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4話 9/1 平民落ちしたぞ、早速魔法屋を始めよう

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「ヴァルダン・ガブリエル・デュ・トリスタン。今日から貴方はただのヴァルダン・ガブリエルです。異論は認めません。いいですね?」


「解りました」


「今後、トリスタン伯爵家の敷居を跨ぐことは許しません。準備期間は与えていたはずです。これからは平民として生きなさい。いいですね?」


「勿論です」


 誰が貴族として生きたいと思っているのか知らないが、私は平民の方が気楽でいい。これで晴れて平民になったわけだな。貴族院を卒業後、次の日の話である。準備はしてきた。これで気難しい貴族社会ともおさらばだ。漸く始まるんだな。


 これまで過ごしてきた貴族屋敷ともおさらばだ。私はこれで平民だ。この貴族街に来ることももう無いだろう。では早速商業ギルドに登録しに行くか。


 実はというと、殆どの手続きは終わっている。後は魔法屋の看板を貰うだけなんだ。だって暇だったからな。魔法の研究とスクロールのストックを作る以外にやることが無かったから。


 スクロールのストックも増やして、約600のスクロールを貯め込んでいる。暫くはこれで何とかなるだろう。最低限の生活はやっていけるはずだな。


 問題の家事なのだが、これは何とかするしかあるまい。食べ物は外食で済ませるとしてだ。問題は洗濯な訳だ。洗濯なんぞはやったことが無いぞ?


 いや、やり方は解っているんだがな。盥に水を張り足で踏んで洗った後に、皺を伸ばして干すだけだ。その作業をせねばならんのが一番の難関だ。やったことがない上に加減が解らん。


 魔法屋をやりたいと思って準備をしてきたのはいい。だが、平民になるという事を甘く見ていた。前世では全て機械がやってくれていたことだ。今世では役に立たない。


 となると、手っ取り早いのは結婚してしまう事なんだが、相手が居ないのだ。まずどうやって見つけるのかという心配がある。どうやって見つけるのだろうな?


 前世の記憶は当てにならん。前世の私は幼馴染がいて、そのままゴールインした様だ。私には貴族以外に知り合いはいない。しかも貴族籍を失ったばかりだ。伝手が全く無くなってしまったわけだな。


 さて、どうするか。生活力が皆無の私ではとりあえずでしか出来ないぞ。……まあなる様にしかならんか。とりあえずは魔法屋を開いてから考えよう。


 幸いにして、着替えは沢山ある。実家から貰って来た服が何着もある。これを着ていれば暫くは問題ない。盗んだとは人聞きの悪い。ちゃんと私用に準備されていたものだ。それを数十着拝借しただけだ。家には迷惑をかけておらんよ。むしろ捨てるゴミが減って喜ばれた事だろう。


 さて、商業ギルドにやってきた訳だが、ここは相変わらず盛況だな。活気がなければ商業ギルドとしては終わっているのかもしれんが。とりあえずは手続きを済ませてしまおう。


「今日から魔法屋を始める。ヴァルダン・ガブリエルだ。手続きは既に終わっている。ガブリエル魔法店の看板を貰いに来た」


「確かめてまいります。少々お待ちください」


 ヴァルダンでもガブリエルでも何方でも良かったのだがな。なんとなくガブリエルにしてみた。意味は特に無い。ヴァルダンが母親が、ガブリエルが父親が付けた名前だというだけだ。貴族では往々にしてあることだ。気にすることじゃない。長い奴は5つも名前があったからな。


「確認してまいりました。こちらが看板になります。税金の支払いについては来年にお願いいたします。それでは商売が繁盛することを祈っております」


「ありがとう」


 まあ商売が繁盛しなければ、商業ギルドの取り分が減るだけだからな。一応、商業ギルドに登録せずに魔法屋をやっても構わんのだが、税金の関係が面倒になる。それを避けるために商業ギルドの管轄になる訳だ。税金の計算などやってられるか。


 それに看板も目印になるしな。一発で魔法屋と解るのが良い。有名店でもないのだ。こういうのは地道に客を増やしていかねばならんのだよ。まあ有名になったらなったで税金の計算が面倒でやっぱり商業ギルドからは抜けられないのだがな。


 さて、看板も貰ったし、早速私の拠点に行こうか。これから一生を世話になる魔法屋に。立地はまあ目を瞑るとしてだな。これからまずは宣伝の為にも毎日店を開けねばならん。


 開店したての店が休みを取れる訳が無いだろう。ともかく認知してもらうことが大切だ。魔法屋として認知してもらわなければ何も売れんからな。


 幸いなことに、この都市では魔法屋は足りていない。需要に供給が追いついていない状態にある。こけることは無いだろうが、繁盛する店になるかどうかは客次第だ。


 何とかなるだろう。そう思うしかない。最悪は魔法の研究結果を持って貴族院に行かねばならんか。新しい魔法の作り方と言えば高く買ってくれるだろう。そんな事にはならないと良いがな。


 さて、着いたぞ。ここが私の拠点となる魔法屋だ。1階部分は店と工房を兼ねて作ってある。私の住むところは2階部分だ。一応3階建ての建物にされてしまったわけなのだが。


 周囲が3階建てなのだよ。ここだけ2階にするには余分に金が掛かるんだ。景観を損ねるからな。そんな訳で、要らない3階部分もある訳だ。倉庫も2階部分でいいからな。当分の間は使用されない部屋が沢山あるだけになるだろう。


 まあ別に良いがな。広ければ掃除が面倒なだけだ。……私が掃除をするのだが、3階部分は暫くは掃除はせんぞ。放置しても問題無いと思っているからな。


 魔石ランプも1階部分と2階の生活スペースの分しか買っていない。わざわざ全部屋に付けて回る程馬鹿ではない。貴族は全部屋に付けるがな。それが嗜みだそうだ。


 では、看板を掛けてと。これで今日から魔法屋としてのスタートだ。生活力は皆無だが、何とかなるだろう。とりあえずはスクロールを並べる所からだな。さて、忙しくなるぞ。


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[良い点] 4話で脱落しました 1話目で誰向けに話しているかわからなくて違和感が拭えませんでした 『なのだよ』は生徒?目下?使い魔?に話してるような感じですが、他の部分では目上?友人?知り合い?に話し…
[一言] 10億相当の資金があったのだから仕事は趣味程度にしても十分優雅に暮らせたでしょう。暇だから仕事するのかな。
[気になる点] 看板を出しただけで、販促もせずに客がくるか? 既存の、実績ある店に勝てるかな?
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