55話 9/13 かなりの行列、最大クランだってさ
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さて、いつも通りに冒険者ギルドのある中央通りにやってきたのだが、凄い数の荷車だな。何処かの大規模なクランが討伐に出ていたんだろうか。ワイルドボアが乗っている荷車が最低でも1500は並んでいるな。いつもの光景と言えばいつもの光景なんだが。
ただなあ。ここまでの大規模な行列は中々ないんじゃないか? 夕方ならいざ知らず。真昼間だからな。夕方から深夜に掛けてはこれの比じゃ無いくらいに並ぶんだが。
魔法ギルドも大変だよな。これを買い取っているんだから。皮紙にしないといけないからな。全部は買わんぞ? 買うのは5割とか決まっているだろうからな。
皮は皮製品にも使われるんだから全部が全部、魔法ギルドに行く訳ではない。冒険者ギルドで解体することだってあるんだよ。冒険者ギルドと魔法ギルドが大規模に解体を行っている場所と言えば良いのだろうか。他の所には基本無いからな。
肉屋も基本的には冒険者ギルドか魔法ギルドに買い付けに行っているからな。干し肉にするか、生肉で売るかはその店次第だ。経営判断を間違えると大変な事になる。
まあ、いつもこんな状態だからな。中央通りはもの凄く広いわけだよ。これで貴族様が通るとなったら中央を空けないといけないんだから堪ったものではない。
まあ貴族様も魔物の死体にお出迎えをされたくは無いだろうが、それは仕方のないことなんだよ。それに貴族様が馬車で移動するという事は、何処かのクランか兵士が護衛に付くからな。先触れがくる。それまでに道を空けなければならないんだがな。
貴族様が外出することは基本的にはない。服を買うにしても何をするにしても、馬車を出し、専属の仕立て人なんかを貴族屋敷に呼び寄せる。荷物なんかも一緒にな。
だから馬車が出るんだよ。偶にな。勘弁してくれとは思うが、仕方がないんだよ。御付きを連れて店に行く訳にも行くまい。そっちの方が迷惑なので止めて差し上げろ。
まあシーズンには遠いからな。まだシーズンではない。忙しくなるのは12月の後半からと7月頃だ。ダンスパーティーのある時期だな。その頃には馬車が行き来するのが見えるだろう。
迷惑なので、ダンスパーティーなんかはやらないで欲しいんだがな。私か? 勿論参加していたさ。情報収集の為にな。ダンスも一応踊れるぞ。嗜みと言う奴だな。
ダンスと言ってもそう難しく考えなくてもいい。要は足の動きだけに集中すればとりあえずは合格だ。そこに上半身を合わせ込むのが中級者。上半身まで魅せるのが上級者だ。私は中級者で止めている。
それ以上は必要なかったからな。とりあえず踊れる程度で良かったんだ。情報収集には男女は関係ない。踊りながらここだけの話をするためのものだな。同じ派閥の者と情報交換をするんだよ。
情報収集は中々に難しかったが、やりがいはあった。人物を見定めるのが初級。同派閥と情報交換が出来て中級。敵対派閥の情報まで仕入れて上級と行ったところだな。
まあ言っても子供の情報収集合戦だ。敵対派閥でもどんどんと声をかけてくるぞ。それを返り討ちにして情報料をせしめていたのが私だ。伊達に一度、大人を経験してはいないのだよ。子供同士の社交でも言ってはいけない事と、本当に言ってはいけない事がある。
言ってはいけないことは基本的には罠だな。親がそう教えている可能性が高い情報で、その子供がまだ使い物にならないと言う情報が得られるだけだ。
本当に言ってはいけない情報もあるんだが、これは本当に漏らしていいのかと真剣に思ったものだ。そんなものもあったんだよ。勿論高く買い取ってくれたがな。
だから資金の事を気にせず魔法の研究に没頭出来たんだから良いんだよ。漏らした貴族の子息は今頃震えているだろうがな。覚えていたらの話だが。
まあ何と言うか、貴族の勝手な行動は平民を振り回すだけなんだ。基本的には大人しくしておけと言いたいが、私が大人しくしていなかったからな。人の事を言えない。
特にこんな大行列を前にして貴族が通るとなると非常に面倒になる。止めて差し上げろ。貴族は何事も無ければ貴族街から出てくるんじゃないと言いたい。
まあとりあえずは飯だ。飯屋は空いているから良いが、これは少し遅れていたら何処もいっぱいだった可能性があるな。……流石にそこまで早くはないか。この規模だしな。
さてと、座ってとりあえず様子見だな。こっちに来いこっちに来い。店員さんよ。こっちだこっち。金を払う奴はここにいますよ。よし来たな。
「注文は?」
「おまかせで。これでな」
「おまかせ1つ!」
とりあえず注文は通ったな。しっかし、長い列だねえ。何処のクランなんだろうかな。少なくともスラムにあるクランでは無いことは確かだな。あそこまでの規模に育っていたらスラムでは無くても住んでいける。スラムは大きくても300人くらいなものだからな。
ただまああそこまで狩りをするとなると、夜から今まで狩りをしていたことになるんだよな。普通は隊を分けるんだけどな。荷車が1500以上って事は戦闘職が3000人くらい動いたって事だからな。
かなり大規模なクランなのはその通りなんだが、私はクランにも明るくはないんだ。こういった場合は何処のクランが動いているんだろうなあ。
「前使うぜ」
「ああ、どうぞ。冒険者か?」
「ああ、そうだ。どうした?」
「何、魔法屋を始めてな。それの宣伝だよ。すぐそこで魔法屋を始めたんだ」
「成る程なあ。悪いな。俺らの所は魔法使いが居ないんだ」
まあそう言う事も多々あるからな。別に構いはしない。ただ、そうだな。それだと話の種が無くなるからな。とりあえず、この行列について聞いてみるか。
「そうか。残念だ。ところでこの行列は何処のクランなんだ?」
「あ? あー、こいつらは多分だが「黒曜石の黒騎士」の連中だろう。大規模で動くとなるとそこくらいだろう。この都市で一番大きいのがあいつらだろ。あれでも分隊だぜ?」
そんなに大きなクランが動いていたのか。と言うか、これで分隊なのか? 規模が違いすぎるだろう。流石にそこまで大きいと何かと不都合がありそうな気がするんだけどな。
まあいいさ。そこのクランに売り込めればがっつりと儲かる訳だからな。目標としておこうか。黒曜石の黒騎士なあ。黒が2つ並んでてあんまり語呂がよろしくないんだが。
何処が大きくなるのかは解らんところがあるからな。恥ずかしい名前のクランが沢山あるのは知っている。若気の至りと言う奴だ。そうかそうか。そんな名前なんだな。その内見つけてくれると嬉しい所だな。




