58話 9/13 空間魔法は駄目な気がしている、7人目の客
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便利な魔法を考えるに当たって、頼るのはどうしても前世の知識になってしまう。そうしなければ今世の知識では限界があるんだ。当たり前のように攻撃魔法しか無いんだからな。
回復魔法だって前世の知識だ。あってもおかしくはないだろうと思っていたのだが、作れはした。結果、使い物にならないという事が解ってしまったが。まあそれは仕方がない。
前世の知識を当てにするのであれば、色々な魔法がありそうではあるんだが、これも中々に難しい。出来る魔法と出来ない魔法があるだろうからな。回復魔法は出来たには出来たが。
使えるのか使えないのかをまず考えないといけないのはその通りなんだがね。作っても駄目だろうと思うものも沢山あるんだ。出来れば凄く便利なんだろうなと思う魔法はある訳なんだが、恐らくは駄目だろうなと思う魔法もあるんだ。
それの代表が空間魔法だな。マジックバッグが駄目ならインベントリはどうだろうかという訳だな。インベントリがあれば、色んな荷物をその中に入れることが出来るからな。
だが、私の考察ではインベントリは不可能だろうという事が結論として上がった。恐らくは無理だ。いや、無理では無いのかもしれないが、限定的過ぎるという方が正しいか。
インベントリの魔法自体は出来るとは思うんだよ。空間魔法は出来るとは思っている。思っているが、入れたは最後、取り出せないだろうと思っている。
結果は解らないぞ? 作ってみた訳では無いからな。だが、考察すると無駄である可能性の方が高いんだ。何せ魔法の効果時間が決まっているからな。
魔法の要素として、時間と言うか、皆は距離と言うが、それが決まっている。初級魔法の効果時間はどれだけ伸ばせたとしても5時間ほどが限界だ。それ以上になると中級魔法が必要となってくる。
インベントリの魔法を作れたとしよう。そのインベントリの魔法は5時間有効な訳だな。5時間の間に仕舞い込んで取り出すのであれば出来るとは思う。それは可能だろうとは思う。時間はもっと短くなるかもしれないが。
それで、効果時間が来てしまえば、インベントリは開けなくなってしまう。じゃあ次のインベントリの魔法を使えばどうなるのかと言えば、インベントリは開けるようになるだろう。
ただし、そのインベントリが最初のインベントリと同じ保証が何処にも無い訳だな。むしろ私は違うインベントリを開くことになるだろうと思っている。
はっきり言うと、それでは意味が無いのだよ。取り忘れた物はこの世から無くなってしまう訳だな。恐らくはインベントリの魔法を無限に作れたとしても、同じインベントリを開くことは出来ないだろうと思っている。私の考察ではそうなるんだ。
その魔法でも、使える場面はあるのかもしれない。重いものを運ぶ時なんかは重宝するだろうが、それで中銀貨1枚だ。運送代としては高すぎるな。
そんな訳で、私の中ではインベントリという魔法を作らないことにしたんだ。恐らくは間違っていないと思うからね。まあまずは作れるのかという所から始まる訳なんだが。
研究資金がどれだけでもあるのであれば有用かもしれないという理由で研究資金を使い潰せるだろうが、研究資金は有限なんだ。作れるかもしれないが使えないかもしれない魔法を作っている余裕が今の私には無いんだよ。残念ながらね。
可能かどうかで言えば、マジックバックの方がまだ可能性はあるだろう。どんな魔石を使い潰す事になるのかは知らないが、作れるとしたら魔道具だ。魔法では作れても使えない代物にしかならない気がしている。それでは作る意味が無いんだよ。
カランカラン
「いらっしゃい」
「ふーん。ここに魔法屋が出来てたんだ。あ、見せて貰いますね」
「どうぞ。ごゆっくり」
新しい客だな。少し若いように見えるが、物腰は中年だな。大分落ち着いている。ジョージ程では無いだろうが、それでもかなりの戦闘経験がありそうだな。
見ている魔法は風属性か。まあ今の時期はそうだろうな。それが普通だ。普通でない人もいるんだが、それは何かしらの目的があるという事なんだろうからな。
「あの、見たことも無い魔法なんですが、これはどういった魔法なんでしょうか?」
「それか? それはワイルドボアの形をした風塊が敵に突っ込んでいく魔法だな。目に見えた範囲位なら突っ込んでいってくれるな」
「そうなんですね。威力があって使いやすいのかな? この地上って意味はどういう事でしょう?」
「地上はその通りだ。ワイルドボアは空を飛べないからな。ノイジーバードを狩るときには使えない魔法という事になる。要はそう言う事だ」
魔法だから飛ぶだろうと言うのは魔法陣魔法には通用しないんだよな。その辺り、もう少し融通が利いてくれると嬉しいんだが、そういう訳にはいかないらしい。
「じゃあワイルドボアを狩るときには関係ないですね。解りました」
じっくりと読む派なんだな。ギースやジョージは自分の見たいところだけを見て、魔法を判断していたが、今度の客は魔法をじっくりと読み込むようだな。あ、今度は名前を聞いておかないとな。
「では、今回は、先ほど説明をしてもらった魔法を買って行きます。もし使い勝手が良ければ何度も使わせてもらうことになるかと思います」
「そうか。それは有難いな。値段は中銀貨1枚だ。……確かに。それで、名前とクラン名を教えてくれないか?」
「そうですね。僕はリアムと言います。クランは「魅惑の姫君」という名前です。それではまた会えると良いですね」
「ああ。またどうぞ」
行ってしまったか。魅惑の姫君ねえ。何処かの令嬢がクランでも作ったのか? そんな感じの名前だな。まあ何でも良いが。とりあえず、1つ売れたな。良いことだな。今後も幾つか出て行ってくれると嬉しいんだが、さて、どうなるかな。
とりあえずは魔法の考察に耽りますか。空間魔法は恐らくは駄目だろうという結論が自分の中では出ているんだ。それは覆らないと思う。そんな気がしている。勘は大事な要素だ。勘を侮ってはいけないんだよ。さて、次の魔法はどうしたものか。




