54話 9/13 受け身の魔法は好まれない、客にならない奴が来た
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洗濯が終わって、ちびちびと紅茶を飲んでいた2人が帰っていった。お代は払ったよ。次は10日後にお願いしておいた。大体その位に来るそうだ。次も洗濯ものが溜まっていることだろう。
洗濯が大体こんな感じで終わるんだなというのは確認できた。今後はそれに合わせて紅茶を入れることにしよう。温かい方が好みかもしれないしな。
冷めていても良いのだが、やはり香りが違うのだよ。温かい方が香りが豊かなんだ。私は気にしないが、気にする人は気にするだろうからな。
さて、暇になったな。魔法の事を考えている時間が増える訳だ。次の魔法はどうするか。どのような魔法であれば売れるのかという事だな。
既存の魔法に囚われ過ぎず、かといって理解のできる魔法を考えないといけない訳だな。とはいってもな。魔法は基本的には能動的で無ければ受けが悪いという事は解っている。
受け身の魔法はそこまで好まれないのではないかとの推論が出来たわけだ。題材はマッドフロッグ。あれは地雷の意味が籠っていたからな。動きは遅かったんだ。
動きを早くとの事だからな。受け身の魔法は余り好まれないのだろう。という事は、防御系統の魔法も同じだろうと思われる。作ろうと思えば作れるからな。
属性が何でも良いというのであれば、形は選べないからゴブリンとしよう。ゴブリンを一列に並ばせて壁とすることは可能だ。可能だろうが、その後どうするのかという所なんだ。
壁に突っ込んできてくれるのであれば、ダメージは与えられるのだろうが、魔物とてそこまで馬鹿では無いと思うのだよ。ワイルドボアは突っ込んでくるかもしれないが。
ウルフであれば避けてくる。ウルフはその位には知能が高いと言われている。ワイルドボアを狩りに来るんだからな。もうそろそろしたらウルフが混ざってくるころだ。
ウルフが混ざってきたら火属性の魔法が売れて行く訳なのだが、どうなるのかは解らん。火属性も置いてあるが、メインは風属性になるとは思う。
ノイジーバードの季節がやってきたらまた別の魔法を作らないといけないがな。雷属性でノイジーバードの形の物を作らないといけない。別に火属性でも良いんだけどな。
なんとなく、ノイジーバードにはと言うか、空を飛んでいる魔物には雷属性が効くと思っている。まあ何の影響かはよく解るつもりだが、そういうものなんだ。
この都市には無いが、洞窟に行けばケイブバットが居るんだが、そいつらも空を飛べるんだがなあ。近くにケイブバットの生息地はあれど、そこまでして必要かと言われても解らん。
一応、ケイブバットは闇属性だと言われている。闇属性の魔法を作るときには結構重宝するらしいが、そもそも闇属性の魔法を作らないってのと、私の作り方では皮紙や魔石インクの属性はどうでもいいからな。闇属性の魔法なんぞ使い道が無いんだがな。
対妖精、対精霊の魔法だと言われているからな。他にも弱点となる魔物はいるにはいるらしいが、他の属性でも良いらしいからな。闇属性の魔法は肩身が狭いわけだな。
そうなってくると、闇属性で良い魔法があれば良いんだが、パッとは思い付かない。闇属性である必要があるのかと言ったところなんだよな。
私の魔法を作る方法のせいで、形が決まってしまうという欠点があるからな。それを闇属性で作る意味があるのかと言われたら怪しい所だ。弱点属性でいいという話になってしまう。
わざわざ闇属性で作る意味が無いのだよ。闇属性ならではの効果があるのであれば良いんだが、そんなものは思い付かないしな。闇属性が輝ける日は遠そうだな。
カランカラン
「いらっしゃい」
「ふん。見せて貰うぞ」
「どうぞ。ゆっくりと」
ああ、居るんだよなあ。こういう魔法使いも。魔法が使えるイコール偉いと考えている輩が。まあ魔法が売れてくれればどうでも良いのだが、こういう魔法使いは難癖を付ける様な気がしていてな。
碌に定価で買ってくれるとは思わないんだよなあ。下手に出るのは駄目だな。対等という形で接しなければ意味がない。余り相手にしたくない魔法使いではあるな。
色んな魔法を見ているようだが、顔が不機嫌な表情から変わらないな。何を考えているのかが解らん。自分勝手に騒ぐだけで済むなら良いんだがなあ。
「なんだこの魔法は! 形が全然なっていないではないか! これでは使い物にならないぞ!」
「形はそう言う仕様なんだ。それ以外にも作れるが威力や範囲が極端に下がってしまう。現状はそれで行くつもりだよ。それ以外の魔法は置いていないからな」
「それにだ! 範囲が訳が解らん。地上としか書いていないではないか! これでは使えるのかどうかさえも怪しいではないか!」
「範囲はそれ以上でもそれ以下でも無いよ。まあ普通に目に見えている魔物に使う分には何も支障はない。思っている以上には範囲は広いとは思うよ」
さあ、喚き散らかしたぞ。全く、少しは静かに買い物が出来ないものなのか。こういう魔法使いもいるとは知っていたが、見るのは初めてだからな。
「それで? この意味不明な魔法は幾らなんだ?」
「1つが中銀貨1枚だよ」
「そうか。それなら小銀貨2枚で使ってやろう」
「言っただろう? 中銀貨1枚だよ。それ以上にもそれ以下にもならない。中銀貨1枚だ」
値段の交渉にもなっていないな。いきなり5分の1で使ってやろうと言われてもな。こっちも売り物なんだからそんな値段では売れないってのが解ってないのだろうか?
「な⁉ こっちは善意で買ってやろうと言っているのだぞ! それを無視するのか!」
「何度も言うが値段は変わらんよ。中銀貨1枚だ」
「こんな始めたての魔法屋の魔法を買ってやると言っているんだ! 小銀貨2枚で売れ!」
「馬鹿も休み休み言ってくれ。中銀貨1枚だ。これ以上は変わらんよ」
最低限の客層は居るんだからな。初めてだから負けてくれと言うのであればまだしも、高圧的に買ってやると言われてもな。無意味だよ。そんな脅しは効かんよ。
「馬鹿が! こんな魔法屋に二度と来るか! 何も解ってない奴がやる魔法屋程どうしようもないものは無いな!」
「言ったな? もう二度と来るんじゃないぞ? こちらからお断りだ」
帰っていったか。交渉のこの字も知らない馬鹿が来ただけだったな。まあああいう客も来るってことだな。客とは言えないが。塩でも撒いておくか?
さて、時間も良い時間だしな。飯屋にでも行ってくるか。11時半だろう? 良い時間じゃないか。そろそろ飯屋も混み始めるだろうからな。とっとと行って帰ってこないとな。




