんだ? 正直な所、私の店まで紹介すると言うのが最後の方だと思ってな」
「教会の方からは、紹介できる魔法屋はもう殆ど残ってないと言われました。全部で落ちたら魔法屋を諦めた方が良いと言われてます」
始める資金は無いだろうからな。それはそうだろうな。さて、教会の紹介の順番は金額と言った感じか。私の店はそこまで寄付をしているわけでは無いからな。まだ1度しか寄付をしていない訳だし。
とりあえずは雇ってみるか。魔法を教えるのは少し先になるが、それはどの魔法屋でも同じことだろう。ある程度の事は許容していかないと弟子が来ないことが解ったからな。
教会に順番がある以上、魔法屋として適性のある弟子は来ないという事だ。それまでに何処かの店が抱え込んでしまうだろうからな。これに関しては仕方がないことなのかもしれないな。
「それで、文字の丁寧さに関して質問させてもらうが、人語と精霊語の何方も書けるんだよな? ある程度丁寧に書けば読める字で書けるんだな?」
「教会からは文字の上手さは普通くらいだと言われています。魔法屋を目指すからって事で見て貰いましたけど、普通くらいだという事は教えて貰いました」
「……解った。とりあえずは雇ってみることにする。始めは雑用からになるが、それでも良いな? 後は給金は10月分から払う。小銀貨1枚だ。相場よりも大分安くなるが、それでも良いな?」
「はい! ありがとうございます! ありがとうございます!」
雇うことにしたのは良いが、何をやらせるかにも依るんだよな。とりあえずは様子を見ることからスタートするとしてだな。工房にはまだ立ち入りは禁止しておこう。
「色々と言いたいことはあるんだが、とりあえずはどうする? 別に住み込みでも構わんが。通いにするか? こちらとしては何方でも良いぞ」
「出来れば住み込みでお願いします。今住んでいる場所が南側なので、流石に通うには遠いかなと思いますので」
「そうか。ところでだな。この町の教会は何か所あるんだ?」
「? 解りません。とりあえず沢山あることは知っていますけど、それ以上の事は知りません」
何、教会に寄付をしたとは言ったが、1つの教会だけなんだよな。それでも全ての教会に情報が行き渡っているところを考えるに、情報網が素晴らしいものがあるんだろうという事が解る。
解るが、まだ私の魔法屋が出来てから1か月も経っていないのにも関わらず、情報があると言うのが驚きだな。教会を敵に回すつもりは無いが、恐ろしい組織だろうと思う。
「取り合えずはこれで最後だ。名前を教えてくれ」
「僕はクライヴと言います。これからよろしくお願いします」
礼儀正しいのは嫌いではない。クライヴ君ね。しっかりと覚えたぞ。その内色々とやって貰う事があるからな。なるべく頑張って貰おうじゃないか。
「とりあえず、荷物を持ってまた来てくれ。部屋に案内する。掃除は自分でするように。基本的には食費以外は自分で出すこと。食費はこちらで持つ。解ったか?」
「はい。解りました。これからよろしくお願いします」
「荷車を持っていくと良い。何かと荷物はあるだろう。横に止めてある。こっちだ」
「はい!」
これで、弟子は1人確保した。まだ使えるのかどうかは解っていないが、とりあえずは鑑定魔法を用意しておくかな。何色か確かめておいた方が良いだろうからな。
常連には何色が多いのかは知らないがね。まあ何とかなるだろうとは思っている。流石に珍しい色をしていたら困るところではあるんだが、何とかなるだろう。
とりあえず、労働力の確保は出来たと思っておくか。運が上向いて来ている気がする。これだけ早くに弟子を取ることが出来るとは思っていなかったからな。今後どうなるのかは知らんがね。




