86話 9/15 病気を治す魔法は出来るだろうが無理だろう、馬鹿は死んでも治らんよ
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飯屋を後にして、たった今帰って来たところだな。店には誰も居ないな。まあこんなものだろうさ。さて、お茶を入れてきますかね。後はゆっくりと店番をしていましょう。
まだワイルドボアの皮紙も魔石インクも残っているんだけど、今日は少し休んでからスクロールを作ろうと思う。人が来るとは思えないけど、とりあえずは店番をしていよう。
飯屋での話はあくまでも参考程度に留めておきたいところなんだが、魔法による治療は一応、出来たには出来たわけだ。かすり傷程度の治療だったが、出来たのは出来た。
では、魔法による。病気の治療は出来ないのか。かなり限定的な使い方にはなるが、出来るのかどうかだな。結論としては出来るとは思う。
結論で出来ると判断したが、初級魔法で出来るのかと言う点はかなり難しいのではないかと思う訳だ。少なくとも中級魔法程度の威力が欲しい所だな。
病気が何かにも寄るんだよ。ただの風邪なのか腐肉病なのか。それにも寄るとは思うんだが、前提として、何をどう治療するのかが解らないと意味がないと思う訳だ。
医学の範囲になってくるとは思うんだが、病気の原因が何かが解らないとそもそもだが、魔法が作れないのではないかと思う訳だ。
体の何処かが異常な症状を起こしているのか。体内に足りないものが、あるいは過剰なものがあるのではないか。外部からの菌やウイルスに因るものなのか。それが解らないと対処のしようがない。
怪我の場合は簡単なんだよ。体組織の復元、あるいは再生なのだから。それを書けば良いんだよ。それが回復魔法の基礎なんだ。無くなったものを元に戻すと言うのが回復魔法だ。
細胞分裂の活性化方面でもやってみたのだが、結論から言えば、初級魔法に収まらなかった。出来なかったわけでは無いとは思う。ただ、再生よりも難しいという事が解った。
戻って、病気の治療とは何か。特定の原因を取り除く事だな。脱水であれば、水を足せばいい。ウイルスが入り込んだならそれを消去すればいい。原因が解れば簡単な事ではあるんだよ。
原因が解らないから困っているだけでな。原因が解らないんだよ。風邪と言っても何に因る風邪なのかが解らないんだよ。それの特定が出来れば、病気の治療が出来るとは思う。
……それは現実的には無理だと言っているようなものだがな。原因不明の病を治せる魔法は作れない。魔法で治せるのは、原因が解っている場合のみだ。何の病気かが解らない、何が原因なのかが解らない病気を治すのは無理だろうと思う。
無理を通したくば、上級魔法を作る材料でとんでもなく大きな魔法陣を作れば、何とかなるかもしれないという程度だな。上級魔法ならば何とかするのではないか?
それか、上級魔法の上の魔法を作るかだな。まず、材料が伝説級の物ばかりになるとは思うのだが、上級よりも上の魔法が作れるのであれば、無理無茶無謀を何とかしてくれると思う。
初級でできるのは、恐らくだが、ピンポイント治療になると思う。病気の原因が解っていて、且つ、それが何処にあるかも解り、それ程強いものでない場合に限りそうだ。それを病気の治療が出来ると言っていいものなのかが解らん所ではあるだろう。
現実的には不可能だ。結論は出来る。出来るが、その域まで到達しているのであれば、魔法は必要ないと思う訳だな。外科手術の技術が育っているだろうからな。
魔法で何とかしないといけない状態になることがまず無いと思われる。原因は解っている、場所も解っている。だが、治療が出来ないと言う場合にのみ、魔法が有効だろう。
そんな魔法が必要かと言う話なのだが。そこまでしなければならない病気とはなんだと言う話になる。何があるのだろうな。……馬鹿か? 馬鹿は病気なのだろうか。
馬鹿が治るのであれば大したものだろうとは思うがな。馬鹿は死んでも治らんのだよ。それが治ると言うのであれば大したものだ。馬鹿が治る事は在り得ないからな。
馬鹿が治るのであれば、貴族が苦労をしていない。馬鹿は戦死させろという言葉がある。貴族社会にはな。それだけ馬鹿は忌み嫌われている。
どうすることも出来ないんだよ。幾ら教育しても馬鹿は治らないし、跡継ぎから外しても迷惑をかけてくるのが馬鹿だからだ。馬鹿は死ぬまで貴族の名誉を傷つける。
そんな馬鹿でも戦死してくれれば、貴族の名目が保てるという事なのだよ。彼は勇敢に敵に立ち向かい、そして散っていった。そう言えば綺麗に聞こえるだろう?
言い換えれば、上官の命令に逆らい、無謀な突撃をして軽々しく命を散らしたになる訳だ。それでも美談に出来るのだから戦争とは貴族にとってとても便利なものなんだよ。
だから戦争が減らないんだ。馬鹿を定期的に処分したいからな。付き合わされる兵士はご愁傷さまとしか言えないんだけどね。死ぬことになるからな。
貴族に取っては些事に過ぎない。平民が何人死のうが、貴族は気にしない。この都市の領主だってそうじゃないか。平民の命よりも都市の景観の方が大事なのだから。
まともな人間が貴族をやっているとは思うなよ。貴族は自分勝手の塊の様な人間だからな。自分の都合で物事を解決するからな。自分にとって有用か否かで判断する。
冒険者ギルドに出している補助にしてもそうだ。あれは、自分たちが困るから冒険者に駆除させているのであって、自分たちに害がなければ金なんて出さんよ。
食糧がなければ他の領地から来た貴族に豪勢に振舞えないじゃないか。それが嫌だからこそ守っているだけに過ぎないんだよ。
その所為で、都市以外の町や村には補助が出ていないだろう? 代官任せになっているだろう? そう言う事だぞ。自分の利益にならない場合は切り捨てるのが貴族のやり方だ。
そんなのでも逆らえば死刑にされるのだから堪ったものではない。抵抗しても良いことにはなってはいるが、余程でないと無駄になる。兵士とて訓練をサボっているわけでは無いからな。面倒だろうとは思うがそれも仕事のうちだからな。
まあ言いたいことを言ったが、貴族は基本的にはそう言う生き物だよ。平民を貴族とは別の生き物だと思っていると言っていい。そんな感じだよ。私はそんな考え方は嫌いだがね。
何が言いたいのかと言うと、馬鹿を治せる魔法があれば、奇跡に近いレベルの代物だという事だよ。馬鹿は死んでも治らないんだ。誰が証明できるのか解らんがね。




