463話 5/17 弟子が2人もやってきた
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5月17日風曜日。待望の弟子が来た。教会に寄付し続けてきた甲斐があったってものだ。しかも2人も。2人も! 面接即採用で今はクライヴ君に修行を付けて貰っている。
必要な物は買いに行かせたよ。クライヴ君が付き添いで。リアムは作れる数が多すぎて、まだ朝から作らないと間に合わないんだ。それは仕方がないんだよ。適材適所で良いじゃない。
1人目はギド。10歳の男の子で黒髪黒目の和風系。一重だし鼻も低い。髪の毛は肩まで伸ばしているけど、いいんじゃない? 初級魔法が5回使えて、魔力の色は青色だ。
2人目はダニエレ。こっちも10歳の男の子。銀髪赤目のラテン系。銀髪が眩しい。髪の毛は腰まで伸ばしている。初級魔法は8回と多め。魔力の色は橙色だ。
教会も同じ。育った環境も同じ。2人揃って魔法屋を希望していたんだと。いいねえ。弟子が増えるのは有難い。26個の魔法が増えることになる。喜ばしい事だな。喜ばしいんだけど、女の子がいないのはどうしてなんだろうな。
いや、別に構わないんだよ? 男でも女でも構わないんだ。構わないんだが、女運が無さすぎないか? 平民になってから、碌に出会いが無いんだけど。
出会いの場はあったんだぞ? クランの交流会にお呼ばれして行ってきたんだよ。留守番はクライヴ君にお願いしてさ。なんとクライヴ君、お留守番が出来るようになったのです。
リアムも居るから大丈夫だろうと思って強制的にお出かけしただけなんだけどな。因みにリアムは基本的には工房から出てこない。魔法を作るので精一杯なんだ。クライヴ君は4つだから、昼から作っても十分に間に合うんだよ。
それで出会いの場に行ってみたんだが、基本的に話が噛み合わない。まあ、冒険者と魔法屋だからな。話が噛み合わないのも……解らないよな? なんでなんだろうか。
貴族女性とは話が出来たんだがな。世間話は、したことがないかもしれない。情報のやり取りか、吸い出しか、何方かだけだったような気がする。
だからと言って会話が出来ない訳がないだろう? 前世はどうだったんだよという話だぞ? 女性との会話は普通にあっただろ。なんでクランの女性との話が出来ないんだよ。そんな訳がないだろう。小さいことは違っても、大筋は変わらないと思うんだが。
だが何故か噛み合わない。疑問でしかない。何故だというのは、今は解っているんだけどな。ギースが横から聞いていたところだと、そもそもの始まりが間違っているらしい。
私の気分的には婚活なんだよ。そろそろ身を固めたいなと思っているんだ。そろそろ16歳になる。貴族の常識としては婚約者が居てもおかしくはない年齢なんだ。
ところが平民の女性は男性と認識するのは20歳を超えてからだという。女性は15歳で結婚することもあるんだが、男性は20歳を超えないと結婚しないらしい。
どうしてそうなっているのか。それは稼ぎに問題がある。収入を当てにされているのは男性なんだ。女性が主になる事もあるらしいが、基本は男性の稼ぎを当てにする。
そうなると働き始めるのは10歳くらいだ。15歳くらいまではお試し期間と言うか、仕事に慣れるまでの準備期間らしい。合わないと思えば転職して他の仕事を探すものだ。
10歳から仕事を始めても修行や何からがあって、体も成長するしまだまだこれからという時期だから、稼ぎが安定してくるのは20歳くらいなんだそうだ。
勿論、例外も沢山ある。冒険者みたいに15歳くらいで結構な金額を稼ぐ人もいれば、20歳を超えても碌に仕事も見つかっていない人もいる。それは人それぞれあるんだそうだ。
だが、女性的には20歳未満の男性は恋愛対象になりにくいらしい。幾ら稼いでいたとしてもだ。半人前か、もしくは弟にみられているらしい。
……前世の常識に近いものがあるんじゃないかと思うんだよな。前世だと、男性も女性も大学を出るのが殆どだから、結婚は23歳くらいからになる。付き合うのは15歳くらいからでもいいかもしれないが、結婚をってなってくるとそのくらいの年齢だろう。
下手をすると40歳くらいになってくる。晩婚化が問題視されていた時代だからな。男性はそれでも良いんだが、問題は女性だな。男性の晩婚化は何とかなっても女性の晩婚化は何ともならない。
子供を産めるのは若い内だけなんだよ。だから少子化が社会現象化してしまっていたんだよな。それに高齢化も重なって酷いことになっていたのが前世だ。
今世では、貴族は10歳ころには許嫁がいたりする。そして15歳かそこらで結婚し、子供を設けるんだよな。貴族の方が結婚が早いんだよ。
今世ではそっちの常識に囚われていたせいで、15歳になったら結婚しておかないと遅れているみたいな感覚にあったんだけど、平民の女性はそもそも男性としてみるのは20歳を超えてからだという。それは、知らなかったな。
そんな訳で、俺は半人前の男の子を見ている眼で見られていた訳だ。だから会話が噛み合わないんだなと思った。相手は弟を見る目で会話をしていたのに、こっちは恋愛対象として会話をしていたんだよ。そりゃあ無理だ。
そしてギース曰く、この服装も駄目らしい。この服装は貴族家で使っていたものだ。勿体ないからと沢山もらってきたんだが、これが駄目だという。
豪華すぎるんだと。これでもまだマシなものを選んだつもりなんだが、それでも派手らしい。女性側が避けるだろうと言われてしまった。
金がある様にも見えるんだが、同時に金遣いも荒く見えるんだそうだ。服に金をかけているのは、見た目的には良くても生活が安定していない様に見えるらしい。
……服装はある程度気を使わないといけないだろうと思って、貴族家から持って来た服を着ていたんだが、派手過ぎて浪費家に見えていたと。
前世とも貴族家とも感覚が違い過ぎて全く気にしていなかった部分を指摘された。そもそも服装は平民服で上等なものを着ているくらいで丁度いいらしい。貴族の服では金満家で金遣いの荒い人に見えるそうだ。
食事処でも女性の店員が来なかったのはそういう事らしい。女性運が無かったわけではない。女性を避ける様な服装をしていた私が悪いそうだ。
例えば、平民の食事処に貴族風の服装の男が入店したとしよう。目的はなんだ? お忍びで平民食を楽しみにきたのか? そうではないだろう。ならば何の用か。女遊びじゃないのかと思われても仕方がない。店員に難癖を付けて、そういう事をする奴もいるんだそうだ。
そんな訳だ。女運が無かったわけではない。寄せ付けない様にしていた私が悪いと言う事になる。……言われなかったら気が付かんよ。
そんな訳で、平民服で上等なものも幾つか買った。値段は安かったので良かったが、今までの服はどうするか。処分するにしたって勿体ないよな。
という事で、結局は平民服と貴族服を交互に着るようになったんだよ。店番もそれでやることにした。行く行くは全部を平民服にしていこうと思う。
勿体ないのと、処分が出来ないって所が問題なんだよな。勿体ないのは仕方がないだろう? まだまだ着れるんだから着た方がいいんじゃないかと思うんだよな。そして、処分の方法が無いんだよな。古着屋に売れると思うか?
誰が買うんだよ。いわくつきの物だと思われるぞ。無駄に作りがいい所為か、引き取り先が無いんだよな。生地は上等な物だし、服以外に使うのも勿体ない。
勿論だが、貴族の服に再利用するのは無理だ。流行もあるし、そもそもパーツで使えるのもがあるかどうかのレベルで、生地としては使いにくい。それなら始めからそういう目的で作った方が安上がりになるし、見た目も良くなるだろう。
なので、ボロボロにとまではいかないが、ある程度までは使うんだよ。平民服で上等なものを揃えるにしても、まだ使える服を捨てるのはなあ。
そんな訳だ。平民服になったら、女性運も上がって来るんじゃなかろうか。暫くはそのままだろうが、いずれは大丈夫になるだろう。
後は年齢だけか。焦らなくても良いと言う事が解ったからな。ただこれで20歳になっても相手がいなかったら凹むどころでは済まない気がする。




