78話 9/15 ジョージ来店、魔力の癖はやっぱりなさそうだ、火属性の魔法も準備が必要か
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
カランカラン
「邪魔するで。お、アリアナやん。流石やなあ。もう見つけとったか。ここの魔法屋は使える魔法屋やろ? 中々におもろい魔法を置いとるやろ。今後も使うたってな」
「……ん。ジョージも」
「勿論やろ。店主ー、試し打ちもやって来たで。ワイルドボアの魔法やったやろ。あれは使えるわー。めっちゃええ感じやん。範囲もあれで問題なしやで。あれだけあれば上等やろ」
「そうか。それは何よりだ。使えるのであれば、今後はその魔法で量産を掛ける」
そうかそうか。魔法は使えたか。威力的な心配もあったにはあったんだが、まあそれもクリアしたと思っても良いんだな。早めに解るのは大変有難い。順次作っていかないと在庫が怪しいからな。
「本格的に誰とでも合うんやな、ここの魔法は。アリアナんとこも5人居ったはずやろ? あれ全員が合ったんか? それやとホントに誰でも使える魔法になりそうやけどな」
「……まだ。サラとヘレンだけ。でも両方とも合ってた」
「そんならもう確定したみたいなもんやな。ギースとも合ってたみたいやしな。まあギースと自分は店が被っとるんやけどな。アリアナとも若干被ってるしな。でもほぼほぼ合わん人間が居らんのちゃうか? 店主、ええ癖をもろたなぁ」
「それはそれで良かったとは思っているよ。その代わり、相乗効果のある癖は無さそうだがな」
魔力の癖、色、形とも言うが、それは確かに良いものを貰ったと思う。万人受けするのは魔法屋としては大変有難い。珍しい癖でも合ってしまうからな。それはそれで良かったとは思っている。
「そこまで求めるのは贅沢やで? 魔力の癖が合う合わんは魔法使いにはついて回る話やからな。誰でも合うってのはええことや。客が増えるな。まあ自分とギースとアリアナは近い癖なんや。それは結構前から解っとることなんやけどな」
「……癖が同じだと、魔法屋が被る。在庫の関係もある」
「そやんな。ええ魔法屋があっても、魔力が合わんこともあるし、魔力が合っても嫌いな魔法はある。そう中々上手いこといかへんのやで? これでも苦労はしとんでっせ?」
「という事は、私の店の魔法は嫌いな魔法では無かったという訳だな。因みにだが、どんな魔法が好きで、どんな魔法が嫌いなんだ?」
これは純粋に興味がある。魔力の癖以外にも魔法の好き嫌いがあるのであれば、教えて貰っておいた方が何かと役に立つはずだな。人それぞれに好みがある訳なんだがな。それはそれで聞いておきたい。
「そうやなあ。自分は魔法はあくまで前衛の補助やねん。前衛が活躍する場面を作るのが魔法やと思ってるんやわ。せやからまずは範囲。そこに威力があれば十分やな。嫌いなのは一点特化の魔法やな。魔法使いで完結する魔法は好きや無いな」
「……好きなのは詠唱が短いもの。範囲があればもっと嬉しい。嫌いなのは詠唱の長い魔法。威力が無いのも嫌い」
「なる程な。そうなってくるとこの魔法はジョージは嫌いな訳だな。折角の半額品なんだがな」
「どれや? これか。……ああ、あかんわ。威力が強すぎる。これやとゴブリンで確殺やろ。ワイルドボアでも瀕死まで行くんとちゃうかな。こういう魔法は夜型のクランに受けがええやろな。夜は兎に角数を倒さなあかんからな」
「……ん。あたしもあんまり。範囲が狭い。でもこれからの時期には良さそうではある」
そうか。試して貰いたかったんだがな。魔法の好き嫌いはあるのはその通りだろう。考え方に因っては使えない魔法がある訳だな。その辺は仕方がないか。アリアナは使えるとは言っているが。
「アリアナ。これからの時期だと使えるというのはどういう意味だ?」
「……これからの時期は群れの数が増える。私の所は魔法使いが多め。1人増やしてこの魔法を使う。そうすれば前衛が相手をしなくてはいけないワイルドボアの数が減る」
「あー、そう言う事な。アリアナのとこはまだ組まへんからな。いっつも10月に入ってからやろ? 自分らはそろそろ組まなやってけへんわ。組む以上は相手にも合わさなあかんけどな」
「ああ、そう言えば群れの数が増えると言っていたか。その間でも活動はするのか?」
この辺は聞いておかないと不味いことになるとまではいかないが、売上的な事にも関わってくる。風属性だけで良いのかどうかも怪しいからな。沼に行くのか森に行くのかで違ってくるからな。
「……あたしの所は10月の末まで活動する。10月頃になったら何処かのクランと組む。今年もそのはず。組めなかった場合は仕方がない」
「自分らはそろそろ組み始めるわ。10月になったらまた増やすし、10月の中頃からもまた増やす。ワイルドボアの数がどんどんと増えていくからな。後は火属性の魔法も買う様になるわ。ウルフも出始めるのが10月やからな。その時期になると、ウルフとワイルドボアで半々や」
「そうなのか。それだと火属性も数を揃えておいた方が良いんだな?」
「……あると嬉しい」
「そうやな。火属性の追尾の機能が高い魔法やとなお嬉しいわ。後は速度も大切やな。マッドフロッグの魔法は合わへんやろな。最低でもゴブリン位の速度は欲しいわ」
成る程成る程。火属性で追尾の機能があり、速度があるものと。……ノイジーバードの魔法でもいけるのではないか? ウルフはワイルドボアほどには威力は要らないだろう。
その辺りは要相談だな。属性は火属性。速度はゴブリン並み。威力は多分ワイルドボア相手よりは低くても問題無い筈だな。そのくらいの魔法で良い筈だな。
ただ、風属性の魔法はそのまま継続と。売れるのであれば作らねばなるまい。今日から作り置きを増やしにかかるか。1日に20は作れるぞ。限界は34な訳だが、時間が無いだろうからな。




