47話 9/13 兄も居たし妹も居たんだ、今日の宣伝は微妙
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9月13日光曜日。……朝か。着替えるか。寝巻はそろそろ無くなるところだったんだ。日中の服はまだまだあるんだがな。まさか寝巻がこんなに必要になるとまでは考えてなかったんだ。
毎日着るんだからそりゃ無くなるわな。こっちは外行の服と違って数が無かったからな。寝巻はそこまで必要では無かったんだ。私が持っていくから買わざるを得なくなっていたのだろうが。
貴族は基本的に同じ服を短スパンで着ることは無い。殆どない。同じ服を着るのは季節に2回か3回だ。同じ服を見られたら恥ずかしいというのがあるんだよ。
そんな訳で服だけは大量にあるんだよな。平民落ちする私にも買い与えていたのだから評判と言うものも落としてはいけなかったのだろうなとは思う。
その辺はきちんとしていた。もちろんだがな。そうでなければ情報料が貰えなくなってしまうからな。情報料は私の生命線だったんだ。お金は大事なんだぞ。
さて、着替えを終えたし、飯を食いに行くか。今は大体5時半過ぎだな。身だしなみを整える必要は無いし、これで行こうか。やはり平民は楽でいい。
貴族であった時は、この時間に起きて、鏡の前で寝癖を直したり、服の歪みを直したりと時間がかかるのなんの。そして7時頃に食事と言う名の服装チェックが入り、マナー教室が始まる。
そこで服を汚したりしたら最悪だな。1度もやらかさなかったが、兄がやらかしていたな。兄弟は居たぞ。少なくとも5人は居た。それで全員なのかは知らん。
兄が2人、妹が2人居たのは確かだが、食事の時以外に会わなかったからな。ついでに言っておくと、兄2人も魔法兵には成れずに平民落ちをしている。今どうしているのかは知らんな。
別にどうでもよかったからな。自分の事以外には興味がなかった。どうせ平民落ちをするのは確定していたんだからな。貴族で居られても困っただろうがな。
平民でなんの不都合も無いからな。何か困ったことがあるだろうか。洗濯以外では困っていないな。洗濯の問題も解決したし、後の問題は特に無い。
後は魔法が売れてくれればそれでいいんだ。魔法を作って売る。それが出来れば問題なく過ごしていける。兄2人? 知らん。兵士にでもなったんじゃないか?
就職先はいくらでもあるが、有力なのは兵士だろう。元貴族の兵士は扱いやすいんだよ。配置で困ることが無いからな。何処にでも就けられるのは利点だな。
貴族の近衛をやらせても良いし、普通の兵士も熟せる。隊長格の役職に就けてもリーダーシップを発揮できればそれでいいからな。使いどころはいくらでもある。
まあ忘れている兄2人の事なんてどうでもいいんだ。とりあえず飯を食わないとな。何時ものようにおまかせだがな。さあこっちへ来い。よし来た来た。
「どうしましょうか?」
「おまかせで。これで」
「解りました。おまかせ1つ!」
魔力量が多ければ雇う事も考えてもいいんだがな。兄2人の魔力量なんて知らないからな。店を渡せと言われても渡さんが。当然だろう? もちろん金は頂くぞ?
せっかく育ててきた魔法屋なんだ。固定客も徐々に増やしていっている所なんだからさ。タダで渡すわけがないだろうに。せめて大金貨2枚は欲しい所だな。
宣伝費用も稼がせてもらうさ。仮に売れと迫ってきたらな。もう関係ないと切り捨てても良いとは思うんだけど、義理は立ててやらねば。金は当然だろうに。
ああ、もちろんだが、魔法は持っていかせてもらうがな。これは私の財産だ。店は売ると言ったが、魔法を売る気はない。当然魔法陣魔法の秘密も渡すつもりはない。
まあ仮に売れと言ってきた場合だな。仮にだが。落ちぶれていても助けはしない。元兄弟だった。それだけのことだからな。何か思い出があるかと言われても無いしな。
基本的には、母親が不快にならないように立ち回っていただけで、後は家庭教師と過ごしていたからな。兄弟の思い出などは何もない。個として育てられた気がしている。
家族愛? ないない。実家からの援助などは期待するだけ無駄だ。どうせ向こうも忘れていることだろうさ。女系だったからな。男はどうでもいい訳なんだよ。
「おう、空いてるか?」
「空いてるよ。冒険者か?」
「おう、そうだぜ? どうしたってんだ?」
「ああ、魔法屋を始めてな。それで宣伝をと思ったんだ」
「あー、魔法使いな。居るけど期待すんなよ? ……ここだけの話、ちょっと癖が強すぎてよ。性格が悪いんだよなあ、あいつ。どうにかならんものかとは思っているんだ」
「そ、そうか。無理にとは言わんから、機会があったら宣伝しといてくれ」
こういうケースもある。魔法使いと前衛の仲があまりよろしくない場合だな。こういう場合は伝わらない事が多いうえに、1人だという事が確定してしまったからな。あまり売り先としてもな。
何人も魔法使いを抱えているクランであればいいんだが、1人の所はどうしても魔法使い側に難がある場合があるんだよな。魔法使いが増えても、すぐ抜けるといったように。
「おまかせです」
「おっし、俺もおまかせで。大盛で頼むわ。それと肉は多めで頼む。これ代金な」
「解りました。おまかせ大盛肉多め1つ!」
おまかせは野菜炒めに少しだけ肉が入っていた。珍しいな。ワイルドボアが狩れ過ぎたのか? そういうときもあるからな。魔法ギルドはかなり困っていそうだがな。
大半は荷車で魔法ギルドへと運ばれる。解体は魔法ギルドのお仕事だからな。冒険者ギルドは買い取るまでが仕事だ。この時期のワイルドボアは殆ど利益なしで渡される。
肉が腐る前に消化しないといけないからな。捨て値で売られることも多々あるんだよ。それでも畜産業の人が居るんだから肉は無くならんのだよ。
まあ食べるか。今回も宣伝の効果は無かったみたいだが、とりあえずは食べよう。腹が減っては何もできんからな。今日も1日しっかりと生きようではないか。