394話 10/20 ニコラス来店
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まあ、なんと言うか、神か精霊かは解らないが、精神干渉を受けていたみたいだ。私としては精霊を推すがね。実体を持っていないのではないかと思うんだが、どうだろうか。
実体が出てきたら、大災害になっているだろうからな。敵対されていたら、この辺は更地になっているだろう。どれだけの人が抵抗できるのか。碌に魔法が効かない可能性もあるんだよ。
弱点は闇属性だと言われている。闇の精霊にも闇属性の魔法が効くらしい。詳しくは知らないが、妖精、精霊には闇属性と言うのが定番なんだ。まあ、碌に効かない可能性が高いんだけどな。
対策は、出来ない。何をされているのかが解らないんだから、仕方がないだろう? 恐らくだが、何か気が付いた人に対して、感情を揺さぶりに来ているんだろうと思われる。
そして、技術が発展して、何かの間違いで精霊召喚なんてしてみたらどうなるだろうか。暴れまわる未来しか見えない。討伐するのに、どれくらいの犠牲が出るのかが解らないな。
そして、なんとなくだが、魔法が作られた時もこうだったんじゃないかと思えてきた。感情を刺激して、あたかも正解であるように誘導して、魔法を作らせた。
狂人にしてしまえば、精霊の声が聞こえたのかもしれないな。幻聴の類と言われるかもしれないが、そんな狂人が魔法を作り、精霊語の一部を翻訳してしまった。そう思えてきたんだよな。
「お客を置いて思考に耽っているんじゃないよ。全く、こっちは買い物をしに来ているんだって事を忘れて貰っちゃあ困るねえ。魔法を買わないと、あてしの生活が成り立たないんだ。とっとと買ってお暇させてもらうよ。これだけ買っていくんだから、良いだろう?」
「ああ、クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨4枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。また、ああ。そう言えば、携行食屋を始めたんだ。良ければ見て行ってくれ。東の大通りに面したところがそうなんだ。幟が立っているから、解りやすいと思うぞ」
「なんだい? 何か別の店も始めたのかい? 魔法屋で食っていくんじゃないのかい。まあ、良いけどね。使わないとは思うが、見るだけならタダさね。どうせあてしらのクランじゃ遠征なんて無理だからねえ。食えりゃいい干し肉で十分さ」
行ったか。まあ、期待はしていないがね。見た目的に、スラムのクランだろうからな。遠征に行くには、もう少し戦闘職が必要だろう。2000人は欲しい所だな。
その位居ないと、遠征をする前に荷車が一杯になって帰って来るだろうからな。泊りがけで行くクランなんかは、もっと必要だろうけどな。単純に多いってだけでも遠征は必要になってくるだろう。クランメンバーを養わないといけないからな。金を稼がないといけない。
文無しでは生きていけないんだからな。稼ぎは必要なんだ。まあ、私みたいに2種類の仕事を回そうとしている人は少ないだろうがね。普通は1つだけだ。下働きは別としてだが。
クランでも、非戦闘職の人たちは、色んな仕事をやっているだろうからな。下働きを雇うよりも安く済むんだろうと思う。毎日必要なのかも怪しいしな。その辺は上手くやっているんだろう。
クランの運営は無理だ。私では器が足りない。人をついてこさせるには、それなりの器が求められる。魔法屋なら30人くらいを引っ張っていければ良いんだよ。それで十分なんだ。
クランとなると、もっと必要になってくる。最低でも200人。十分となってくると2000人は欲しい。もっと欲しい場合もあるだろうから、それだけの器が必要なんだよ。
人を引き連れる才能が必要なんだ。私では、100人くらいが限界だろう。盛った数字でそれなんだ。クランリーダーは勤まらない。纏め上げる才能が無いと思うからな。そういうのは、案外幼少期の教育と言うか、生き方にかかってくると思うんだよな。
貴族教育でも、跡継ぎの教育方針がそっち方面だろうと思うんだよ。妹がそう在れと教育されているはずだ。女系だからな。兄では無いのだよ。母親が当主だったからな。
平民の子供でも、教会で育つのが多いと思うんだが、そこでリーダーシップを発揮していれば、クランリーダーになれる人材も出てくるだろう。そんな事をしなくても、上に立つ者の心得を理解している人も居るんだが、それは少数派だな。普通は無理だと思う訳だ。
何事も産まれてからどうあったかによると思うんだよ。私みたいに、初めから平民になる事を決められている子供も居るんだ。貴族に残れるとはこれっぽっちも思ってなかったからな。
ましてや、前世がある人間なんて、どの位居るのかと言う話になってくる。普通ではないのは理解している。普通であって堪るかと言う思いが強いんだが、そんな話は聞いたことが無いしな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「ああ、また来てしまったな。やはりここの魔法は良いものだ。使い勝手が良いのは素晴らしい。少ない数の魔法をここの魔法に費やしてしまうのは、仕方のない事ではあるんだよ。雨の中なのにやって来たいと思う程に、ここの魔法は使い勝手がいい。それはもう」
「そうか。そう言ってくれると有難いな。確か、弟子の魔法がよく合うんだったよな。今日も買っていってやってくれ。私の魔法は後でもいいんだ。是非とも弟子の魔法を買っていってやってくれ」
「勿論、そのつもりだ。俺も使いやすい魔法の方がいいからな。何もかもが異常なこの店の魔法なんだ。出来は悪くないと思っている。いや、それ以上に良いものではある」
「有難い話だな。買ってくれる人が居ないと、魔法屋が成り立たないからな。どの魔法屋もそうだとは思うが、生活がかかっている。魔法を作って売るだけなんだが、それでもな」
「解っている。そして、魔法を作る難しさも教えて貰ったからな。変に口出しをするつもりはない。もう少し数が増えれば良いとは思っているんだが、難しいんだろう?」
「難しいな。数は普通の魔法よりも少ない。その分追尾機能が付いていると思ってくれればいいからな。数は、それ以上にしようと思っても難しい。他を犠牲にしないといけないからな」
「やはり、この追尾機能を失うのは惜しい。惜しいが、欲を言えば数が欲しい。難しい問題だな。何もかもを満たした魔法を作りたければ、中級魔法になってしまうと言う事なんだろう。それでは話が変わってきてしまうからな。初級魔法でどうにかしたいところなんだ」
「出来なくはないんだろうが、難しい問題だな。手っ取り早い解決策としては、皮紙の大きさを変えると言う事なんだが、それ以上大きくすると、持ち運びが辛くなるだろう?」
「そうだな。大きければ、荷物になる。それは避けたい。となると、この大きさくらいがギリギリ荷物にもならないで済むという判断なんだろうな」
「そういう事だな。荷物になる事は避けたい。だが、色々と要素を詰め込みたい。そんな葛藤の中で産まれたのが、その魔法になる。それ以上大きくすることも可能だが、皮紙はただでさえ重いんだ。それを幾つも持っていくとなると、厳しいだろう?」
「そうだな。とりあえずは、6属性は欲しいから持つとして、そこから対策用に4つ程魔法を持っていく。10のスクロールを持っていくとなると、相当な荷物だと思う訳だ」
「しかも、それ以外にも欲しい魔法はある訳だろう? となると、10では効かなくなる。保険も込みで15は欲しい所だろうな。かなりの労力だろう?」
「仕方が無いけどな。それが魔法使いだ。それ以外にも魔法は沢山備蓄しておくべきだしね。部屋には沢山の魔法が置いてあるんだ。それこそ部屋が埋まるほどに」
「それは持ち過ぎだろう? 少なくとも50程にしておくべきだろう。暫く買えないという事も含めての数だ。部屋が埋まるとなると、100は優に超えるだろう?」
「何かあった時に買えるとは思っていないからな。買い貯めておくのが普通なんだ。他の魔法使いも同じことをしていると思うよ? 今日はこれだけ買っていこうかな」
「だから魔法が足りないんだろう? クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨3枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。それと、東の大通りに携行食屋を始めたんだ。必要であれば買ってくれ。今までに無い一品だからな。味は美味しかったぞ」
「携行食か。クランの仲間に伝えておこう。便利であれば買うだろうし、美味しければ更にだね。色々と持っていかないといけないから大変なんだよね」
行ったか。魔法を貯め込むんじゃない。だから魔法が足りないんだろう? まあ、他の魔法使いも同じようにしているんだろうが、貯め込み過ぎるのは良くない事なんだがね?
緊急時には必要になるんだろうが、平時に足りないのは問題なんだが。その辺は解っているんだろうが、止められないんだろうな。気持ちは解らないでもないからな。




