436話 10/24 56人目の客
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土属性の魔石の使い方を考えるのもいいんだが、まずは魔道具職人が足りるのかを考えないといけないよな。クーラーを作って、水生成機を作って、除湿器を作る。足りるか?
その上にマジックバッグを作ろうとしている訳なんだが、足りないんじゃないかな。魔力持ちでないと加工も出来ないみたいだしな。詳しいことは解らないんだが。
魔法屋と魔力持ちの争奪戦をしている。決めるのは子供たちなので、大抵は魔法使いに行ってしまうのが難点なんだがね。子供は夢を見るものなんだ。現実を見ている子供とか、ちょっと社会が悪いんじゃないかと思ってしまうだろう。
そのおかげで、人が集まらないんだがね。魔道具も必要だからな。生活には絶対に必要なんだよ。今更魔道具無しの生活には戻れないんだ。便利に使っているからな。
便利なものは良いものだ。だが、それが当たり前になってしまうと、技術者が居なくなった時に困ってしまう。職人が作らないと魔道具は作れないからな。
素人でも作れるのであれば話は変わってくるんだが、そんなことは無い。ちゃんと修行をして、ある程度の性能を出すにはそれなりの修行がいる筈なんだよな。
魔法屋にはそんなものは必要ないんだが。私の魔法の作り方が一番難しいと思うくらいで、後は文字を書くだけだからな。知ってしまえば、魔法の方が簡単に作れるんだよ。
だが、魔道具はそうはいかない。知ってから完成品を作れるようになるまで時間がかかるだろうな。何をしているのかは知らないが、魔法よりも簡単に作れる訳ではないだろう。魔法が案外簡単に作れると言った方が良いのかもしれない。知ってしまえば簡単なんだよ。
成り手が少ないってだけなんだよな。もう少し、人材が流れてきて貰えると嬉しいんだがなあ。魔道具職人もそれは同じことだと思うんだよ。人材は幾らでも欲しいんだよな。
魔力をもって生まれてくる子供の研究が必要になってくる可能性もあるんだよな。貴族院でそういう研究をする人が居ない訳ではないんだが、もっと大々的にやる必要があるかもしれない。
王都の方でやってくれればいいんだけど、どうなんだろうな。王都がこの都市よりも大きいのかどうかだよな。間違いなく大きいとは思うんだけど、魔力持ちがどの位居るのかにも因るんだよな。
私の考えでは、遺伝では無さそうだという感じなんだよ。遺伝であれば、ある程度は簡単なんだがな。遺伝ではないとすると、どう言ったときに魔力持ちが生まれてくるのか、完全にランダムって可能性も出てくるんだよな。それは厳しい。
完全にランダムだとすればだ、偏る可能性もあるんだよ。長期的平均を取れば中央値が求められるんだろうが、短期的にはかなりの変動があると思うんだよ。
その短期というのが何年なのかにも因るんだよなあ。200年を短期と見るのか長期と見るのか。見方1つで結果が変わる。ランダムとはそういうものなんだ。
よくゲームであるだろう? 妖怪物欲センサーと妖怪1足りない。この2大妖怪のせいでどれだけの人が苦しめられたのか。狙ったドロップが出ない足りない、くっ。
もし時代が魔力持ちを欲したら、妖怪が邪魔をしてくるのは目に見えている。ランダムに潜む妖怪は本当に駄目なんだ。絶望を叩きつけてくる妖怪を何とかして退治しないといけない。
この妖怪の所為で、ランダムが本当にランダムになるんだ。偏りが発生するんだよ。必要な時に別の方向に偏るんだ。何故かは知らない。本気で居ると思っているからな。しかも世界が変わっても、妖怪はついてきている筈なんだよ。こっちの世界にも絶対に居ると思うんだよな。
後は妖怪を掻い潜った人材が、魔法使いに流れていくことを何とかしないといけないんだが、魔法使いは人気な職業だからな。魔法が使えると言う事は、ある意味特別な事だから、魔法使いになりたがるのも気持ちは解るんだよな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「やあ店主。いい筋肉だね。新しい魔法屋を発見して、あたいの筋肉が震えているよ。見てくれ、この筋肉を。こんなに震えているんだ。新しい出会いに喜びを隠しきれていないんだ。素晴らしいだろう? この出会いを筋肉に感謝しないといけないんだよ」
「……そうか。それはとても良い事だな。その調子で魔法も見て貰えると助かる」
「勿論、あたいの筋肉で魔法を見ていくさ。そして、店主の筋肉もまた良いものだ。剣の訓練の兆候が見えるな。それに余分な贅肉がついて来たからと、体を虐めるトレーニングをしているな? あたいには解る。とても良い事だ。筋肉を鍛えることは素晴らしい事だ」
「そうだな。それでだ、うちの魔法は紐で括ってある。解いてくれても構わないが、終わったら再度紐で括り直してくれ。そうしないと魔法が混ざってしまうからな」
「そんなもの、筋肉で判別すればいいだろう? 誰が作ったのかは筋肉で解る。見ろこの筋肉を。この魔法は店主が作ったと筋肉が教えてくれている。筋肉を鍛えれば、誰が作ったのかなんて丸わかりだ。そうだ。筋肉を育てればいいんだよ」
「確かにそれは私の作った魔法だな。因みに白色が私の作った魔法になる。赤色が弟子の魔法だ。出来れば両方買っていってくれると助かるな。筋肉で魔力の色まで解るのであれば、それで判断してくれるといいんだが」
「流石の筋肉も魔力の癖までは解らない。ある程度は教えてくれるけどもだ。確実にそうだとはまだ言えない。あたいの鍛え方が足りない所為だろう。もっと鍛えなくてはいけないな。因みにだが、店主の魔法は使えると筋肉が言っている。弟子の方は微妙だな」
流石の私も、筋肉語は解らないからな。よく解らないことを言っているとしか言えないんだよ。なんと言うか、個性的な人だとは思うんだが。
こう、タンクトップなのはいいんだ。短パンなのはいいんだ。その胸は、どっちだ? 女性らしさの象徴なのか、大胸筋なのか。かなり難しいラインだと思うんだが。
「そうか。それでだな、名前とクラン名を教えて欲しい。客の名前と顔は一致させておきたいんだ。それと出来れば狩場も教えてくれると助かる」
「解った。あたいはサブリナっていうんだ。いい筋肉だろう? これで間違いはしないだろう。クランは鋼鉄筋肉だ。素晴らしい名前だとは思わないか? そうだろう? あたいたちの筋肉の素晴らしさを体現したクラン名だと思っている。狩場は平原で筋肉を唸らせている」
クラン名が酷い。これほどまでに酷いクラン名があっただろうか。鋼鉄筋肉とは一体なんなんだろうか。金属の筋肉とでも言いたいのかね?
そして、多分なんだが、魔法使いなんだよな。あの筋肉で。完全に前衛だろうという筋肉量なんだが、魔法を買いに来ていると言う事は魔法使いなんだろう。多分だけど。
「平原で狩りをするのであれば、この魔法がおススメだな。どの魔物にも効果があると確認できている。この店の売りになる魔法でもある。どうだろうか?」
「あたいの筋肉がこの魔法は素晴らしいものだと告げている。良いだろう。買っていこう。だが、もっと素晴らしい魔法があるはずだろう? そう、筋肉を作り出す魔法だ。そんな魔法は無いのか探している。あたいも筋肉を育ててきているが、まだまだなんだ。そこでだ、魔法で筋肉を育てられないかと思ってな。あるのであれば、是非とも欲しい」
「いや、流石に筋肉を育てる魔法は無いな。すまない」
「解っていて言っていたことだ。筋肉を育てる魔法なんて無いと言う事は。魔法で偽物の筋肉を作る事は出来ても、本物の筋肉には勝てない。そういう事なんだ。これを買っていこう」
「ああ、解った。クライヴ君、会計だ」
「はい! 中銀貨2枚になります! ……丁度頂きました!」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。ある意味凄かったな。筋肉と魔法に何の関係があるのかは解らないが、とりあえず凄かったとしか言いようがない。魔法で筋肉を作るか……出来なくはないよな。いや、出来るな。筋肉とは少し違うかもしれないが、似たような魔法を作る事は可能だろう。鍵は身体能力と思われるあれだな。鑑定でも見えるあれだ。もしかしたら、新しい魔法が出来るかもしれない。




