426話 10/23 54人目の客
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今の所、貴族院に出せる成果は何があるか。出してもいい物は何かを考えながら出さないといけないのは、その通りなんだが、とりあえず纏めておこう。
まずは魔法陣魔法という作成方法だな。当初はこれだけの発表のつもりだった。特徴は色々とあれど、メインになるのは形と射程だろうな。形は何故か皮紙と魔石インクに依存するというのと、射程がもの凄く長いってのが特徴だな。使いこなせれば強いという典型的な物だ。
次に鑑定魔法。魔力の色と量、身体能力の色と量を見ることが出来る魔法だ。数値化出来ないのは残念だが、見るだけでも大分違うんだという事が解る。特に魔力の色な。色々と考察が捗るだろうな。相性表が出来るのも時間の問題なんだろうと思うんだよ。
そして重ねがけ魔法。これについては要研究という事で。無限の可能性があるんだよなあ。私は単純強化の方法しか試すつもりは無いんだけど、どれだけ混ぜられるのかによって、全然違ってくるとは思うし、そもそも作成方法から違う物を取り込むとどうなるのかも調べて欲しいな。
最後に魔力の癖。これはよく解っていないんだが、魔法を作る人によって、微妙に癖があるんだなという事が解った。何が影響しているのか、どうしてそうなるのか、全くわからないんだが、これも研究してもらえば良いと思うんだよ。研究のし甲斐があるだろう?
この4つが貴族院に発表する内容になる。麻痺魔法は公開しない。麻痺魔法はこの店限定の物にするつもりなんだよ。この店でしか買えない商品にするんだ。まあ、これを上級魔法に移行しても、そこまで強力な物にはならないだろうというのが、本音なんだが。
1発確殺魔法にはなるんだろうが、そもそも、上級魔法とはそういうものだからな。基本的に確殺である。威力的な話を考えても、そうならざるを得ない。
上級魔法をくらっても生きていられたら、運がいいというよりも、余程の身体能力があるのではという疑問の方が勝つだろうな。普通は喰らったら死ぬ。それでも生きていられたのであれば、もの凄い事だとは思うんだよな。まあ、無理だろうけども。
魔物であれば、生きていても可笑しくはないんだが、人間が上級魔法をくらって生きていられるのかと言われたら、無理だろうなと答えるだろ? 初級魔法でさえ死ぬ魔法があるだろうに。
麻痺魔法とか特にだよな。魔物だから死なないのであって、人間に対して使ったら死ぬんじゃないか? 電流ってかなり危ないものだというのが本音だ。喰らったら最後だと思うんだよな。今の麻痺魔法でさえ、死ぬ危険性があると思っている。
じゃあ戦争で上級魔法を使うよりも、確殺できるだろう初級魔法か中級魔法を使った方が良いんじゃないのという疑問が出てくるのもおかしくはない。むしろ当然の疑問だな。
結果としては、上級魔法と中級魔法がぶつかった際に何方が勝つのかという事を考えて貰えれば解りやすいだろう。上級魔法が勝つんだよ。相殺なんて事にはならない。
だから、相殺するには上級魔法が必要なのであって、という風に積み重ねていった結果、上級魔法が必要になるというのが正解だな。中級魔法で上級魔法を相殺するには、それなりの数が必要になってくるだろうからな。それも研究はされていると思われる。
多分だが、戦争関連の話は煮詰められていると思うぞ。それだけ大変な事ではあるんだからな。負けたら死ぬんだってくらいの感覚で居ないといけない。全面戦争になったら、如何にして魔法使いを殺すのかに焦点があてられるんじゃなかろうか。
私ならどうするのか? そうだな。基本的には正面からの衝突は避けるだろうな。まずは戦争状態にならない事を最優先するだろうが、無理だと思う。どうあがいても戦争状態になる時はなる。
正面衝突をするときは、魔法使いの数も質も勝っている時だけだ。それ以外の時は、正面から当たってはいけない。そりゃそうだろう? 負けるのが解っているんだから、むやみやたらに兵力を減らすのは駄目だろう。亡国間違いなしになってしまう。
やるのであれば、破壊工作だろうな。魔法使いの出番を失くしてしまうのが一番いいだろう。都市内部に侵入して、内部から混乱を巻き起こす。そういう手をとるだろうと思う。
内部に魔法使いを潜り込ませるのも有りだとは思うぞ。内部から貴族街に向けて魔法をぶっ放して貰うと、指揮官が居なくなる可能性が高いんだから。戦争は戦力をちゃんと投入する必要があり、その見極めをするのが指揮官だ。指揮官さえ殺してしまえば、後はどうとでもなる可能性がある。
市街地戦、ゲリラ戦、色々と出来ると思うぞ。密集していたら、そこに魔法を打ち込まれてお終いだからな。分散して戦うしかない。戦力で負けているのであれば、そうするしかないと思うんだよな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「こんにちは! 新しい魔法屋さんを発見しました! 新しいですよね? あたくしが見逃していた訳ではないですよね?」
「まあ、そうだとは思うぞ? この店を始めたのは9月1日だからな。この都市で一番新しい店だろうとは思うぞ。……新人魔法使いでは無いんだよな?」
「んー。新人かと言われると、まだまだ新人だとは思いますけどね。あたくしよりも若い魔法使いは居ますけど、それでも扱いとしては新人ですかねー」
「そうか。まあ、新人でもなんでもいいんだがな。魔法さえ買ってくれれば」
「魔法は買いますよ。そりゃあ買いますって。なにせ魔法使いですから! 魔法が無いと役立たずになります。何にも出来ないです。非戦闘職よりも無力になります」
「それは、流石に不味くないか? 魔法以外がからっきしというのも問題だとは思うがね。多少は出来ることを増やしておいた方が良いんじゃないか? 私がいうのもなんなんだが。一応、女性ではあるんだからさ。身の回りの事くらいは出来た方が良いんじゃないか?」
「それは将来の旦那様にやって貰います! あたくしは子供の世話をするだけの生活をしたいです! それ以外に出来ることがありません。旦那様に期待ですね」
「そうか。良い旦那が見つかるといいな。それでだな、名前とクラン名を教えて欲しい。客の名前と顔は一致させておきたいんだ。それと出来れば狩場も教えてくれると助かるな」
「あたくしはカタリナといいます。クランは夜明けの妖精です。19歳です。旦那様を募集中です。家事全般をやってくれて、イケメンで、細マッチョが良いです。狩場は平原です」
「そ、そうか。19歳か。まあいい。後、その解いた紐は括っておいてくれよ。今は売れてしまって無いんだが、弟子の魔法と見分けるための紐だからな」
「了解です。それと! 身長を見て年齢の確認をしましたね! これでも19歳なんです! 立派なレディーなんです!」
……何も言うまい。いや、身長で年齢を考えたのはその通りなんだが。140㎝あるかないか、いや無いだろうな。かなり小さい。客の中で一番小さいかといわれると若干怪しいが。
「解った解った。そんなレディーにおススメの魔法だ。平原で狩りをしているのであれば、これが一番いいだろう。雷属性の魔法ではあるんだが、平原の全ての魔物に効果があるんだ」
「平原の魔物全てに? そんな魔法あってもいいんですか? 属性からして違うんですけど、どう考えても無理だと思うんですよね。普通、そんな魔法がありますか?」
「あるんだよ。まあ使ってみないと解らないだろうが、雷属性でも大丈夫だ。この魔法に関しては、属性は余り関係ないからな。効果が発揮されればそれで問題ない」
「えー。……まあ、失敗は誰にでもありますよね。とりあえずそれを買っていきたいと思います。んー。他はまだ早いかな? 相性の問題もあるし……うん。これだけでお願いします!」
「解った。クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨1枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。うん、まあ、頑張れとしか。あれは結婚できるんだろうか。私よりも絶望的な感じがするんだが。身長の件はいいとしても、あの条件に見合う旦那が居るとも思えないんだが。探せば居るんだろうか。心配する前に自分の心配をしろという事ではあるんだが。




