404話 10/21 ジーン来店
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
子供たちの説得は絶対に必要なんだ。魔法屋をやってくれる子供を増やさなければならない。教会関係者に話を通さないといけないが、冒険者クランからお金を貰っていた場合は、勝てないんだよな。資金戦争には絶対に負ける自信がある。収入の差はそれだけ大きいと言う事なんだよ。
命を対価にしているからこそ、冒険者という職業は儲かるのだ。クランで分けるとしても、クランにもお金を入れないといけないだろう? その金額の多さで競ったら、魔法屋では勝てない。
そもそもの話、1000人で少ない方、2000人で標準クラスのクランなんだから。それに対して、魔法屋は多くても50人。これで勝てるわけがない。堅気の商売ではどうやっても太刀打ちできない。
だからと言って、裏金を作ると言うのは不可能に近い。そりゃそうだろう? 裏金を作るのは貴族の専売特許なんだから。為政者であるために出来ることだ。不正なんて無理に決まっている。
ならば、値上げをすればいいと考える者も出てきてもおかしくはない。魔法は足りていないんだから、魔法の値段を上げればいい。そう考えるのも当然だと思うんだが、魔法の値段を上げることは不可能なんだ。出来るけどもやれないと言った方が正しいだろう。
値上げは簡単に出来る。売価を変えるだけで良いんだからな。そして、売れない事も無いんだ。少々の値上げならば、冒険者側も許容できるだろう。狩りよりも値段が安ければ良いんだから。
そうすると、全部の魔法屋が値段を上げることになる訳なんだ。安くしている分だけ自分の店が損をするわけだからな。値を上げるのは当然の事だろう。そうすると、冒険者ギルドの報酬も上がるんだよ。魔法の値段が上がると、冒険者の報酬も上げざるを得ないんだ。
そして、魔法ギルドの素材費も上がると。冒険者ギルドから仕入れる値段が上がるんだから当然だろう? そして、利益が少なくなるから魔法の値段を上げると。鼬ごっこだな。
その内だが、魔法兵が魔法を作り始めるんだよな。魔法兵だって魔法を作れるんだから当然だろう? 規制なんてしていないんだから、魔法兵が売りたいと考えれば売れるんだよ。
そして、それを主導するのは貴族となるだろうな。魔法兵を使って私腹を肥やす事くらいはやるだろう。平民の魔法屋と貴族が対立するのか? 無理だろう?
余程有益な魔法を握っていない限り勝てない。だってそうだろう? 貴族の方は貴族院から研究結果の確かな魔法が仕入れられるんだからな。何世代か遅れている平民の魔法屋とは違うのだよ。
平民の魔法屋が研鑽をしている訳がない。出来ないと言うのが正しい事かもしれないけどな。出来るだけの知識が無いのと、魔力が足りない。研究をするくらいなら、売れる魔法を作った方が稼げるんだから、当然の事だろうと思う。研究は時間と金が無いと無理なんだよ。
だから、魔法屋は今以上に値上げをする事が出来ないんだよ。値段を上げた先には、貴族との競争が待っており、値段を下げないといけなくなるからな。今以上に下がる可能性もあるんだよ。
少し考えれば解る事ではあるんだがね? 多分だが、同じことを何回も繰り返した過去があると思うぞ。魔法の値段が今の様に落ち着いているのは、昔の値下げ合戦の名残だと思う。
これ以上は安くしたくない。でも、今以上に利益を上げたい。どの魔法屋だって思っていることは一緒だと思うんだよな。でも実行すると、今以上に安くなってしまう場合もある。それは絶対に嫌だから、今のままで我慢していると思っているんだよ。
結局は、資本金が大きい方が勝つのだよ。それでも私の店は生き残れると思うがね。魔法陣魔法は特殊な魔法なんだから。ここにしかない魔法があるんだから。値段戦争はするつもりはないけどな。
正攻法で攻めるのだ。利益が欲しければ、資本を投じて事業を起こせばいい。成功するかどうかは未知数だが、成功すれば大きな利益が転がり込んでくるんだからな。
資本も使いたくない。でも金儲けもしたい。これは無理な話なんだよ。絶対に金が必要なんだ。無から金を生み出せるのは天才だけだ。凡人は凡人の様に稼ぐしかない。
足掻くことは悪い事ではない。むしろ足掻かないと死んでしまう。平民は考える必要があるんだ。安定した暮らしをしたいのであれば、考えることを止めてはいけないんだよ。
考えなくても生きていける貴族とは違うのだよ。貴族だと、考えなくても生きていける場合があるんだよな。数は少ないが、そういう人も居るって事だ。無能の集まりとも言うんだけどな。
平民になった以上は、しっかりと仕事をしないといけない。専門家は儲かるんだが、多すぎるとこんなものなんだよ。商売をしないだけの研究者も居ることだしな。そっちと競争する羽目になったら、目も当てられなくなる。私は負けないだろうが、他は厳しいだろう。
まあ、絶対では無いけどな。何処かの魔法屋がやらかすかもしれないんだ。用心はしておかないといけないだろう。やらかしたくなる気持ちも解るからな。値段が上げられれば。こう思う事も普通にある話なんだよ。上げたらどうなるのかは解っているとは思うけどな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「2回目だね。思ったよりも良い魔法でさ。使いやすかったし、何よりも追尾してくれるのが有難い。無駄に打つこともあるからね。それが少ないってだけでも良い魔法だと思うよ」
「追尾か。確かに私の店の魔法は、追尾をする魔法ばかりを置いてあるわけだが、珍しいと言う訳では無いだろう? 他にも追尾する魔法はあるとは思う。詳しいことは知らないが」
「あるよ。あるけど、買えるとは限らないだろう? それに、思ったよりも追尾する魔法って少ないからね? 大体は数が多い魔法になるんだよ。300近くの数が出る魔法もあるんだから。当たらないから意味が無いとは言われているけどね。数だけにすると、その位まで出来るんでしょ」
「……ああ、あれか。確か全方向に飛んでいく球の魔法だったか。味方に当たるし、使い勝手は最悪の部類だと聞いたことがある。あれを売る店があるのか? というか、買わないだろう?」
「当然だけど、買わないよ? クランに1つだけあるんだよ。こういう文言の魔法は買ってはいけないってので、取っておいてあるんだよ。新人とかは数が多いからって買ってきてしまう事もあるからさ。新人教育用に買っておいてあるんだよ。いやー、使ったときは酷かったよね」
「あれを使ったのか。味方の魔法で被害が甚大になるだろう? 威力も少ないが、魔物に対してであって、人間にはそこそこの威力になったはずだ。怪我人も出ただろう?」
「まあね。50人くらいが軽傷って所かな。魔法使いの方が酷い怪我になったよね。5人くらい2週間ほど寝込んだからね。まあ、試さないと納得がいかない人も居るって事なんだよ」
「気持ちは解るがな。クラン名に恥じない探求心だ。正直な所、味方に被害を出す魔法は、使い勝手が悪いとか以前の問題なんだがな。普通に使えない魔法になる」
「でしょ? 伊達に探々求々ってクラン名をしていないって事なのさ。けど、魔法は普通の魔法に限るよね。例外はここの魔法だけどさ。普通じゃないよね? 何でこんなことになっているのさ」
「理由は簡単だな。普通の作り方をしていないからだ。詳しいことは話せないからあれなんだが、普通の魔法の作り方とは少しだけ違うんだよ」
「へぇ。作り方ねえ。教えてくれって言っても教えてくれないからこれ以上は聞かないけど、その結果があれだよね? なんであそこまで追尾する様になるんだろう?」
「その辺は解らんな。魔物の形をしているからではないかとは思っているんだが、詳しいことは解らない。ぶっちゃけると、何でそのように作れるのかも解っていない部分があるからな。こればかりは研究者でも知らないとは思う。理屈が解れば、もっと強い魔法が出来ているだろうからな」
「うーん。それもそうだね。でも、クランでも魔法を作れないかは考えているんだけどなあ。今の所、出来ないってのが答えなんだよね。どうやって作っているのかは、興味があるんだよ」
「流石に言えないからな。購買客が減るんだから当然の事だろう? 知ってしまえば、実は簡単なんだって事は沢山あるからな。知るまでが苦労するんだよ」
「そうなんだよね。だから面白いってのもあるんだけどさ。色々と試してみないとね。あ、今日はこれだけ買っていこうかなって思うんだよ。良い魔法だったしね」
「そうか、有難いな。クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨8枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。あの魔法を使ったことがあるのか。あれは有名な魔法だからな。初級魔法にしては数がもの凄く多いってのが特徴的なんだよ。普通の魔法は数が100から150だ。まあ、私の魔法では20や30もあるんだが。レッドベアの魔法なんて10数だからな。
売れてくれるのは助かる。どんどんと買っていってほしい。無茶苦茶な魔法は無い筈なんだよ。使える魔法しか置いてないつもりなんだからな。良い魔法だとは思うんだよ。




