405話 10/21 49人目の客
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魔道具には、作り手の癖が出るかもしれないが、魔法には癖なんてものは、存在しているのかが解らない。精霊が作る物だという事だからな。精霊に癖があるのかは解らない。恐らくだが、癖はあるとは思うんだが、確認は出来ない。精霊と会える訳ではないからな。
召喚すれば会えるんだろうが、上級魔法でないと呼び出せないだろうという事は解る。それだけ非常識な存在なんだという事だな。作ってみたことは無いが。
それはそうだろう? 作ってしまって、敵対的な精霊が出てきたらどうするんだと言いたい。初級魔法で呼び出せるとは思っていないが、呼び出した挙句、大暴れされたら、都市が壊滅するからな。精霊用に魔法なんて持っているとは思えないんだよ。
精霊には闇属性の魔法が良く効くとされている。未確認だがね。しかも上級魔法以外は無効化されるなんて話もあるんだ。余程じゃない限り、そんな実験はしないだろうな。
やるのであれば、敵領地のど真ん中でやるのが良いだろう。しかも上級魔法を使える魔法兵を使い捨てにする覚悟が必要だし、魔法兵側にも死ぬ覚悟が必要だ。
国のために死ねと言われて、はい死にますと言える人間がどの位居るだろうか。居るのだから不思議なものなんだがね。前世の昔はそれで死んでいった人が居るんだからな。
まあ、あの時は母国の家族の事を思って死んだとは言われているんだけどな。それが何処まで正しいのかは、資料でしか解らない。純粋に国のために死ねる人間も居るという事ではあるんだが。
後は、宗教色が色濃い所だとよくあるんだったか。自爆テロなんてその類だな。宗教が絡むと本当に人は変われるというのが解る。宗教が全てだと、死ねと言われたら死ねるんだから。
命を賭けて何かをするというのは、今世でも変わらないとは思うんだが、特権階級である人たちが行うのかと言われたら、違うだろう? 自爆テロを行うのは末端なんだから。
魔法兵は特権階級である。準貴族と言っても差支えは無いだろう。国のために魔法を使い、国のために生きる。国を何処まで意識させているのかまでは解らないが、少なくとも貴族のために生きるくらいの事は教育しているだろうな。そうでないと使いにくいからな。
兵士は使いやすさを求められる。頭が良い方が良いという事もあるんだが、それ以上に使いやすいのかどうかが重要になるんだよ。下手に頭が良いと、使いにくい時もあるんだがね。
将は頭を使い、兵は体を使うというのが一番簡単なんだよ。兵士も頭を使える事に越したことは無いんだが、下手に知識を詰め込むと、反抗するからな。知識は最低限で良いとは言われているか。
志願兵であれば、そんな事を気にすることは無いんだよな。志願してきたという事は、国のため、貴族のために死ねる覚悟があるという事だからな。そういう兵は知識を与えても良いんだよ。
そうではなくて、兵士になるしかなかった兵達に知識を与えると、統率が逆に乱れてしまう。この都市では徴兵を行っていないが、食うに困って兵士に志願する人たちも居るという事なんだよ。
冒険者よりも安全だと思われているからだな。冒険者は金を稼ぐために、命を賭けないといけない。その分儲かる訳なんだが、生活だけを考えたら、兵士の方が楽なんだよ。
多少の訓練はあるにしても、戦争に行く事なんて殆どないし、治安維持の活動をしているだけで食うには困らないんだからな。食えれば良いという兵士も多くいる。というか、7割くらいはそんな兵じゃないかと思っているんだが、どうだろう。強ければ冒険者になっているだろうしな。
故に、兵士と冒険者では、冒険者の方が圧倒的に強いんだよな。そんな兵士が治安維持なんてしているんだから、問題が起きないはずがないんだよ。まあ、流石に第1スラムに居る様な破落戸よりは強い事は解っているけどな。数で来られたら負けるけど。
兵士とはその程度のものなんだよ。ぶっちゃけると、魔法兵の盾というのが本当の所ではあるんだけどな。戦争になった場合、まず最初にやる事は魔法戦だからな。
魔法兵が上級魔法をぶちかます。両軍ともに同じことをやる訳だ。相殺するのは当然のことだ。それの流れ弾が魔法兵にいかない様に防御するのが兵士の役割だ。
兵士の命は軽い。冒険者の命以上に軽いんだよな。上級魔法でどの位兵士が死ぬのかは知らないが、流れ弾でも上級魔法だ。死なない方が難しいだろう。肉片でも残れば凄い方なんじゃないか?
上級魔法がどの位凄いのかというのは、今一つ解っていないんだけどな。私は使えないからな。一応だが、魔力的には作る事は可能だ。初級魔法が13回以上使える魔法屋であれば、作る事は可能なんだよ。作れるかどうかは別にしての話にはなるんだがね。
で、魔法兵が特権階級なのはそうなんだが、特権階級が死にたがるのかと言われたら、死にたがらないだろう? 何時でも命を捨てるのは末端だ。魔法兵が死にに行く訳がない。
だからだろうな。敵国からもテロ行為をされないのは。魔法兵を洗脳できていれば、私であればテロをするだろうと思う。敵国にダメージを与えるのであれば、それが手っ取り早いからだな。
敵国の全ての都市で、一斉に自爆テロを行うだろう。精霊を呼び出して、周辺全てを破壊してもらうだろうな。そうした後に、闇属性魔法を沢山持った魔法兵と、大量の占領軍を向かわせる。
そうだな。前世でいう所であれば、小型の水爆が完成していれば、それを軍基地に特攻させて爆発させるという手口が一番近いのかもしれない。まあ、宗教国家でも無い限りは無理だろうけどな。
小型の水爆も無いんだ。前世では無理な事だろう。今世では出来てしまうだろうな。精霊が呼び出せればという話ではあるが。正直な所、精霊に太刀打ちできるのかは、怪しいんだけどな?
倒せれば良いんだが、倒せなければ、占領も何も無いわけだ。魔物の領域が増えるだけの話でしかない。領土の拡大をしようと思ったら、悪手でしかないのは確実だがね。
何故ならば、統治する民がいないんだよ。精霊が慈悲を見せて軍だけを狙い撃つ訳がないんだ。見境なく、生きとし生けるものを殺して回るだろう。人間なんて恰好の的だな。動く分、精霊に狙われる可能性が高い。精霊が生き物を認識できる力があれば、隠れるのも無意味だが。
外道な手ではあるんだが、精霊を使った自爆テロは可能だ。余程、精霊の討伐に自信が無いと無理な話ではあるんだがね? 自信を付けるためにも精霊を召喚して大惨事になっては堪ったものではない。
だから、そんな手は取れないと思うのが普通なんだよな。普通の考え方をしていれば、という注釈付きではあるんだが。追い込んでいったら、ヤケクソでやられる可能性はあるんだよなあ。窮鼠猫を噛むとは言うが、本気でやばい可能性はあるんだよ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「ゆっくり? ゆっくりなんてしていられないよ! とっとと魔法を見せて! 早くしないと魔法が買えないじゃない!」
「いや、そこまで焦っても仕方がないだろう? それにここには魔法の売れ残りがまだまだあるんだから、落ち着いて買っていけ。それと、これがおススメの魔法だ。雷属性だがね」
「それでいいから売って頂戴! もう! 寝坊して今日は全く買えてないんだから早くして!」
「……ああ、クライヴ君、会計だ」
「はい! 中銀貨1枚になります! ……丁度頂きました!」
「まいどどうも。またどうぞ」
……行ってしまった。何も説明をしていないんだが、良いんだろうか。とりあえず、麻痺魔法を勧めておいたんだが、何だったんだろうか。寝坊をしたらしいが、寝坊したから何だというんだ? しかも行きつけの魔法屋であればある程度はわかるんだが、あれは新規の客だったよな?
当然だが、ここに来た客は全員覚えているぞ。自己紹介をしたことがない客は、これで2人目になった訳なんだが。1人は、会話自体が成り立つのか怪しい人だったからな。クライヴ君が会話をしようと思った矢先の話だったか。あれは酷かったな。
まあ、魔法を見てから何があったのかを考える羽目になるんだろうな。もう一度来店できるのかは、若干怪しい所があるんだが。道を覚えているのかが問題だろう。急いでたのは解ったが、話も聞かないで買って行ったからな。でも、あれは平原用なんだがな?
平原で活動してくれているのであれば、使えるとは思うんだがね。森で活動をしているとなったら、使えない魔法になってしまうんだが、大丈夫だろうか。大丈夫じゃない気がするな。森で使えませんでしたからの苦情がくるかもしれない。構えてはおくか。




