402話 10/21 ポール来店
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冒険者ギルドが増える、とても良い事だな。解体の速度が4倍以上になるんだから、良い事なのは間違いない。動いてくれた貴族には感謝をしないといけないだろう。元実家とは敵対派閥になるんだがね。勘の良い貴族なら気が付いた事だろうさ。私の名前は特に有名では無いんだが。
基本的には、貴族という生き物は政治家と同じなんだ。人の名前と顔を覚えるのも1つの仕事である。得意不得意があるのは当然なんだが、それでも得意な人の方が多い。
私も得意な方だ。というよりも訓練させられるんだよ。そうしないと、初対面の相手なのか、1度以上顔を合わせているのかの判断をしないといけない。これが中々に厳しいんだよ。
名刺交換をした相手の事を覚えているのかという話になる。名刺は貰った記憶があるが、相手の顔は覚えていないなんて事が普通にあったからな。社会人たる者、その辺はしっかりとしておかないと。
貴族は政治家である。政治家は支援者の顔を忘れてはならない。それが8割方の記憶領域を使っているからな。政治家とはそんなものだ。出会い頭にあの時の誰々さんと言えれば、支持者としても嬉しいだろう? 人気商売だからな。貴族は人気は関係ないんだが。
それでも、貴族同士の付き合いがある。貴族の数も多いんだ。全員分は覚えなければならない。特に自分よりも爵位が上の人の顔を覚えないのは不味い。派閥内に亀裂が生じるからな。
貴族が争っても良い事は何もないんだけどな。政策が進まなくなるだけなんだよ。公爵様が優秀なのかどうかだよな。現当主は優秀よりだと聞いてはいたんだが。
どの位優秀なのかと言うと、解らないんだよな。直接評価しか無いんだよ。客観的な評価が欲しい所だ。どう考えても、自分にとって優秀かどうかを考えているんだからな。
公爵様は大統領とか総理大臣とかの立ち位置だ。領内ではという注釈は付くんだが、そこの評価を誰がするのかによって変わってくる。皆が優秀だというのであれば、そうなんだろうが。
動かしやすい人を優秀だという場合もあるんだよな。神輿は軽い方が良いとは言われている。前世でも総理大臣は頭が空っぽの人の方が官僚が仕事がし易いとは言っていたか。
自分の意思で行動するタイプは嫌われることも多いんだよなあ。いい方向にいってくれれば問題ないんだが、悪い方向に走られると、止めようが無いんだよな。
まあ、公爵様が冒険者ギルドを増やしてくれるというのは、大変助かる事だと思うんだよ。早めに動いてくれたようで助かる。まあ、東側には作られないみたいだがね。既にあるから要らないと思われたんだろうな。解体所だけでも作ってくれると良かったんだが。
これからは、解体が4倍速で進むはずだ。そうすれば、肉の供給量も多くなる。もっと安く肉が手に入る可能性があるんだよな。そうすれば、第1スラムにも買えるだけの肉があるかもしれない。
第1スラムの人間がお金を持っているのかが問題なんだけどな。冒険者にも成れなかった人の集まりだからなあ。非戦闘職にも成れなかったんだよ。がさつで不器用だとそうなるんだよな。
戦闘職はそれでも良いんだが、仲間と協力をしないといけない。それが出来ないのでは、クランにいられないからな。協力的でない人は必要ないんだよ。怪我のリスクだけが高くなるんだから。
人材は不足している。だが、それでも問題行動を起こす奴が必要かと言われたら、そうではない。協力は必須なんだよ。魔物の方が強いんだからな。普通の人間よりも。
普通じゃない人間も居るって話なんだけどな。身体能力お化けみたいなのがいるんだよな。ワイルドボアを体だけで押さえ込む様な化物もいるんだよ。普通は大盾を持って必死に耐えるんだけどな。それでもかなりの身体能力を要求されるんだが。
化物は飛竜山脈に行って来て、どうぞ。飛竜を狩れるのは、一握りのクランだけなんだよなあ。大規模に動員はするんだけど、そもそも飛竜が強すぎるんだよな。当然の事ではあるんだけど。
ソロで飛竜を討伐とかやらかす人はいないって話なんだよ。転生者でチートを貰ってどうのこうのってパターンもあるかもしれないけど、そもそも神様に会っていない時点で、チート能力なんてものがある訳でもない。ステータスが見える訳でも無いし、鑑定が使える訳でもない。
魔法で作った鑑定でも、魔力と身体能力? しか見えなかったしな。魔力は当たりだと思うんだが、身体能力までは当たっているのかが解らない。恐らくそうだとしか言えないんだよな。
まあ、魔法で何とか出来れば良いんだけどな。飛竜にも弱点があるんだから、弱点さえつけば勝てるんだよ。ソロで討伐しないといけない道理も無いんだしな。
団体で狩れば良いんだよ。許されていることだしな。世界のシステムでパーティー5人までとか言う縛りは無いわけなんだからな。数の暴力で何とかすれば良いんだよ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「また来ました、店主さん。魔法を見させて貰いますね。……でも、大分減りましたね。これはこのままでは、ここの魔法屋も競争になりそうですね……」
「まあ、遠くない未来の話ではあるだろうな。単純に知名度が上がれば、来る客も増えるというのは当然の事だからな。私としては、売り切れるくらいにはなって欲しいんだが、客側としては魔法が残っている方が嬉しいだろうというのは解るつもりだ」
「そうなんですよ。じっくりと魔法を見る余裕もなくてですね。吟味したい所なんですけど、そうも言ってられず。どうしても欲しい魔法がある訳じゃないんですけど、それにしたってもう少しどうにかなってくれないと、僕が困るし。でも、魔法屋の人の気持ちも解るし……」
ああ、考え込んでしまったな。こうなると長そうなんだが、まあ、こっちに意識を戻してもらうか。ずっと魔法を見てぶつぶつ言っているだけになってしまわれると、クライヴ君が気味悪がるんだよなあ。私は別に気にしないんだが。吟味してくれとしか思わないからな。
魔法屋の数を増やすにはどうしたらいいのか。それは解らない。何かしら政策を打たないといけないんだろうか。偏りが激しいからな。何かしらの手を打った方が良いのは確かなんだよな。
何をすればいいのかが問題な訳なんだけど。補助金を付けても一緒だしな。生産量が変わる訳でもない。魔法使いに流れてしまう魔力持ちを、何とか生産職にまで広げてくれないといけないんだけど、これといった対策が思い付かないんだよな。子供の夢を潰すわけにもいかないし。
「まあ、私の店ではもう少し余裕があるから、それで勘弁してくれないか? 魔法を選ぶ自由がある内は大丈夫のはずだ。来年には、争奪戦になっているとは思うが」
「そう……ですね。今の内に魔法を見極めておけると考えた方が良いですね。でも、思った以上に種類が無いんですよね。他の店だともう少し種類があるんですけど」
「そうだな。種類は大分絞っている。というのも、状況によって使い分けるのは、形だけで良いと判断しているからなんだよ。そりゃあ沢山の種類を用意出来るが、別にそこまでは要らないだろう?」
魔法の種類は少ない方だ。形だけで分けている。他の魔法屋は色々と作っているんだろうな。それはそれで良いのかもしれないが、私個人としては、少ない方が良いと思っている。
「迷わないのは良い事ですけど、汎用性が。いや、ここの魔法はそもそも汎用性が高いから……」
「好みはあるとは思うが、十分に使える魔法だと思っているんだよ。それは変わらないつもりだ。どの魔法を使っても、ある程度の戦果は認められると思うんだよ。無戦果で終わる訳ではない。少なくとも数だけの仕事はしてくれる魔法であるはずなんだよ」
「そうですね。ここの魔法は他の店とは少し違うから、これだけでも良いのかもしれない。それだと見極めるのも少なくて済むし、何よりも迷わなくても大丈夫なんだ」
「そうだな。とりあえずで買っておいても使えるとは思うぞ。使い方を模索してくれるのは有難い話ではあるけどな。思ってもない使い方をしてくれる人も居るだろうし」
「汎用性が高いのは、長所であり短所にはなり得ない。僕が選ぶなら、やっぱりこの魔法になるのかな。それとこれも良かったと思うし……うん。今日はこれだけください」
「ああ、クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨5枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。悩んでくれることは、有難い事でもあるんだよ。この使い方しか駄目なんだって固定観念がついてしまう方が問題だよな。どんな状況でも使える魔法を目指したい所ではあるんだが、それは難しいのは解っている。解っているが、目指したいんだよな。




