445話 10/25 ポット来店
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さて、魔道具の件は明日になった訳なんだが、商業ギルドがどのように評価してくるのかなんだよな。何処まで売り込みをかけられる商品なのかを見定めないといけないだろう?
まずもって、水を作る魔道具については、軍隊に売れる。確実に売れる。片道に何日もかかる都市計画をしているんだから、水は必ず必要になるんだよ。
兵士諸君が荷車を押していくのか、馬車を使うのかは知らないが、軍の規模だけ水が必要になるんだ。絶対に必要なんだから、荷物が減らせるのであれば減らしたいと思うのが普通だと思う。
まあ、直ぐには集まらないんだけどな? 流石に10リットルを貯めるのに1時間とか時間はかかるだろうさ。一瞬で集まる訳ではない。魔道具だからってそんな特殊な事にはならないとは思うんだが、その辺のことは聞いてなかったな。
まあ、いい感じに使えるようにはなっているんだろうとは思う。湿度次第なのかね? 物資をギリギリまで減らしての行軍なんてあり得ないだろうから、大丈夫だとは思うけど。
そんな訳で、軍隊には売れるんだよ。1つにつき、20人分くらいの水が用意出来るんじゃないかなとは思っている。2000人の軍隊になるだけでも100個は売れる訳だ。
その次は冒険者に売るだろう? 冒険者でも、大きなクランは欲しいだろうからな。小さい所は要らないとは思う。普通に水を持っていけば良いだけだろうと思うぞ。寝泊まりなんてしないだろうからな。野営をするクラン程欲しい筈なんだよ。
冒険者の数は、ざっと100万人以上。3万個くらいは売れるんじゃなかろうか。その位の計算はするだろうな。売れる数はそれだけなんだからって考えではない。最低でもこれだけは売れると考えるのが商人だろう。最低でも、なんだ。
まずは軍隊に売る時には、特別料金を発生させる。軍隊に配備するのは当然だから、2000個は売れるだろう。場合に因ってはもっと売れるかもしれない。
それを20倍くらいの価格で売ると。特別料金ですっていいつつ、売っていけばその位の金にはなるだろうな。20倍で収まるのかどうかは知らないけどな。
商業ギルドが貴族を何処までカモとして考えているのかだよな。ぶっちゃけカモとして見ていると思うぞ。貴族の金銭感覚は基本的に狂っているからな。
私であれば、50倍でも売れると思っている。必要性を説いた上で、いかにも大切なんですと言わんばかりの演説をし、他の商業ギルドにも売る宣言をする。
まさか、領都の軍隊が水を作る魔道具も持たないなんてことは無いですよね? って言いながら価格を提示すると。面子に掛けて買わない訳には行かないだろうな。
私でもこのくらいの事は思い付く。商業ギルドであれば、もっと利益を取りに行く事も可能だろうな。持ってないのか? って言われる事ほど、貴族が嫌うことは無い。
他人の物は俺も持ちたい、ってのが貴族だからな。持っていないなんてあり得ないんだよ。たとえ必要なかったとしても、買うのが貴族だ。持っていることに意味がある。
そして、除湿器もあるんだよ。構造は水を作る魔道具よりも簡単だ。だが、値段はこっちの方が高くなるんだろうな。貴族用に関しては。見栄と何かをぐちゃぐちゃにしたような貴族が多いからな。確実に売れてくれる。これに関しては間違いない。
簡単に騙されてくれるだろうさ。とても、とても簡単にな。涼しくなる魔道具なんて無かったんだから。体感でも涼しくなれれば、かなり有用だとは思うんだけど。
どれだけ搾り取るんだろうか。売る順番も考えないといけない。まずは除湿器からなんだよ。貴族にそれはそれは高く売りつけた後に、水を作る魔道具として、水を浄化する部分を作りましたとして持っていくのが良いだろう。そうすれば、利益は100倍どころではすまないはずだ。
貴族から搾り取れるだけ搾り取ろうとする商業ギルドの姿が見える。見えてしまう。金を積んでも買えないという価値を生み出すかもしれないな。
作らないという事は、買えないのと同じだからな。そうなると、何故だか値段は上がっていく。これだけの金を用意しても買えないのか、ええいこれならどうだと値段が吊り上がっていく事だろう。
ぶっちゃけ、雨季になる5月までにあればいいんだよな。だから今焦って売り出す必要は無いんだよな。ただ、爵位の上の方々には買ってもらう。欲しい欲が出てくるだろう?
俺は持っている。お前は持っていないのか? これを言われるだけで、貴族的には負けなんだよ。値上がりは必至だな。価値観が破壊されるくらいに値上がりするだろう。そして、貴族に行き渡ったら、安価で平民に売りに来る。商売とはそういうものだ。
ある所から金を引っ張り出すのが商業ギルドの仕事なんだよ。開発賞金を払った分の10倍以上は儲けるんだろうな。いや、下手をすると1000倍は儲けるかもしれない。
商人を敵に回すことほど恐ろしいものはない。除湿器は強い武器だぞ。思いっきりやってしまってくれればいい。どうせ金を貯め込んでいるんだ。吐き出させるのは問題ない。この際だから、徹底的に吐き出させればいいんだよ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「意味不明な魔法を売ってくれた魔法屋だな。あれはやばいわ」
「ん? 多分だが、雷属性の魔法の事を言っているんだよな? 意味不明とまではいかないが、常識的な魔法かと言われると自信が無いからな。そういう魔法なんだ」
「ああ、その雷属性の魔法だよ。あり得ねえよな。何でウルフに効いたのかが解らねえ。雷属性なのにしっかりと倒せてしまっている。マジで解らねえ」
理屈は説明しても解らないと思うから説明はしないんだけどな。詳しい理屈が解っているのかと言われても解らないんだけどな。そういう事を知っているってだけなんだよ。魔力の常識と違う常識の魔法だからな。解らないのも無理はない。
まあ、魔法は使えれば良いと思うからな。使えなければ問題なんだが、使えるのであれば良いだろう? 好き嫌いはあるんだろうが、別段嫌いという訳ではなさそうだ。あり得ないと思っているだけで、今後も使ってくれそうな気はするな。
「そもそもそういう魔法だからな。属性はおまけなんだよ。普通は属性の魔力で攻撃するんだろうが、この魔法に関してはそういうものではないからな」
「解らねえよなあ。使えるのは解ったんだが、本当に解らねえ。納得がいかねえんだよなあ。何でこうなったのかが、全くわからねえ。使える事だけしか解らねえんだよ」
「使えることが解っているのであれば、いいんじゃないか? 使えない魔法よりは良いだろう。そんな事よりも魔力の相性はどうだったんだ? 何方かは合っていたんだろう?」
「ああ、相性な。相性は店主の魔法と合っていたって感じだな。弟子の方は駄目だった。全く駄目な感じだな。あれはどうやっても使えない」
「そうか。まあ、何方かと相性が良かっただけでも問題ない。魔法はまだあるから買っていってくれると助かる。売れ残りは多いからな」
「そうなんだがなあ。雷属性の魔法を買うかどうかだよな。正直な所、すげえなって思うんだけど、頼り過ぎるのもなって思うんだよなあ。1つは買うけどよ」
「まあ、言いたいことは解らないでもない。便利すぎると言いたいんだろう? 魔法に使われている感じがしたのかもしれないな。無理して買う必要は無いからな。あくまでもおススメ品であって、買う事を強制している訳でもないんだ」
「それも解るから何とも言えないんだけどな。便利なのは良い事だとは思うんだが、どうしてもな。便利すぎるんだよなあ。とりあえず、こんな所かな」
「クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨5枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。まあ、気持ちは解らないでもないんだよな。便利すぎるってのもあるんだよ。便利に使ってくれるのは良い事なんだけどな? 無理には言わんよ。




