408話 10/22 今日も1日が始まる
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10月22日土曜日。今日も1日が始まる。いつもの様に起きて、いつもの様に準備をする。サボッても良いんだけど、まだクライヴ君には任せられないからな。
何時でも任せられるとは思っているんだけど、クライヴ君が出来ると思っていないんだよ。強制的にやらせるわけにもいかないから、私が準備出来てからになる。
余程の事が無い限り、任せておいても大丈夫だろうとは思うんだけどな? 余程の事が無いわけじゃないから、クライヴ君も怖がっている訳なんだがね?
あれは不幸な事故だったんだよ。あれは事故だと言っても良いはずだ。46人目の客だな。名前も解らないし、自分で値段を決めて購入していった。あれは例外中の例外なんだよ。
警備結界も万能では無いんだ。万能じゃないからあんなことになっているんだけどな。認識特化型の魔道具なんだから、仕方がない。そういうものなんだよ。正常に機能はしているんだ。
まあ、害がある訳ではないんだよな。ちょっと頭がおかしいだけで。それが一番の問題なんだが、ああいう人が優秀だったりするから世の中解らないよな。あれでもかなりの実力者なんじゃないかと疑っている。そうでないと、あそこまで増長できないだろう?
増長するだけの理由があるはずなんだよ。魔法の回数が多いとか、特殊な魔力の色をしているとか、もしかしたら、認識できないだけで、ユニークスキルの様なものを持っているのか。
スキルの線は薄いとは思うがね。そもそもスキルなんてものを認識している人なんていないんだから。確実に無いとは言えないけど、誰も知らないからな。あったとしても、確認が出来ない。
鑑定魔法の上位版を作れば、+を重ねていけば、見える様になるのかもしれないけど、基本的に鑑定魔法は使わない気で居るからな。あれは研究者専用魔法だと思っている。
何処まで見えるのか、何が見えるのかは興味がある。が、それをやっている時間が無い。精々頑張って貰おう。貴族院には暇な人が沢山居るんだからな。私がやる必要は無いんだよ。
優秀な魔法使いは居る。魔法兵になれなかっただけで、他にも優秀な魔法使いは居るんだよ。変なのは一部だ。普通の魔法使いだと思う訳だよ。多分だけど。絶対にとは言えないかな。非常識な魔法使いが居てもおかしくはないんだから。だから、クライヴ君も慣れてくれないといけない。
変なのばかりに来られても困るんだよな。マシな人が良い。普通の人とまでは言わない。マシな人にしてくれ。普通より下でも、話が出来れば良いと思うんだよな。話が出来ない系は難しい。
それにしても、クライヴ君は運がないな。魔法屋になりたいというのにもかかわらず、魔力が少なかったり、会話を何とかしようと思ったら、あんなのを引いたり。運の無い人間も少なからず居るんだよな。私も運が良い方では無いのかもしれないが。
転生を経験しているだけでも、運が良い方に数えられてもおかしくはないんだが、その後の展開は、運が悪い方だと思うんだよな。そういう家に産まれてしまったこともそうだしな。
普通であれば、男に生まれた場合で魔力が多少でもあるのであれば、貴族から平民になる事なんてないんだよな。私の元実家が特殊なだけなんだよ。普通は残すんだがな。
何方かと言えば、20歳を超えた女性が追い出される事の方が多いんだよ。貴族で20までに婚姻が決まっていない女性は、追い出される傾向にある。大体が性格に難があるからなんだが。
男性の場合は25歳で役職が無ければ、貴族から追い出される。魔力があれば、貴族院にずっといても良いし、教師になれればそのままだ。家庭教師なんかになれれば一生暮らしていける。
はっきり言って、貴族は女性の方が暮らしにくい。女系でも無い限りという条件は付くんだが。男尊女卑かと言われたら、違うんだよな。能力があれば、ある程度は残れるんだから。
能力がなければ、優遇されないというのは平民も一緒だけどな。まずは集団行動が出来るスキルを持っていないといけない。これが無いと、かなり苦労することになる。
後は魔力を持っているのか、身体能力が良いのか、何かしらの技術の習得が早いのか。何かを重要視しているのは確かだ。特に技術関連だな。世襲でもあるんだが、職人はなろうと思えばなれるんだよ。弟子入りすれば、ある程度の事は教えて貰えるしな。向き不向きはあるんだけど。
クライヴ君は、魔力を持っていた。いや、規定以上の魔力を持っていたと言い直す方が正しいか。魔力が無い人間なんて殆ど居ないはずなんだよな。恐らくだが。
初級魔法を発動できないだけで、魔力はあるという人が大半だと思うんだよ。1回だけ発動できるという人も含めれば、ある程度の人数が居る筈だしな。魔法使いには向いていない訳だが。
全ての職業に適正の無い人の方が稀だ。大体の人間には得意不得意があるんだよ。全部駄目だという人間の方が少ないと思う。結局は相性なんだよな。
相性を確かめる方法なんて無いわけだが。それは前世でも無かった。……空想の中にはあった訳だがね。あれもどうかとは思うが、ある種の最大幸福なのかもしれない。
全ては遺伝子で決まるという考え方だ。遺伝子情報を全て読み解くことが出来れば、人はやりたくもない仕事につかなくても良いと言う事になるはずだという理想論だな。
まず間違いなく共産化が進むだろう。適正のある場所に配置をされる訳だから、給料は全ての人が同じくらいにならないと誰もが納得はしないだろう。しかも、配置されるのは平民だけだったりもする。指導者は指導者層から出ることになるだろう。
間違いなく共産主義が蔓延する。社会主義ではない。指導者は絶対に必要なんだ。遺伝子工学を完全に理解した人間が必要なんだよ。それは特権階級から出すことになるだろうな。
都合よくはいかないんだよ。全ての遺伝子を把握できたからと言っても、先天的なものだけしか見ていないのであって、後天的な才能は考慮されていないんだから。努力できるというのも才能の1つだからな。頑張る事を否定するのが、遺伝子万能主義論になる。
社会不適合者は必ず出てくるだろうというのが普通であれば、その普通を壊すために、遺伝子操作が行われるだろう。それは果たして、人間なのか。そういう議論もあると思う。
遺伝子を選べる。組み立てることが出来る。そんな社会になったとして、それは楽園なのだろうか。私はディストピアだと思うがね。全てが管理された社会になってしまう。
そうなると、社会の終着点だと思うんだよ。技術は発達しないだろうからな。研究者に適した人しか研究者にならないのであれば、イレギュラーは発生しない。予想できないからこそイレギュラーなんだよ。技術の革新をするにあたっては、イレギュラーが必ず必要なんだ。
遺伝子操作をするのであれば、常人しか産まれない。意図的に狂人を生み出すことも出来るんだが、狂人は排除されるだろうからな。狂人を理解するのも狂人なんだ。理解者は必ず必要だ。
理想の社会を目指すのは勝手だが、巻き込まないでくれとは思う。遺伝子で全てが決まる社会程面白くないものは無いだろうと思う訳だ。まあ、この世界では遺伝子なんてものは見つかっていないが。
ただ、狂人にも意味があると言う事なんだよ。常人だけでは社会は発展しないんだ。常人の中に天才は居ない。天才は狂人であるべきなんだ。少しだけ、社会に適応できた狂人が天才なんだよ。
天才の言う事は、99%理解が出来ない事なんだ。理解できるとしたら、天才か狂人だけなんだよ。それだけの才能を持っていると言う事でもあるんだよな。あの狂人もそうだと思う。
言動は怪しい。行動も怪しい。あそこまで増長しているのにも理由があるはずなんだよな。そして、ある程度理解してくれる人も居る筈なんだよ。そうでなければ、クランに在籍できないからな。居座っている可能性もあるんだが、理解者が1人か2人は居るんだろうと思う。
もうちょっと何とかなって欲しい所ではあるんだがね。クライヴ君が怯えないくらいまでにしておいて欲しい。……無理か。あれにそんな気遣いが出来るとは考えていないからな。




