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5話 9/1 まずは警備結界から、1番目の客

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 看板は掛け終わった。後は中の事についてなのだが、生活スペースの方は既に終わっている。特段必要な物という物が無いのでな。となると、売り場の整理な訳だが、とりあえず倉庫からスクロールを持ってこよう。


 種類は特に決めなくても良いな。とりあえずは大体のジャンルで並べておけばいい。後は客がスクロールの中を見るだろうし、並べてみない事には解らないことも多い。


 とりあえず30本程を抱えて持っていく。限界まで持とうと思えばまだ持てるが、そう焦ることは無い。まずは60本程並べてみて、客が欲しがる魔法の調査からだな。


「いけませんな~、旦那。まずは警備結界からでしょうに」


 誰だ? 店のスペースに着いたら人がいたんだが。それに警備結界か? ……そう言えばまだ設置していなかったな。忘れていた。


「ああ、済まない。少し出て行って貰えるか? 警備結界を取ってくる」


「へえへえ。よございましょ。ではお早く。商売の基本ですよ?」


 店の鍵を閉めて警備結界を取りに行く。これは魔石を使う魔道具で、それなりにお高いものなのだが、魔法屋を始めるのであれば絶対に必要だと言われて買ったものだ。商業ギルドでな。


 使い方は簡単だ。ドアの端に取り付けるだけ。これでこの場所から警備結界を含む全ての物が、警備結界を張った者の意図せず持ち出されないようになる。それはそれで不思議な物なのだがな。


 さて、警備結界も取り付けた。これで準備は万全になったわけだ。スクロールを並べても問題なくなったわけだな。さっさと鍵を開けてやらねばならんか。今度は警備結界が発動しており、扉が開いたとたんにカランカランと音が鳴った。


「旦那、不用心ですぜ? まずは警備結界からと商業ギルドで言われませんでしたかい?」


「ああ、そう言えば言われた気がするな。完全に忘れていた。そして、客か?」


「魔法屋に冷やかしに来る者なんてそうそういやせんよ? 客でございます、旦那」


 まあ待て、開店して5分と経ってないのに客が来るなどあり得るか? 一体何処から聞いてきたというのか。まだ言いふらしても居ないというのに。


「流石に早すぎるぞ。客と言われてはいそうですかとはならんだろう?」


「待ってやしたからね。何事も1番が大切なんですよ。魔法を見せて貰っても?」


「……そうか。まあ、構わんよ。どれも中銀貨1枚だ。全て初級だからな」


「そうでやすか。では」


 そう言うと男は魔法を見に入った。私はもう一束持ってこなくてはならんな。とりあえず60本並べておけば、気に入るものもあるだろう。そうして部屋を出てスクロールを一塊取りに行く。


 帰って来たときには、男は次々とスクロールを開けているところだった。……相当慣れているな。要点だけ読み取っているのだろうな。私には出来ない芸当だ。


「旦那、少しばかり特徴のある魔法ばかりを作りやすな。初めて見る魔法ばかりでさあ」


「ああ、作り方が少し特殊でな。品質は悪くないと自負しているのだがな」


 特殊なのは仕方がないな。魔法陣で作っているところなど無いだろうからな。他の国では解らんが、この国では初めての物だろうな。


「見る限り、威力、範囲共に実用レベルにまで上げられているのは解りやす。この形が特殊何ですわ。大抵は球や矢でござんしょ? ウルフとなってやすが?」


「読んだ通りだ。形はウルフとなっている。その魔法だと、風属性のウルフが敵の群れを意図した方向に追い立てながら攻撃する魔法だ」


 今見ているのは風属性の魔法だな。ウルフだから空は飛べないが、狩りという習性を使って獲物を追い立てることが出来つつ、攻撃する魔法だな。群れを相手にするときには便利な魔法だ。


「追尾ではなく追い立てる、でやすか?」


「ああそうだ。追尾するだけではない。ちゃんと追い立てる。群れには向いている魔法のはずだ」


「向いている向いていない関係なく、こんな魔法が存在している方が驚きですわ……」


「因みに試し打ちはしてあるが、動かない的に対してだからな。実際の動きは使ってみない事には解らん。使ってみた感想はまた来たときにでも教えてくれ」


 そうなんだよ。実戦使用の経験が無いのがこの魔法群なんだ。是非ともデータが欲しいわけだ。次来たときには是非とも感想を持ち帰ってきて貰いたい。


「それでだな。近々魔法を使う機会があるのか?」


「ありやすね。明後日からはワイルドボアの狩りをクランで行う予定だったんですわ。それの調達と言ったところでございやす」


「ワイルドボアか。確か土属性だったな。であればその風属性の魔法はオススメだぞ。群れを狙うのだろう?」


「クランで行く以上そうなりやすな。まあ特殊な魔法でやすが、問題ないでしょう。これとこれ、それとこれを貰えやすか?」


「その3点か。それなら中銀貨3枚になるな」


「旦那、1番の客でやすよ? もう一声あってもいいんでやすよ?」


「……なる程、そう言う事か。ちょっと待っていてくれ。取ってくる」


 1番目の客だからまけろと。そう言いたいのだろうな。まける代わりにあれを持たせようか。試し打ちをしたは良いが、町中では今一つ解らなかったんだ。それをおまけに付けてやれば良いだろう。


「待たせた。これを持っていけ」


「拝見しやす。……旦那? これは少しばかり意味が解りませんぜ?」


「まあ使ってみてくれ。使うタイミングは狩りに出て少ししてからだ。大体5時間ほどは時間が持続するから十分だとは思うが、それ以上の時間をと思うと初級に収まらなくてな」


「まあ初級であれば無駄打ちの1つくらいは許容しやすが、1番の客に試し打ちとはそりゃないですぜ?」


「まあ使ってみれば解る。また欲しくなるはずだからな」


「はあ、まあよござんしょ。また会う機会があればよろしくおねがいしやす」


 行ったか。まさか初日に客が来るなんて思っていなかったからな。それに警備結界の事をすっかりと忘れていた。まあ何とかなったんだ。良しとするか。


 さて、4本のスクロールが出て行ったわけだが、これが魔法陣魔法の初お披露目だ。是非とも頑張って貰いたい。……あの客の名前を聞くのを忘れていたな。何という名前だろうか。

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― 新着の感想 ―
5話で脱落します。テーマは面白いと思いますが、ひとり語りが多く、物語ではなくプロットか年表を読んでいるかのようでした。ひとり語りをシーンに小分けするだけでも大分印象は違ったかなと思います。
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