61話 9/13 アリアナ視点 クランを大きくしたいんだがね、とりあえずはノルマ達成
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さて、何度目か解らないけど、狩りに行くよ。今日も沢山狩りに行くんだ。今年は早い内に儲けるんだよ。戦闘職にも気合が入っているしねえ。
スパンが短いとどうしても怪我人が多く出る。これは仕方の無いことなんだ。どれだけ上手く戦っても怪我人をゼロにすることは出来ない。毎度毎度そう都合よくはいかないって訳さ。
スラムのクランとしては大きい方だとしても、スラムのクランだからね。スラムを脱したい所ではあるのさ。とりあえず、それが目標の1つでもあるんだからね。
スラムに拠点を構えているクランが皆そう思っているわけでは無いんだろうけど、うちのクランはスラムから出られるのであれば出たいと思っているのさ。だから狩りにも力を入れているんだからさ。
規模もそうだけど、まずは金だ。金が無ければクランを移動させる事も出来ないんだよ。まずは金を稼ぐ。それでもってクランを移動させる。そのためにはやらないといけないことは多くある。
ついこの間、クランの総会があったんだよ。出席者は誰でも参加が可能なんだ。皆が出たいって訳じゃあ無いんだけどね。私は毎回出ているけど。魔法使いだからさ。
魔法使いは強制的に参加をさせられているんだ。クランの中心的な人物という訳さ。まあ毎度毎度聞くだけに徹していたんだけどね。ちょっと今回は思うところがあったから発言をさせて貰った訳だよ。早い所大きくクランをしたいからね。
まずあたしが言ったことは非戦闘職の処遇の改善だ。カナリアの鳴き声はどうしても非戦闘職が少なくなる。それはそう言う制度を敷いているからだ。
まずはそれを変えないといけないと思ったわけよ。大きくなろうって時には大体出てくるのが合併話なんだ。その時に折り合いが付けば合併するんだけどね。折り合いが付かないことが多いんだ。
特にうちのクランは非戦闘職の扱いがあまりよくない。悪い方から数えたらもっと悪い所もあるんだけど、それなりとも言えない悪さなんだよ。まずはそれを変えないといけない。
クランのリーダーや、サブリーダーに解ってもらうには相当苦労したけどね。何とか優遇まではしないものの、悪い条件は見直すって話で落ち着いてくれたんだ。それは良かったとは思うよ。
後はいつもの合併の話。何処に声を掛けているだの話を持っていっているんだ。スラムのクランを抜けるには500人くらいの規模が必要なんだよ。その位は無いと。稼ぎ的に考えてね。
別に今のまま引っ越すことも可能ではあるんだ。でもそれはしない。スラムのクランで無くなるとメリットもデメリットも抱え込むようになるからね。
メリットは数が多くても何とかなると言うところかな。住むところも大きくなるし、色々と利便性は良くなる。都市でも目立つようになるしね。都市からの依頼も増えることになる。
デメリットはそれなりに金がかかる事。それと、都市からの依頼は良いことばかりじゃないって事さ。特に今の時期は平原に行ってワイルドボアを狩るのが一番儲かるんだけど、この時期に森の討伐に行って欲しいとか、沼の討伐に行って欲しいとか言われるわけ。
狩りに制限がかかる様になるんだ。その分依頼料が良かったりもするんだけど、割に合わない仕事も中にはあるんだよ。大きくなることはメリットもデメリットもあるんだ。
それでもクランを大きくしたいってのがうちのクランなんだけどね。これでもスラムのクランではかなりの大きさの方なんだ。そろそろ抜け出たいって奴らの集まりでもあるんだよ。
抜け出るには人数が必要。合併の話も積極的に受けていかないといけない。特に魔法使いがいるクランとの合併はしたい。魔法使いはどれだけ居ても良いからね。
そんな訳でさ。合併先のクランを探すためにも狩りに出かけるって訳さ。乱入してくるクランを誘おうって訳だ。乱入先のクランを誘うって手もあるけどね。
どっちにしたって知り合う必要はある訳だ。誰もスラムのクランを逐一把握しているわけでは無いのさ。かなりの数があるんだから当然だけどね。
さてと、いつもと同じ様なところで斥候が見つけたみたいだね。当たりかどうかを吟味しているね。あたしはあたしの仕事をやらないとね。今回は店主に頼まれてきたからね。
「……サラ、ヘレン。今日はこの魔法を使ってみて」
「なんだい? ……ああ、最近使っている変な魔法ね。どうしたんだい?」
「別に良いわよ。興味があったしね」
「……最近できた店の魔法。試してみてって言われた。どう?」
「とりあえずは使ってみるさ。使い勝手が良かったら店を紹介しておくれよ」
「私は面倒だからパス。アリアナが買って来てよ。新規開拓は任せるよ。使うのは使うけどね」
まあ使ってもらうのは決定しているわけだけどね。今日使えるのかどうかは置いておくとして。使って貰えて初めて値引きが可能になるだろうからね。使ってもらわないと困るんだよ。
「……とりあえず、それを渡しておく。使えたら言って。報告すると安くしてもらえる」
「解ったわ。まあ見てれば解るとは思うけどね」
「使えるか使えないかでしょ。買いに行くのは任せるからさ」
「……解った。とりあえず、使ってみて」
上手くいけば良いって所なのかねえ。店主の義理も果たしたところで、あたしの仕事も終わったわけでは無いんだよね。今日の狩りも成功させないといけないんだから。
クランも早く大きくなってくれると嬉しいんだけどね。合併話ってのは難航するものなんだよ。大抵が上手くいかないって思った方が良い。
それでも上を目指して行くんだがね。あたしは付いて行くだけだけどさ。それでも上は目指しても良いじゃないの。目指せるときに目指しておかないと。魔法使いも楽では無いんだからさ。




