415話 10/22 51人目の客
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落ち着いてきたか。この時間になってくると新規の客がやってくる。良い事ではあるんだがな。新規の客が来ないと言うのは問題があるんだよ。少なくとも店にはマイナスだ。
売り切れを目指すのであれば、新規の客は絶対である。まだまだ欲しい。少なくとも120人くらいは居てくれないと完売しないだろう。人数は絶対に必要なんだよ。
まだまだ半分にも満たないからな。私が個人の顔を覚えられないくらいに客が来て欲しい。私の記憶力はそこそこだと思っている。これでも元貴族だからな。記憶力は多少ある。
パーティーで顔を合わせたときに、初対面かどうかを判断するのは記憶しておくしかない。相手が覚えているのかどうかも関係してくるんだが、相手が覚えていなければ、そこを突くことも出来るからな。という事は、逆もまたあると言う事なんだよ。
前世でもそうだったが、政治関係者は顔を覚えるのは必須だ。特に同派閥に属している貴族を覚えるのは必ずであると言える。上位者の顔を忘れるなんてことはあってはならない。
敵対派閥の顔を忘れるのも駄目だ。相手に付け込まれる。何らかの譲歩を迫られる危険性があるんだ。だから、貴族は顔を覚えることは基本技能として持っているんだよ。
顔と名前と特徴、それとどんな情報を持っているのか。その位は瞬時に暗記出来る。そう言った教育をされるからな。苦痛だと感じたことは無い。元々得意だったと言うのもあるんだが。
前世だと、普通の会社員でも顔を覚えないといけない場合があったからな。名刺交換という面倒なしきたりがあったんだよ。相手の顔を忘れて、2度以上名刺交換をしていては、信用問題に関わってくる。役職が変わったなどの理由が無い限りは問題になる事が多いぞ。
アドバンテージを相手側に渡してしまうのだから、その辺りは慎重に考えないといけないことなんだ。顔を覚える。これだけの事ではあるんだがね。出来ない人は本当に出来ないからな。
何事にも、得手不得手があるんだよ。どんな情報でも良いが、ある程度相手側の情報を持っておくことが重要だ。2度目があるんだから、3度目もある。忘れないと言うのは重要な事なんだよ。
とまあ、色々とあるんだが、普通の魔法屋はそんな事を考えている暇なんて無いとは思うんだけどな? それはそうだろう? 客が来すぎて覚えるどころの話では無いはずだ。1つ2つの魔法をもみくちゃになりながら買っていくのだから、覚える隙が無い。
それでいいのであれば良いんだけどな? 私の店では駄目だと言う事なだけで。どうしても客が少ないとそうなってしまうんだよ。客を増やさないといけないのは解っているんだが。
解っていてもどうしようもないことはある。増やすにしても、どうやってと言う疑問があるだろう。来てもらうしかないんだ。増やす方法がない訳では無いんだがね。
どうしてもと言うのであれば、クライヴ君に宣伝を担当してもらうと言うのが正解だろう。とにかく目立つ方法だが、クライヴ君の精神が持たないだろうが。
良いんだ。ゆっくりで。焦っても仕方がないからな。焦ったところで、金額は変わらないんだから。今売れるのか、後で売れるのかの違いでしかない。焦りは禁物だ。ゆっくりと今後を見据えて売っていけばいい。クライヴ君が辱めを受ける必要はないんだよ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「西側でもないのに、こんな所に魔法屋があったんだな。店主、まだ大通りが空いているんだから、そっちでやれば良かったんじゃないか?」
「まあ、言いたいことはよく解る。東側でこんな場所に魔法屋を作る理由が解らないと言ったところだろうが、作ってしまってから気が付いたことなんだ。手遅れだったんだよ」
立地については、仕方がないんだよ。ここが良い立地だと思って建てたんだからな。結果は、まあ見ての通りなんだが。これでも大分周知されてきたとは思っているんだ。
売り切れも、頑張ればもう少しで達成と思えば、よくやっている方だろうと思う。移転できるのであればしたいとは思うけどな。移転なんで簡単に出来るものでもないんだよ。それなりの金が必要だからな。金が無いとどうしようもない。だが、金さえあれば出来る事なんだ。
「移転も難しいか。出来ない訳じゃないんだろうが、金がかかるだろうしな。複数の店を持つって手もあるけど、魔法屋でそれをやるかって問題が付きまとうしな」
「そうだな。弟子の数が確保できないと言うのが一番の問題点だろう。そして、弟子を迎え入れるのにも金が要る。何をするにしても金の問題が付きまとう。金が幾らあっても足りないと言う事になってくるだろうな。本気で2号店を構えるのであれば、な」
「まず魔法屋をやろうと思う奴が少ないんだから、どうしようもないわな。俺も魔法屋をやりたいなんて思ったことが無いし。魔法使いとして世に出たかったからな」
「普通の子供はそんなものだと思うぞ。魔法屋という地味な職業よりも、魔法使いという派手な職業に憧れを抱くものだ。特に魔法を使った時は、そう思うのが普通だろうと思う」
「だろうな。魔力の量を計るには、魔法を使うしか方法がないってのが問題なんだろうな。他の方法があれば、そっちを試すだろうしな。魔法を使うのは勿体ないと言えば勿体ないからな」
実は、魔力を計るには違う方法が存在する。それが魔法を作ると言う事なんだがね。魔水を作って魔法を作る以上、魔力の量は計る事が出来る。
出来たとして、全ての人間が魔法を作れることになってしまうんだが。そうなると魔法屋が全滅する。魔法を自分で作れるのであれば、魔法屋なんて必要ないからな。
言うつもりも無いんだけどな。魔法を作って商売にしている以上、そこに気が付かれても困るんだよ。手間も時間も掛からないんだが、やられては困ってしまうんだよな。
「それでだ。そっちの名前とクラン名を教えて欲しい。お客の顔と名前は一致させておきたいんだ。出来れば狩場も教えてくれると助かるな」
「ああ、いいぞ。いいんだが、先に確認をさせてくれ。この魔法を縛っている紐なんだが、解いても良いか? 中身が見えないとどうしようもないんだが」
「それについては解いてくれても構わない。今は私の魔法しか置いていないんだが、弟子も魔法を作っている。それと混ざらない様に紐で括ってあるだけなんだよ。だから中身を見ても良いんだ。ただ、解いて元に戻すときは、また括っておいてくれると助かる」
「ああ、そういう事か。なるほどなあ。それで俺はアンドレスと言う。クランは守人の箱舟って所だな。狩場は平原で狩りをしている。だから基本は風属性の魔法が欲しい」
「ん? 守人の箱舟か? 確か同じクランの魔法使いが来ていたな。グレンと言う名前だったと思うが、心当たりがあるか? 何度か来てくれていると思うんだが」
「あ? あの口の悪い奴が来てたのか。あいつも見つけてたんだな。癖のある奴だが、根は良い奴なんだよ。口が悪いと言うか、思ったことを口にする奴だから解りにくいがよ」
「そうなのか。まあ、言いにくい事も普通に言ってくるという印象だが、別段悪く思ったことは無いな。客には変わりが無いんだし。それと、平原で狩りをしているのであれば、この魔法がおススメだな。何度か見ているかもしれないが、雷属性の魔法なんだ」
「あー。多分あれだな。ここで買っていたのか。なんでまた雷属性の魔法を使っているんだって思っていたんだよな。しかもあれは結構強いだろ? かなり目立つしな」
「強いのは個人の感想になるから何とも言えないんだが、便利ではあると思うぞ。平原の魔物であれば、どんな魔物でも効果があるんだからな。使い勝手はいいはずだ」
「ほーん。じゃあ、俺もそれを買っていくかな。他のは……相性を確かめてからで良いか。とりあえず、このおススメの魔法を1つ買っていくか」
「クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨1枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。同じクランの人がくるのも当然と言えば当然なんだよな。それだけ魔法使いが所属しているクランが少ないと言う事なんだから。多い訳がないんだよ。魔法使いは他の魔法使いがいるところに行くからな。ある程度の規模が無いと魔法使いも入るのを躊躇うしな。




