444話 10/25 オグマが来た、アリルソン来店
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと……オグマか。商業ギルドに行ってきたのか?」
「おう。ガブリエルの店も見たかったし、さっきまで商業ギルドで商談をしてたんだよ。まあ、説明するのに時間がかかったってのと、あっちの理解が追いつくまでに相当な話し合いをしたんだがよ。まあしかるべき人間が出てきてからは直ぐだったな。まあ、金は後日になったんだが」
「ん? 金が後日になった? どういうことだ?」
「いやなに、水が本当に消えないのかってのと、涼しくなるのかってのに疑問が出ていてな。涼しくなるのも試しては見たんだぞ? 本当に涼しくなってたから心配は要らねえよ。その所為で寝てないんだがな。部屋を行ったり来たりして試してみたさ。まあ、肌で解るくらいには涼しくなるんだな。今の季節でしか試してないから夏本番の7月にどうなるのかは解らねえけどよ」
「ああ、水が消えないかの検証と本当に涼しくなるのかの検証か。水が消えないのは当然の事なんだが、まあ知らない人からすると、どういう事なんだって話になるだろうからな。それに、涼しくなるのかか。今の時期だとまあまあ涼しくなるだろう? 不快にならない程度には涼しくなるはずなんだよ。少なくとも、この濡れた雑巾で触ったかのような不快な感覚とはおさらばできるものなんだ。まあ、あれを使いすぎると病気になりやすくなるから、暑い時にしか使わない方がいいんだけどな」
「あ? 毒がどうのこうの言ってたあれか? あれも説明したんだが、俺もよく解ってねえからな。でもまあ、洞窟で火を使うとどうなるのかって話もあるからよ、その辺と一緒に話をしたんだが、解ったのか解らなかったのかが解らなかった。結論だが、あっちは何も解っていない状態だろうな。こっちも半分くらい解ってないからどうしようもねえな」
「いや、それとは別に、空気中の水を取り過ぎると、毒が元気になるからな。だから病気になりやすい。大人であれば、そんなに怖い事でも無いんだが、子供だとな。まあ、使いながら検証していくしかないだろうな。とにかく、そういう用途で使えるって事は解るんだからな」
「お、おう。なんだ? あれって結構やばい奴なのか?」
「使い方によってはな。普通に使う分には何も起こらないはずだ。寒いのに使ったとか、あれを使っても暑いからと薄着になり過ぎると駄目だって事だ。まあ、貴族で薄着になりたい奴なんてそうそういないから問題はない。子供がどうするのかだけだな。後は目と喉に悪影響が出やすいってくらいか。それも使っていけば経験的に解る事だからどうでもいいな」
「……お前、ガブリエルよ。よくもまあ貴族の事をそんなふうに出来るな。まるで実験の魔物じゃないか。俺は怖くてそんな事は言えんぞ」
「仮にも元貴族だという事だ。その位で貴族は動かんよ。むしろ死の原因が解らない方が良いだろうな。薬を求めて散財するだろう。少しは市中に吐き出させた方が良い。少しの使用でどうのこうのなることは無いんだ。この際、色んな薬に手を出させるために、少々死んでもらった方が良いのかもしれないな。薬の実験にもなるし、良い事だ」
「おっかねえおっかねえ。まあ、効果は解っているんだから、金が出ない訳がないんだ。とりあえず明日にでも金を貰いに行ってくるわ。結論は明日にでも出るだろうよ」
「だろうな。商業ギルドも即試すだろうからな。模造品を作るとなるともう少し時間がかかるんだろうが、実物は置いてきたんだろう? それなら素早く判断すると思うぞ。1日も水が消えないのであれば、消えない水だと判断してくれてもいいはずだしな。もっと期間を取って実験するのであれば、それなりに時間がかかるんだろうが、まあ、そこまではしないだろうからな」
「今までとは違うもんが出てきたんだからそれなりの検証はするだろうなって思ったが、あそこまでがっつりと調べられるとは思ってもみなかったぜ」
「嘘じゃなかった分の料金も貰っておけよ。疑ったのは向こうの方なんだ。その分くらいは上乗せしておいても良いだろう。時間がかかった分だけ請求してやればいいんだよ」
「だな。いい金額になると思うぜ。期待しておいても良いだろうな。普通なら一生もんの金額が入るんだ。働かなくても食っていけるが、他にやる事もねえしな。それに、まだまだ作らないといけないもんがあるんだ。せこせこと働きますかね」
「全くだ。その金額の大半も教会の腹の中に入るんだからな。教会もいい具合に太っていることだろうさ。あそこからも金を毟り取れればいいんだがな」
「教会は敵に回せねえだろ。お貴族様を敵に回しても、教会とは無理だぜ? 規模が違いすぎるからな。何処に逃げようとも、教会勢力は追っかけてくるんだからよ」
「違いない。あれはゴブリンよりもしつこいからな。特にお金の匂いに敏感だしな。人を出してもらわないといけない限り、あそこには喧嘩を売れないな」
「本気で止めておけよ。無事で済むのかどうかも解らねえからな。そんじゃまた明日にでも来るか。商業ギルド次第な所でもあるんだがよ」
「ああ、金額が決まったら持ってきてくれ」
行ったか。金はまた今度だ。明日以降になるんだろうな。日が追うごとに金額が上がっていくんだが。しっかりと搾り取るのがいい。商業ギルドも回収できる見込みがあるからこそ買うんだからな。普通の魔道具師は貴族にパイプなんて無いからな。
それに他の都市にも売りに行けるし、無限に売り先を増やせるんだ。魔道具なんて専門職の作品だから、技術料ももの凄いことになるんだよな。専門職は儲かるんだ。
魔法ももっと初級魔法だけじゃなくて、中級魔法も売れるようになってくれればな。大きな金額を確保できるんだがね。作れる魔法の数は少なくなるが、利益は大きくなる。
貴族に売れないのが一番の問題なんだろうな。貴族は自分で作れるからな。貴族院で魔法の研究をやっているくらいなんだから。魔道具の研究はしてないのが意外なんだが。
何で魔道具は研究していないんだろうな? その辺がよく解らない。同じ技術系の話ではあるんだが、貴族が手を出さない何かがあるんだろうか。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「やっほー。また来たよ。ていうか、覚え辛いんだよ。もうちょっと良い所に店を出してくれないかな? 忘れてたし、思いだすまでに時間がかかったんだよ?」
「いや、そんな事を言われてもだ。そもそも、前回の時も同じことを言った気がするが。そこまで考えていなかったんだから仕方がないだろう? それに思いだせたんだからセーフだ。思いだせなかったら、年齢を考えるとやばいな」
「嫌だ! まだ老人には早いよ! それに女性に年齢の話はご法度だよ? 色々と気にする年齢なんだから、駄目だって」
……まあ、言いたいことは解る。子供っぽく感じるんだが、割といい年齢なんだよ。恐らくだが30はいっている。それでこれだ。ちょっとばかり気にしてくれと思うが。
年齢の話は、基本的には男女ともに駄目だからな。男性も女性も気にすることはあるんだよ。男性は頭が、女性は顔が。気になるんだ。年齢の話は止めた方が無難だぞ。
「まあ、気にしても仕方がない。それよりも魔法が気に入ったから来たんじゃないのか?」
「そう! 思ったよりも使えたんだよ。それにさ、今回はある? 前は白しか無かったじゃん? あ、赤いのがある! これも買ってくよ」
「そうか、弟子の魔法も買っていってくれるのか。それはありがたいな。無くなってもいいからそっちもどんどんと買っていってくれ」
「1つしかないけどね! それじゃあお会計ね」
「クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨6枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。もうちょっと年齢を考えた方が良いと思うんだが、どうだろうか。子供っぽく見られると思うぞ。まあ、魔法を買ってくれるんだから、いい客なんだが。




