46話 9/12 晩飯もおまかせ、鍛冶師に宣伝を頼んでもな
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もう夕方も過ぎて18時だな。さてと、そろそろ店じまいだな。晩飯を食べたら店を閉めるか。朝は早くてもいいんだが、夜はそこまで遅くやっても客が来ないんだ。今までの傾向ではな。
それにあまりにも粘り過ぎると、今度は冒険者の夕飯時に被ってしまう。それは余りよろしくない。いや、売り込みを掛けるんなら有りかもしれないが、数が多すぎて無しなんだ。
座れないからな。座れなければ意味がないのだよ。討伐に出ていない冒険者であればこの時間に食べていることもあるからな。それを狙っていくんだ。そうしないと宣伝が出来ないからな。
さて、それじゃあ移動をしますか。いい感じに暗くなってきているが、中央通りは魔石ランプのお陰で明るい。少し入った所にあるここは暗いんだがな。それは仕方がない。
これでとりあえずは飯屋を探すんだが、この時間はまだ空いている。相席になるかどうかは運次第って所かな。出来るだけ混んでいる店を選ぶか。ここにするか。
とりあえずは空いている席へ。そこへ座って店員を呼び込むわけだが、手を振りながらこっちだとアピールする。よし、そうだ。こっちへ来い。
「ご注文はどうしましょうか?」
「おまかせを1つ。これで」
「解りました。おまかせ1つ!」
これで良し。飯屋のシステムにも慣れたもんだ。初めは何をしていいのかが解らなくて、店員を呼ぶのに15分もかかってしまった。たったこれだけでいいのにな。
恥ずかしがっていては駄目なんだ。ともかく目いっぱいアピールすることが大事な訳だ。ただ、声を出しても意味がないのは何度か試して解ったことだ。
そもそもうるさ過ぎて声を判別できる距離まで来ないと声の意味がない。店員が厨房に向かって叫んでいるのも実際は意味がない。後で言い直しに行っているからな。
そんな訳で後は待つだけだな。朝も昼も夜もうるさいのが標準の飯屋だ。何時から何時までやっているのかは知らないが、結構遅くまでやっているんじゃないか?
下手をすれば24時間営業だな。それでも客が入るんだから仕方がない。基本的にはギルドは24時間営業だ。そうでもしなければ、朝に行列が出来るだけだからな。
飯屋ももしかしたら24時間営業なのかもしれんな。冒険者が何時に帰ってくるのかが解らんからな。何時働いても良いのが冒険者だ。クラン単位で活動時間はあるのだろうが、基本的には決まっていない。朝のクランもあれば、夜のクランもあるんだからな。
活動時間は本当に解らんのだよ。何時に帰ってくるのかが解らないんだ。その為に店を開けようと思えば、必然的に24時間営業になってしまう。多分結果そうなったんだろうな。
「相席いいか?」
「どうぞ。冒険者か?」
「いや、違うな。俺は鍛冶師だ。何だ? 冒険者に話があったのか?」
「ああ、魔法屋を始めてな。それで冒険者に声を掛けているんだ」
「なるほどな。始めたばかりなのか。俺の所とは客層が違うからな。なんともしてやれねえな。そっちも俺らの所を宣伝出来ないだろう? そういうこった」
如何にもなガタイをしていたから冒険者かと思ったが、鍛冶師か。鍛冶師も力仕事だからな。剣を打つ豪快さと、剣を研ぐ繊細さが求められる職業だ。
それと、暑さとの戦いにもなる。このくそ暑いラッセルクルーで鍛冶職なんてものをやってられるのかと言いたいが、やっているんだから凄いんだよな。
そして、紹介できないのはその通りだ。冒険者にも役割がある。前衛と後衛くらいは解るってもんだ。剣士や盾使いは前衛で、魔法使いは後衛な訳だ。そこで宣伝をしてもな。
多少は宣伝になるかもしれないが、それでも効果は薄い。やってもらうという選択肢もない訳では無いが、こっちも魔法使い相手に宣伝をしなくてはならない。それは面倒だ。
「はい、おまかせです」
「なんでえ、魔法屋よ。肉を食え肉を。力が付かねえぞ。おう、俺は肉大盛で。後は酒だ。そっちも大盛でな。こいつで頼む」
「解りました。肉大盛1つ! 酒大盛1つ!」
肉を食うと太るんだよ。やせ体質という訳でも無かったからな。体型は出来るだけ維持させてもらう。まあ結局はおまかせを食うんだが。野菜であると嬉しいよな。
太らなくても済むからな。麦を使っていたり肉を沢山だと簡単に太るんだよ。出来る限り体型を変えずに過ごして、服代を浮かせることしか考えてないからな。
後は酒の大盛ってなんだ? 酒の大盛は無理だろう? 液体だぞ。ぎりぎりいっぱいまで入れる事しか出来んだろうよ。何かオーダーが通ってしまったが。私は知らんぞ。
しかし、酒か。私は酒は飲まん。飲めん訳では無い。ただあの温いのが気にくわんだけだ。キンキンに冷えていて欲しいよな。生温い酒は嫌いなんだ。
だから冷蔵庫をだな。魔道具で何とかしてくれと思う訳だ。貴族ですら持っていなかったんだぞ。じゃあ何処にあるんだって話だよな。多分ないんだろう。それでは寂しいだろうに。
冷えた酒があるのであれば、私は注文するぞ。冷えていた方が美味いに決まっている。喉越しが違ってくるわけだ。冷えた酒と温い酒では別物なんだ。これは譲れない。
……っと、食い終わってしまった。さてと。これで終いだから帰るか。席はなるべく空けるのがマナーだからな。無意味に居座る客は嫌われるんだ。
さてと、帰って店じまいだな。今日もスクロールが売れてよかった、売れない日もあるからな。売れてくれることには感謝をしなければな。明日も売れてくれるといいんだが、それは解らんのだよ。




