390話 10/20 今日も1日が始まる
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10月20日火曜日。今日も1日が始まる。雨が降っているな。そんな兆候があっただろうか。天気を気にしていなかったから、詳しい事は解らないが。雨でもやる事は変わらないけどな。
魔法を売るだけなんだ。それ以外にやることは無い。新規の魔法を考えたりもするんだが、良いものは中々思い付かないものだしな。何かあれば良いんだが。
それと、それをやるのであれば、弟子がもう何人か欲しい。新しい魔法を作るキャパが欲しい。品を減らしても構わないという人数が欲しい。まだまだ先の話になるんだろうけども。寄付もしているが、そこまで大きな金額をしている訳ではないからな。
さて、今日は携行食屋が始まる日でもある。携行食は需要があると思うんだよな。売れるかどうかは解らないが。物珍しさで少しは売れるだろうとは予想しているんだが、どうだろうか。完売するのにどの位の時間がかかるかなんだよな。早めに完売して欲しいと思っている。
便利な物ではあるはずなんだよ。不便な携行食ではない。お湯を用意すれば良いだけだからな。多少の面倒さはあるにしても、野営では何方にしても温かいものを食べるだろうからな。
顧客を掴むまでの辛抱だな。生産力はある程度仕方がない部分があるんだよ。どの位売れるのか。それ次第で生産力を上げないといけない。生産力を上げるには、人員が必要だな。
まずは設備投資で何とかなるとしてもだ。1人につき、1つの鍋という状態から、2つ3つと増やしていけば、生産力は増えるだろう。限界はあるが、基本は煮込むだけだからな。
慣れが必要な作業ではあるんだがね。慣れない内に出来る事でもない。完売する様な事になってきたら、本格的に考えればいい話なんだよ。忙しくはなるだろうが、我慢してもらうしかないな。そうなってくると、給料についても考えないといけないことになってくるんだろうが。
どう頑張っても冒険者の数以下の数量しか売れないんだからな。しかも、ある程度大きなところという制限があるんだ。携行食が必要な所でないと売れないんだよ。
小腹が空いたから干し肉をって感じで食べられるものでもないんだよな。準備が必要だし、全体行動が決まってきてしまうだろう。ある程度のクランにしか売れないと思っている。
まあ、100万人以上も居るんだから、心配することでは無いとは思うんだけどな。正確な数字は知らないが、冒険者は多いんだから。日雇いも含めての冒険者の数にはなるんだけども。
目下の目標としては、2万食程度を作って完売することなんだ。その位は作れるだろうし、完売も難しくはないと思っている。流石に今日明日でという事にはならないが、いづれ完売するだろう。大きなクランに見つけて貰えれば、あっという間かもしれないがね。
その辺りは運が絡んでくるからな。こちらでも宣伝はする。宣伝しても売れるかどうかは別問題だからな。大きなところが使ってくれれば、良い感じに売れていくとは思うんだけどな。
日持ちしないのが、一番の問題なんだよな。保存食という訳ではない。こんな雨の日には最悪だな。湿気に弱いからな。ある程度の湿気対策は必要になってくる。蓋をするのは当然の事として。
乾燥剤なんかがあれば良いんだけどな。そんな便利な物は無いんだよ。どうやって作るのかが解れば良いんだが、作り方が解らない。代用品は結構あるんだがなあ。
代表的な物として挙げられるのが塩だな。粉末スープの素と何方の方が吸湿性があるのかは知らないが、塩は乾燥剤の代わりになるんだよな。もの凄く勿体ないけどな。塩は高級品だ。
後は米なんかもそうだな。米も湿気を吸ってくれる。これも食べ物なんだよな。食べ物を食べ物で守るというのはどうなんだろうな。米が食えなくなるんだが。そこまでしないといけないのかって話になってくるだろう？ 素直に米を炊けばいい話だからな。
そして、炭。木炭とかも良いんだよな。湿気を吸ってくれるし、臭いも取ってくれるんだよな。これも高価な物ではあるんだよな。鍛冶師とかが使うんだよな。鍛冶師が買うのであれば安いんだが。
基本的に、魔道具で火を熾すのが主流だろうからな。炭なんてって感じだろう。木炭は色々と使い道があるから、安く手に入れば欲しいものではあるんだけど、そんな訳にもいかないんだよ。
ただ、現実的に考えると、炭が一番なんじゃないかなって思うんだよな。炭の乾燥剤としての力がどの位あるのかは知らない所ではあるんだが。使えると知っていても、能力までは知らないからな。
簡易スープの素は粉なんだ。粉は吸湿性が高いんだよな。それを上回る吸湿性が無ければいけないんだよ。パンとか麦粉も吸湿性は高いぞ。食料品を使うなって話になりそうなんだが。現実的に考えると、炭になる気がしている。知らない道具があるのであれば、別なんだけどな？
寄りにも因って、雨なんだよな。今日が発売日なのに、雨が降っているんだよな。これはあれか？ 天が邪魔したいとでも思っているのか？ 神様を信じるかと言われたら、信じないんだけどな。
6神教には悪いが、信じてはいない。転生できたんだから信じても良いと言えば良いんだが、会っている訳じゃないからな。何かチートなスキルを貰ったわけでもないし。
ただ、適度の雨も必要なんだよな。雨が降らないと水が不足してしまうんだよ。上水道が通っているとはいえ、天然の水源をあてにしているだけなんだよな。水が枯れたら大惨事だ。
井戸も掘っていないんだから、本当に大惨事になりかねない。沼の水を飲む羽目になるんだろうか。それは嫌なんだが？ 泥水なんだよな。それを飲むには勇気が必要になってくる。
幾ら煮沸消毒をするといってもだ。気分が悪い事には変わりがない。何が住んでいるのかも解らないんだからな。細菌の類が怖すぎるんだよな。まあ、それをいうのであれば、上水道もかなり危険だとは思うんだが。井戸も安全だとは言えないしな。
水問題が出ないのは奇跡に近いとは思うんだよ。普通は問題が起きる。生水を飲むとかはやってはいけない行為だからな。腹を壊す程度であれば、助かった様なものだからだ。
まあ、何にしてもまずは携行食が売れてくれないと話にならないんだよな。売れてくれると良いんだが。周知に6日、お試しに6日。そこから広がるのかどうかという所だろうか。
簡単に売れてくれると嬉しいんだけどな。そう簡単にはいかないだろうというのが、私の予想ではあるんだがね。新しいものを試すのにも勇気が必要なんだ。それがあるのかないのかで話が変わってくるんだよ。新しいものを受け入れる余力があるのかどうかだ。
少なくとも、2000人、3000人規模のクランでないと買わないと思うんだよな。その位の規模は必要だろうと思う訳だ。10月だという事を考えると、それでも少ない可能性はある。
発展性はあるとは思うんだが、今日でどの位の人が買っていってくれるのかによる。1000食売れれば十分だと思っているんだ。お試しならその位だろうと思っている。
当分は教会に寄付することになるんだろうとは思っているんだよ。炊き出しに使ってくれれば良いんだ。骨だけでも結構美味しいんだよな。本当は野菜を入れないといけないんだろうけど。
若干の獣臭さは残るからな。全く無いとは言わない。高級品路線を行くのであれば、臭み消しは必要になってくると思っている。思っているが、冒険者にそれが必要なのかという事になるんだよな。冒険者が臭みを気にするのかって話だよな。気にしないだろう？
臭みもあって良いと思うんだよな。灰汁取りをするんだから、ある程度は消えてくれるんだけどさ。臭くて飲めないって訳でも無いんだよ。もの凄く臭いのであれば考えたんだけどさ。
野菜は時期に因るからな。安い時は肉よりも安い。それも一瞬だけなんだけどな。段々と高くなっていき、肉の値段を超える。肉が安すぎるというのもあるんだが。
冒険者ギルドの増設が待たれるな。動いているという話は聞かない。それはそうだろうとは思うけどな。出来るのは北と南と西だからな。東にはもうあるんだから。
渋滞の緩和が成されたら、出来たんだろうと判断しても良いと思うんだよな。どの位緩和されるのかは解らない所ではあるんだけどな。解体職人が沢山必要になるんだろうな。解体も専門職なんだよ。熟練していないと、場所が無くなるんだよな。今現在も無いんだが。
頑張ってはいると思うんだよ。限界があるだろう？ ワイルドボアの骨を貰ってきているから解るんだが、結構肉が残っているんだよな。出汁にさせて貰うけどさ。
勿体ないと思うのは、仕方がないと思うんだよ。でも、骨にくっ付いている様な肉を取ったところでなんだよな。肉不足になっている訳でもないんだから。過剰供給だからな。
肉も需要があるとはいえ、あれだけ供給されたら、必要ないと思うのも仕方がないと思うんだよ。あれ以上は要らないだろうな。この都市にはまだまだ人が住めるんだけどさ。
まあ、何にしても雨だ。スタートには悪い気がするが、始まるものは仕方がないんだよ。天気を選べるわけじゃないからな。運はそんなに無いんだよ。売れると良いけどな。
