73話 9/15 皮紙は割と重要なんです、第2スラムにも大きいクランはあるんだよな
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おかしいな。今日に限って店が空いていない。2周目なんだけどな。少しばかり運が悪い日なのかもしれない。こういう日もある。運が悪いからと何が変わる訳でも無いんだけど。
しかしだな。こうも冒険者が行列を作っていると、向こうに渡りづらいんだよな。ぐるりと1周してきた訳なんだけど、何処も一杯でさ。今日は何かある日だったか? そんな事は無い筈なんだが。イベント事は基本的に新年祭位しか無かったはずなんだけど。
まあいいけどな。ゆっくりと見て回るさ。見事なワイルドボアの死体を見ながらな。流れるように冒険者ギルドへと吸い込まれて行く。仕分けが大変だろうな。
魔法ギルドに流す分と冒険者ギルドで解体する分とを分けないといけないからな。状態によって色々と変わるんだよな。状態の良いものは魔法ギルドに回される。悪いものは冒険者ギルドでばらされる。そういう事になっているんだよ。
まずは魔法が優先だ。皮紙は破れていても良いんだが、駄目な作り方もあるからな。定形の選択をされるとまずは綺麗な皮紙を使わないといけない訳だ。
途中で破れていたりすると、定形にならないからな。私の作り方だと、真ん中が切れていたりすると使い物にならないからな。皮紙はある程度綺麗であることが条件としてある。
散文閥や文字列閥は気にしないんだろうけど、詩集閥も論文閥も繋がりというものがあるんだよな。皮紙を選ばない魔法は作りやすいが、使い勝手が悪いものになるからな。
まあどの作り方でも欠点はあるんだがね。魔法陣だって欠点はあるさ。欠点の無い作り方なんて存在しないと言っても過言ではないよ。角が立たない作り方なんて無いんだよ。
精霊の考えていることが解れば、完璧な作り方が出来るのかもしれないが、精霊と意思疎通が出来たという話は聞いたことがない。そもそも精霊も討伐対象になっているからな。
しかも魔法でしか倒せないとなっているんだから仕方がない。精霊が自分たちを倒す魔法を作るのかという疑問は残る訳だが、一応そう言う事になっているんだ。真実はどうかは解らないけどね。
ああ、漸く空いているところに巡り合えたようだ。今日は余り運がいい日では無さそうだな。まあ運で売り上げが変わってくれるんだったらありがた迷惑な話ではあるんだがね。
「前に座ってもいいかい?」
「おう。座んなよ」
「冒険者かい?」
「お? そうだよ。なんだ? 依頼か?」
「いや、宣伝だよ。魔法屋を始めたんだ。それで宣伝をな。魔法使いが居たら是非ともうちの店を紹介して欲しいんだよ」
「おう、良いぜ。店は何処にあるんだよ?」
珍しいことに、魔法使いの居るクランに当たったようだな。そして、魔法使いとの関係も良好だろうと。魔法使いとの関係が悪いと渋られるからな。
「ああ、冒険者ギルドの横の通りがあるだろう? あそこを真っ直ぐに行くとあるんだ。真っ直ぐに進んでくれたら魔法屋があるって事が解るからさ」
「そうか。冒険者ギルドの横の道な。解ったぜ。確かにそう伝えとく。言っとくが、行かなかったとしても俺のせいにしないでくれよ」
「それは勿論だ。宣伝してくれるだけでも助かるよ」
それはそう。魔法使いが行くかどうかは解らないからな。素直な魔法使いばかりとはいかないんだよ。難しい魔法使いも居るのはいるんだからな。
未だ、知名度は数%なんだ。もう少し知名度を上げておきたい。1%未満だって事も重々承知だ。まだまだ知名度は低いんだ。何とかしないといけないのはその通りなんだけどな。
「うちの魔法使い様は頑固なのと偏屈なのと割と素直なのといるからよ。多分素直な奴が行ってくれると思うんだがな。確証は何もねえ。悪いとは思うがな」
「3人も居るのか。もしかすると大きなクランなのか?」
「いや? 何処にでもあるような第2スラムのクランだぜ? ちょいと非戦闘員が多くてな。第3スラムに行くには金的な話で無しになってる。まあそこそこのクランのつもりだよ」
第2スラムのクランについては評価が分かれるところなんだよな。単純に少ないから第3スラムに進出出来ないのか、他の理由があって第2スラムの方が良いのかという話になってくる。
大体は小さいからって理由で第2スラムのクランに甘んじている所が多いんだが、大所帯だが移動しないというクランもあるんだよな。非戦闘職が多いという理由でな。
当然ながら第2スラムと第3スラムで税金が違う訳だな。非戦闘職を多く抱えているという事は、場所を多く必要とするという事とも繋がるんだよ。場所が沢山必要ならば、その分だけ税金がかかる。
「という事は非戦闘職が多いクランなのか。戦闘職を増やせないのか?」
「今は色んなところと交渉中だな。とりあえずは戦闘職が後300人は必要だよなって話だな。そうなると第3スラムよりも都市に住んだ方が安く上がる可能性もあるんだよな」
「そうだな。大体、500人を超えてくると都市で住む方が安くなる事もあるみたいだな。それなりに治安維持の役割も引き受けないといけないというのがあったとは思うが」
交渉中ねえ。大きなクランが出てくるのは良いことなんだよ。悪いことばかりではない。大所帯の方が何かと融通が効くからな。だが、後300人となると、今でも400人ほどのクランなのかもしれないな。非戦闘職が半分以上を占めそうだが。
「あー、それもあったか。となると大きくなっても第2スラムで活動する方が面倒が無くて良いのかもしれんな。流石に都市に進出するよりは安いだろうしな」
「そうだろうな。治安維持も殆どが金銭にならない話だからな。面倒ごとではあるか」
「非戦闘職が多いからよ。治安はなるべく良い方が良いのはその通りなんだがよ。難しいか。まあもうちょっと規模が大きくなって来れば検討対象になるんだろうがな」
規模か、金か、治安か。何処を選んでも付きまとう問題なんだ。都市は確かに治安が良い。第3スラムよりもよっぽどな。クランが治安維持活動を手伝っているからな。殆どタダ同然でな。
第2スラムでも大きなクランはあるんだよ。理由があって第3スラムに出ていけなかったり、都市に出ていけなかったり。第3スラムも第2スラムと比べたら税金が高いしな。
第2スラムは把握できていないところが多く有るからなあ。大きい所では5000人を超えるクランもあるそうだ。何処にあるのかまでは知らないが。その規模であれば、普通は都市で過ごせる。
戦闘職が多ければという話でもあるんだがね。非戦闘職ばかりだとそうも言ってられないんだよ。色々と役割を押し付けられるからな。それを嫌ってスラムにいることもあるからなあ。




