458話 10/29 ミーガン来店
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10月29日風曜日。魔法は順調に売れていっている。売れ残りはあるが、それは仕方が無い事だからな。スーザンが毎日買い物に来るわけでもないんだ。売れ残りは絶対に出るんだよ。
特に私以外の魔法だな。リアムが魔法作成に加わったから、22個の魔法が増えたことになる。その分は売れない事も多いんだよ。色が同じというのもあまりな。
鑑定魔法を使ってみた結果、リアムの魔力の色は赤色だった。そうだろうなとは思っていたんだが、やっぱりかと言った感じだった。これで青色が見えていたら、色々と問題が起きただろうな。
そして、鑑定魔法でスクロールの魔力の色も確認できた。これはクライヴ君の魔法で簡単に解った。赤色が薄っすらと見てとれた。私の魔法は無色透明で見にくかったというのがあるんだよな。
見えない訳ではない。見えない訳ではないんだが、本当に見づらい。見逃していたのも当然と言えるだろうな。考えが足りていなかったという事でもあるんだが。
そんな訳で、鑑定魔法は売りに出している。魔法の説明と使い方、その他いろいろを話しておかないといけないからな。まあ、時間がかかる。その説明中に他の客がやってきて、何やっているんだって感じで何度も説明をしないといけなかったり。
だが、解っていることは、1個使えば後は必要なくなるんだろうなって所だろうな。他の人の魔力の色も確認できるからな。1回使えば十分だと思う。
何度も何度も確認をしないといけないって事にはならないだろう。そう思っているぞ。そんなに魔法屋に新人がポンポンと入る訳でもないんだから。
入るのであれば、私も苦労はしていない。教会に高い金を払っているんだからな。私の所にも来てくれないと困るんだよな。寄付金は結構な額をしているはずなんだよ。まあ、大半は携行食屋の売上なんだけどな? そっちの方が稼ぎはいいからな。
ギースも1度店にやってきたので、追加の人員10人を向かわせてくれと言ってある。今日にでも携行食屋に行っているはずだ。早ければという話にもなるんだが。
直ぐに見つかるとは言っていたんだよな。というか、既に見繕ってあると言われてしまった。先読みのスキルでもあるんだろうか。仲介料は前回同様に払っておいた。
なので、最近の私のスケジュールは忙しい。いや、前から似たような感じなんだが、2号店の場所を探している。候補は2か所程見つけたので、何方かにする予定だ。
店員の修行が終わり次第、そちらの店舗に移って貰う事になる。近所なんだが。家もちゃんと用意するぞ。後は商業ギルドで権利を買うだけだ。そろそろ買っておいても良いとは思うな。引っ越し作業もあるんだから、急いで買った方が良いだろう。
そんな訳で、携行食屋は順調。稼ぎの殆どを教会の寄付につぎ込んでいる。教会も収入的にホクホクだろうな。誰の金だと思っているんだろうな。
そんな訳で、魔法屋の方も順調、携行食屋も順調。良い事だな。魔法屋もリアムが毎日22個の魔法を仕上げるのに必死になっていること以外は順調だぞ。
それは仕方が無い事ではあるんだけどな? 初めて作る時は、1時間くらいはかかるんだ。5つ目くらいになってくると30分くらいに短縮されるんだが、そこからが難しい。
如何に効率よく作るのか。それを突き詰めていかないといけないんだよ。私は1つ5分くらいで作る。それくらいにならないと、暇が無いんだよな。
だからリアムは4時前に店に来て、魔法を作り始めて、6時過ぎに全ての魔法を仕上げるというサイクルを行っている。店番には立てない。立つ時間がない。
慣れるまでは仕方が無いとは思うんだよ。慣れてくれば、昼からの4時間で十分になるとは思うんだよな。店番にも立てるだろう。けど、知り合いも多そうだからな。店番に立つのは恥ずかしいのかもしれない。立っては貰うけどな。
クライヴ君には、買い物にも出かけて貰った。魔法の作成数が倍くらいになったんだから、素材も倍で減っていく。なので、買い物に行ってもらった。魔法ギルドにだな。大量の皮紙と魔石インクを買ってきてもらったぞ。まだまだ倉庫には入るんだけどな。
買い物の頻度も増えていくと思われる。最終的には、3人を毎日のように買い物に行かせないといけないだろうとは思っている。50人くらいの従業員を抱えたいからな。規模的にはその位にしたいと思っているんだよ。出来るかどうかは解らないが。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「あいよ、また来ちまったよ。まあ、あれの報告もあるんだ。来ないといけないのは解っていたことなんだけどねえ。あの非常識をなんと説明すれば良いのか、正直迷ったところはあるんだがね」
「ん? そこまで非常識な魔法にした覚えは無いんだがな。あくまでも身体能力の強化と、嗅覚や聴覚の強化が主になっているはずなんだが」
「ああ、ああ、その通りさ。それで間違っちゃいないよ。間違っているのはその効果が高すぎるって事なんだよ。なんだいあれは。中規模クランの前衛だと言っても遜色ないくらいには強くなっているし、斥候に関しては、異常な程に獲物を見つけやすくなっていたさ」
「ほう。斥候はそうなるだろうな。だが、前衛がそこまで強くなったのか?」
「ああ、あたしんところのクランは小規模だ。それは何度も話しただろう? だから戦闘経験も少ない。強くなる機会も少ないという事なんだよ」
「それはそうだろうな。戦闘を熟せば強くなっていく。冒険者とはそういう存在らしいからな。これで魔力も増えてくれたら良かったんだろうが、魔力は増えることは無い。前衛がどんどんと強くなっていくってのは解る。だが、小規模クランと中規模クランの強さのラインが解らない。どのくらい違うんだ? 具体的にワイルドボアを相手にしてどのくらい違うのか」
「そうだねえ。ワイルドボアを相手にした時、正面で1人で受け止められるくらいになれば、中規模クランの前衛と言えるんだよ。小規模クランでは複数人で多少の怪我を込みで止められる、その程度の強さなんだよ。だが、今回の魔法を使った結果、防御勝ちをした。これが異常でなければなんだって言うんだい。防御勝ちなんて、中規模クランでもそうそうは出来ないんだよ?」
「防御勝ちっていうのはなんなんだ? 受け止めたというのと何が違うのかを教えてくれ」
「防御勝ちってのは、ワイルドボアの突進を止めるだけじゃなくて、後ろに弾き返してしまう事をいうんだよ。普通は無理さ。比較したわけでもないから感覚的な事にはなるんだが、2倍から3倍の強さを手に入れたと思っても良いんじゃないかって感じさね」
「なるほど、それだけの効果があるという事なんだな。……てことは、恐らくだが定数強化だろうな。倍数強化であれば、少しおかしな事になってしまうからな」
「それはどういう意味なんだい?」
「単純に考えると、小規模クランの前衛の強さを50から100としよう。そして、強化されるのが100だ。そうすると、2倍から3倍の強さになる事が解ると思う。だが、中規模クランの前衛が150から200くらいだったとすると、1.5倍程度の強化になる。これが定数強化だ。だが、倍数強化であれば、中規模クランの前衛も2倍から3倍の強さになってしまう。これだと初級魔法の範囲に収まらないほどに強くなってしまう訳だ」
「大規模クランの前衛ならもっとって事かね。確かにそれはあり得ないだろうね」
「だろう。だから定数強化だと思ったんだ。とりあえず、実験は成功だな。身体能力強化魔法については、アンデッドの季節が終わったら売り出す予定だ。鑑定魔法とセットでな」
「鑑定ってとあれかい。なんでまた……ああ、そういう事かい。店主の魔法は誰でもいいかもしれないが、弟子の方はそうはいかないって事かね」
「ああ、それと魔法が1回しか使えない前衛が居るだろう? その人に使ってもらえばいいからな」
「……色々と常識が狂うねえ。まあいいさ。今日はこれだけ買っていくよ」
「クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨4枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。身体能力強化魔法は成功っぽいな。売り出しながらブラッシュアップしていこうか。まだアンデッドの季節が始まってもいないから、もう少し後になるんだろうが。




