45話 9/12 夏は暑い、初級魔法で実験
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さて、暇になったわけだが、少し癖の強い客だったな。そのせいで名前とクラン名を聞くのを忘れてしまった。一体誰だったのだろうか。まあ2度目に来た時に確認するか。
昼も良い感じに回って今は15時か。おやつの時間だな。そんなものは無い訳なんだが、菓子か。難易度が高いな。料理が出来れば違うんだろうが、私は料理が出来ないからな。
飯屋に行っても菓子は出て来んだろうな。砂糖が高いからな。砂糖を使わん菓子があれば良いのかもしれんが、そんなものは知らんからな。
菓子と言えば甘い物だ。焼き菓子然り、氷菓子然りな。氷菓子なんてものは見たことが無いのだが。冷蔵庫が無いからな。あるとしても冬の雪くらいか?
雪は食べ物ではない。冷やすのに使うのならまだわかるが、雪は食べ物ではないのだよ。あれは空気中の埃やら何やらが大量に付着しているのだからな。
氷室なんてものも聞いたことが無いな。というかだな。このラッセルクルーは雪が降らない。滅多に降らない。温暖な地域なのだよ。夏は途轍もなく暑いのだがな。
暑いのは苦手だ。冬に寒いのも苦手だが。雪が降らないのであれば寒くても我慢は出来るが、雪が降るのは耐えられない。それだけはこんな気候で良かったとは思う。
ただ、雪が降らないからか知らないが、冒険者は冬場もしっかりとお仕事を熟す。冬は運動をして体を温めるのだと言わんが如く。そんな都合は知らんがな。
兎も角、夏は暑くて、冬は涼しい程度で済むのがこの地域だ。夏は最悪だぞ。沼地があるせいで湿度が高くてな。じめっとした暑さになるんだ。本当に最悪だぞ。
特に8月だな。9月の今でさえじめっとしているというのに、これ以上の最悪さなんだ。大分暑くなくなってきているとはいえ、まだまだ暑い。
そんな時期なのにも拘わらず、ワイルドボアが猛威を振るってくる時期なのがまた最悪だな。暑いのに戦闘が必須なんだ。この時期は本当に嫌だぞ。
魔道具職人が空調系統の魔道具を作ってくれない物か。原理は熱交換だろう? 出来ないことは無いとは思うんだがな。言っても無駄なのは解っている。私には作れないからな。
世の中のチートをする主人公は凄いものだ。知識チートなどはありえんと思えてくるな。現実に知らないんだから特にな。よくもまあ出来るものだ。
余程の物知りが転生したのだろうな。悪いが私には無理なんだ。そんな知識は無い。知識があれば今の様に金に困っているなんてことは無い訳だな。
金に困っているのかと言われたら特には困ってないのだが。中級魔法を作るにはという注釈が付いての事だ。中級魔法を作るには金が足りん。中級魔法を売る先もない訳だがな。
中級魔法が必要になってくるのはここを東に向かって2,3日歩いたところにある町から行ける飛竜山脈に挑戦するクランだけだからな。後は火事の消火用の魔法か。
そんな訳だから、中級魔法の売り先がない訳だな。作れと言われれば作れるのだが、威力や範囲、その他諸々が初めての物になってしまうからな。おいそれと実験も出来ないし。
材料が高いのが駄目なんだよ。初級の道具で中級も作れればいいんだが、如何せん威力や何からが低すぎる。それでは使い物にならないんだよ。
一応実験はしたさ。ワイルドボアの皮紙と魔石インクを使ってな。確かあの時は直径80cmの円を作ったのだったか。中は八芒星のさらに内側に八芒星を書き込んで作ったんだったか。
威力は初級よりも強かったよ。じゃあ中級並みですかと言われたら違ったな。そこまでの威力は無かった。中級魔法は試し打ちをしたことがあるからな。
何というか、初級と中級の間くらいの威力だったんだよな。ただあれじゃあなあ。使い勝手が悪すぎるんだよな。円が直径80cmという事は皮紙はそれ以上の大きさになる。
重いし、持ち運べないしで散々なものにしかならない上に、威力は初級にちょっと付加価値が付いたという程度。それじゃあ駄目なんだよな。
スクロールを大きくすればそれなりの威力の物が作れる。恐らく中級魔法に匹敵する威力が出せる物も作れるとは思う。思うが持ち運べるのかという問題が付いて回る。
中級魔法の威力が作れました。直径が2mになりましたでは話にならんのだよ。誰がそんなものを持って歩けるというんだ。皮紙の重さを考えろよな。思っている以上に重いからな。
やっぱり定形の23番辺りが限界の大きさなんだよ。それ以上は無理だ。嵩張り過ぎる。今の大きさで我慢するしかないのだよ。特に難しい話ではない。持ち物の限界を考えろという話だ。
大きくするのはロマンでもある。他の研究者たちもそんなことは考えただろうさ。それでも無理というか、無駄だったから今の形に落ち着いている訳なんだ。
定形の23番が一番大きい訳では無い。まだ大きいサイズの皮紙はある。だが、値段的にも荷物的にもこれが一番いいとは思うんだ。それ以上は不要の物でしかない。
物語の定番のマジックバッグがあれば話は別なんだろうがな。そんな便利な物は無い。そんな魔道具は存在しない。現状作れないだけなのか、技術的に不可能なのかは知らんが。
そんな世界だからこそ、背負い袋が発展している訳なんだ。殆どリュックサックだよ。それを常備している魔法使いの多い事。普及され過ぎている。
リュックサック程度でチートが出来るのであれば良かったんだがな。そんなことは無かったんだ。知識チートは思ったよりも難しい。それがよく解ったよ。都合のいい事なんて余りないんだなって思ったさ。まあ魔法屋をやれているのだから贅沢は言わないがね。