400話 10/21 ロバート来店
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魔法の準備も終わり、開店した。勿論だが、+1魔法は売り出していない。実験段階だからな。売れるようになってから売るつもりだ。中途半端なのは必要ないと思っている。必要になるのは、最大強化の魔法のみ。それ以外の過程の魔法は売らないでおく。
本当は実験したい。タイフーンウルフに使ってみて欲しい。けれども、私は研究者では無いんだ。魔法屋の店主なんだよ。実験品とはいえ、中途半端な物は出したくない。
+5まで強化出来るとして、実際は+3でタイフーンウルフに効果があったとしても、+5で売らないといけないんだよ。利益の為にな。その分お高くなるんだからさ。
まあ、結局は、タイフーンウルフに使う魔法よりも高すぎると、数を買った方が良いって結論になるんだけどな。もし、+5でタイフーンウルフを倒せても大銀貨2枚もするんだよ。中銀貨5枚で狩れるだけの行動力になるはずなので、4倍の金がかかっている。
タイフーンウルフを行動不能にまでするとしても、出せて3倍くらいまでじゃないか? +4くらいで収まってくれると助かるんだが。+3で良いのであれば、売れる見込みはもっとある。
どうなるのかは、運次第だな。どの位の強化が妥当なのか。限界なのか。調べるのには、何もかもが足りていない。専属の魔法使いが欲しくなるな。大金を取られそうなんだがね。専属契約は難しい部分があるとは思う。そもそもの話、魔法が足りていないのが問題なんだが。
魔法屋が増えてくれれば良いんだろうが、それでも魔法屋で働く人口が増えないと意味がない。私の様な出来立ての魔法屋ではなく、そこそこ長く魔法屋をやれている様な所は20人も30人も抱え込んでいるだろうと思われる。多分だがな。調べたことは無いからな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「おう店主。また来たぞ。今日もゆっくりと見させてくれや。いつも通りの魔法が欲しいわけなんだが、大丈夫だろう? 時間もまだまだ早い時間だからな」
「ああ、まだまだ残っているぞ。というかだな。ここまで早く来なくても良いんだぞ? 開店は他の所よりも2時間は遅いんだし、売り切れになる方が珍しいんだからな」
「開店が遅いのは知ってるぞ。朝一で来たら閉まってたからな。明かりは付いていたんだが、店は開いてなかったし、しゃあねえかって感じで他の店を見てたからな」
「そこまでしてもらわなくてもまだ大丈夫だ。売り切れる心配をしたいところなんだが、もうちょっと客が足りない。常時売り切れになるには、もう少し時間が必要だな」
客が多いとはとてもじゃないが言えないからな。まだ3桁になっていないんだから。3桁でも少ないと見る人も居ると思うぞ。魔法使いのサイクルを考えると、どうしてもな。
私の店では1日に38個の魔法が出来る。1人4つずつ買っていったとして10人必要になる。魔法使いが活動するのは週に1回くらいだ。クランが狩りに出かけるのはその位だから、6日に1回くらいのペースで来る事になる。そうすると60人は欲しいよな。60人で何とか売り切れるという話だ。
そこから来ない魔法使いや、サイクルの遅いクランがあったりすると、安全を見て100人くらいの客が必要になってくる。今の体制だとそんな感じだ。弟子が増えてくるともっと必要になってくる。
出来れば、500人くらいには認知しておいてもらいたい所ではあるんだけどな。取り合いが発生するくらいの人数が欲しい。常時売り切れになるだけの客層が欲しい。弟子も沢山抱え込みたいしな。30人くらいは欲しい所なんだが、年齢的にはばらけておいてくれる方が助かるんだが。
年齢が近い者ばかりだと、後が大変になるんだよ。私が引退してからの話ではあるんだが、引退者が一度に出るという事は避けた方が良いんだよ。1歳ずつでも分かれていた方が良いんだよな。
まあ、都合よくはいかないんだろうがね。誰を雇用して、誰を雇用しないとか、行っていられるほど余裕がないからな。とりあえず、まずは数を揃えないといけないんだよな。
「売り切れになる心配が無くていいのは助かるんだが、こう、な? 欲しい魔法がないってのは頂けないからよ。なるべく確保したいと思うのは普通だと思うんだがね」
「ああ、そうか。ロバートの場合はクライヴ君の魔法との相性がもの凄く良いんだったか。それだと早く来ないと無くなる可能性はあるな。私ので良ければ残っているんだが」
「そうなんだよなあ。弟子の方の魔法の方が具合が良くてさ。でも、作れる数が決まっているんだろ? それじゃあ俺の買う分が無くなる可能性もあるんだよ。店主は弟子の魔法を優先するだろ?」
「そうだな。弟子の魔法が売り切れてくれた方が都合がいいからな。それは店側の都合であって、客の方はそうではないという見方でもあるんだが。そうか。クライヴ君の魔法を気に入ってくれたか」
「ああ、良い感じだぜ? 残しておくには勿体ない魔法だ。どんどんと使って行きたくなる。つってもある程度は残しておくんだけどよ。手に入らないことを考えるとなあ」
「魔法使いが魔法を貯め込むのは、習性か何かか? 普通は貯め込むのか? 貯め込まれると、魔法が足りないのに、更に魔法が足りなくなるんだが、それは解っているんだよな? 現状では、魔法を作る人が足りていないんだ。貯め込まれても困るとは思うんだが」
最近知ったことではあるんだがね? 魔法を貯め込まれても仕方がないんだよ。使ってくれないと意味がない。魔法は使ってなんぼなんだから。そうしないと、他の魔法使いに魔法が行き渡らない。
言いたいことも解るんだけどな。いざという時に売り切れていたらどうするんだって話だな。3日連続で、偶然にも魔法が買えなかったという事もあるだろう。特に大通りの店でなんかは起こり得るだろうな。普通に完売するんだろうから。悠長勢は駆逐されるだろう。
でも、なんだかんだ言いつつも、属性相性があるから、10時頃までは店を開いているんだよ。相性的に売れ残る物があってもおかしくはないからな。殆どが6時までに売れるとは思っているんだが。
バーゲンセールを毎日やっているのと変わりが無いと思う訳だ。普通はこんなふうに客と会話をする余裕は無いと思われる。取り合いひしめき合いと言った感じなんだろうな。
そんなところに行きたくはないんだが。私の店も将来的にはそうなるんだろうと思う。多分だけどな。とりあえずは、今の所大丈夫ではあるんだけどもな。
「貯め込むのは仕方がないだろ? 普通の店だとどんな感じになるのか解ってないだろ? 2つ買えれば良い方なんだぜ? 他店に残っていればラッキーだと思うくらいなんだ」
「だから貯め込むってのも解らなくは無いんだけどな? しかし、2つか。激戦だな。それは混ざっても仕方がないと思わないといけないのかもしれないか」
「手に取った魔法を買わないと、次も取れるとは限らないんだよな。だから、こんな紐を悠長に解いて縛ってをするのは基本的にはあり得ないんだよ。その手間があったら、魔法の中身を見ることに集中したい。1つでも多くの魔法を買って店を出たいんだよ」
「気持ちは解らんでもない。それだと本当に良く解らないことになっていそうだな。会計が正常なのかも解らないか。大体の値段は決まっているとは思うんだけどな」
「ぼったくりなんて殆どないぜ? 大体、店がぼったくると客が逃げるからな。いくら魔法が必要でも、割り高ていどなら良いが、5倍も値段が違ったら流石に買わんよ」
「だろうな。流石にそんな事はしないか。私の店は計算が楽なように中銀貨1枚で統一している訳なんだが、他の店は違ったりするんだろう?」
「だな。見習いのが若干安くなっているって感じだな。ま、大して変わらないんだがよ。優劣を付けたいだけじゃねえのか? 俺には関係ない話なんだがね」
「まあ、そうだろうな。魔法が同じなら、それなりの値段で売れば良いものを。見栄と虚勢に引っ張られているんだろうな。それで何が変わる訳でもないのに」
「性能が変わるなんて事は殆どないからな。ちゃんと作っていれば、初心者でも変わらないって事なんじゃねえのか? 作り方は解ってねえけど。じゃあ、これだけ買って行くな」
「クライヴ君、会計だ」
「中銀貨4枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。貯め込まれても困るんだけど、それも仕方がない部分があるんだよな。魔法が足りていないんだからさ。どうあがいても、魔法を作る人の方が足りていないんだよ。もっと魔法屋になってくれる人を探さないといけないんだけどな。中々居ないんだろう。




