382話 10/19 ブレンダン来店
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朝飯を食べて店を開店させた。そうして暫くしたら、携行食店の皆がぞろぞろとやってきた。メルクリアもやってきているぞ。今日が最後の雇用日になる。かなり早い契約打ち切りになるが、成果は出してくれたので、特別報酬を出すつもりだ。もっと時間がかかってもおかしくなかったからな。
まあ、骨を煮てブヨブヨの物が出てきたときには焦ったが、麦粉を沢山入れて何とかしたという点が大きかった。あれが無ければ、まだ何かしらやっていただろうからな。
各家庭の荷車も総動員して引っ越し作業が進んだ。進んだというか、既に終わったというか。1回の移動で全てが終わったんだよな。後は向こうでも同じことが出来るのかの話になってくるんだよ。
出来ない訳がないんだよな。ただ単純にこっちでやったことをやるだけだから。場所もそんなに変わらないとは思うし、妥当な所だろうと思う訳だ。前の店が何の店だったのかは知らないけどな。
そんな訳で、一気に引っ越してしまったんだよ。荷造りも昨日の段階で終わっていたからな。後は足りないものを買い出しに行ってもらえれば解決する。足りないものは殆ど無いはずだが、麦粉は買い足しておいても良いし、壺もあっても困らないからな。
その辺の差配はメルクリアに任せてある。店長代理の育成も頼んだので、頑張ってほしい。店長代理は皆の給料よりも5割増しなんだから、しっかりと管理をしてもらいたい。
店長は私である。まあ、全権委任をしている訳なんだがね? お金の管理も頑張って貰いたい。本来であれば、私が管理をしないといけないんだろうが、私にはそんな暇はない。持ち逃げされたらそれはその時だな。別の店長代理を立てればいい。
一応、毎月の売上金を持ってきてもらう事にはなっているんだが、着服されたら解らないからな。本当に解らないから、信用するしかないんだよな。何か怪しい感じにでもならない限りはバレないとは思うけど、バレたら勿論首なので覚悟はしておいて欲しい。
勿論だが、不正を暴いた人が次の店長代理である。だから、監視体制はバッチリだと思いたい。全員で不正をされたら見つからないんだけどな。10人中10人が悪い人だとは思わんから。
多少の不正は構わないんだがね? ある程度売り上げてくれれば、3年で元が取れる事になっているからな。それが少し遅れるくらいだ。元が取れるのは素晴らしい事なんだよ。
投資をしても、回収までに50年かかるとかザラだからな。たったの3年で元が取れるんだから、文句は無いんだ。大失敗にならなければの話になるんだけどな。失敗の可能性は低いんだけど。
携行食の需要が無いわけではないからな。ある程度の値段はするが、狩りに出たら回収できる金額になっているはずなんだよ。冒険者の収入的に考えて。
常食には向かないが、携行食であれば、このくらいの金額でも大丈夫の筈なんだよ。大体魔物1体当たり中銀貨1枚くらいで売れるんだから、大銅貨3枚くらいは出しても構わない。
と思うんだが、それでも弱小クランは買わないよな。買うとすれば中規模クランからになる。2000人程度の集団からになると思っているんだよ。500人の集団でも買っていっても良いけどな。
メインのターゲットは2000人から3000人規模のクランだ。万越えのクランが来てくれたら、それはそれで良い感じになるんだけど、そう上手くいくんだろうか。その辺は解らないからな。
商業ギルドにも卸しても良いんだけど、日持ちするわけではないし。干し肉の様に凄く日持ちするわけじゃないんだよな。それに生鮮食品ほどは腐りやすくない。微妙なラインなんだよ。
保存状態が悪ければ1日で駄目になるが、乾燥した場所に置いておけば、20日くらいは大丈夫なんじゃないか? 詳しい事は解らないから、3日程で食べてくれとは言う様にしているが。
余程の馬鹿でない限りは、湿気の多い場所に保管はしないだろうと思うんだよな。麦粉も同じことが言えるから。麦粉も湿気の多い場所での保管は厳禁だ。粉に湿気は敵なんだよ。
だから、ある程度の料理の知識を持っている者であれば、保管方法には気を使うはずなんだよ。絶対では無いけどな。料理番が居るのは、中規模クランからなんだから。
まあ、腐っていたと言ってやってくる馬鹿も居るんだろうとは思う。思うけど、それはもう、仕方がないレベルの事だからな。食べ物が腐ってないのかどうかを見極めるのも仕事だからな。
腐った食べ物は買わない。これが鉄則なんだよ。大丈夫だろうとは思うけど、言いがかりが来たら、素直に返金して出禁にしろとは言ってあるが。味を占められても困るんだよな。
そんな訳で、今頃は荷ほどきを終えて、簡易スープの素を生産している所だと思うんだよな。良い感じに儲けられれば良いと思う。どうなるのかは解らない所が大きいけど、多分大丈夫の筈だ。大きく失敗するとは思っていない。売れ残りは出来るだろうけども。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「ああ、ここだったか。大通りでは無いから何処だったのか忘れてしまっていた。見つけられたのは、この幟のお陰だな。他の店でも使っている所があるくらいだからな」
「お? 魔法屋で幟を使っている所があるのか? それは知らなかったな。便利ではあるけどな。ここに店があると知らせることが出来るからな。特に私の店の様に大通りに面していない店なんかは特にだな。あった方が解りやすくていい」
「いや、魔法屋では無いんだ。懇意にしている道具店の話だったんだ。魔法屋で幟を立てているのはここの店くらいだ。西側では立てても良いとは思うけどな。大通りにある店については、幟を立てる必要がないだろう。皆が見つけてくれるのだから」
「ああ、魔法屋以外の話か。確かに奥まったところにある店なんかは幟を立てた方が解りやすいだろう。見つけてくれるまでが問題なんだからな。目印は欲しい所だな」
「一部の通りでは、幟だらけになっている場所もあるがね。見た感じ華やかになるから、とても良い事だとは思うが。種類も増えてきている事だしな」
「そうなのか。それはそうと、魔法の使い勝手はどうだった? 相性の問題なんかもあっただろうが、詳しく教えてくれると助かる。で、出来るのであれば、弟子の魔法を買ってもらいたいんだが」
「魔法の使い勝手は、少しだけ特殊だったことを除けば使いやすい部類だったと言えるだろうな。特に弟子の方の魔法とは相性が良かったのか、書いてある事以上の魔法が発動した」
「それは良い事だな。是非とも弟子の魔法を優先的に買ってやってくれ。私の魔法は残ってくれても構わないんだよ。出来ればでいいからそうしてくれると助かる」
「そうなのか? 店主の魔法の方が残っている様にも思えるんだが、事情があるんだろうな。詳しくは聞くまい。思った事を言うだけが商売では無いからな」
「色々とあるんだ。色々とな。それで、どの魔法にするんだ? 雷属性の魔法の有用性については、恐らくだが解ってくれたと思うんだが」
「ああ、あの魔法か。確かに良い魔法だった。前衛が楽できる魔法だったな。もう少し様子を見たいとは思うんだが、あれを使いすぎるのも怖い気がするな」
「慣れてしまわれると困る事もあるだろうな。苦戦しないで良いとは言っても、苦戦をしないと冒険者も強くなれないだろうし。必ずしも最良であるとは限らないからな」
「そういう事だな。だが、持っておくことに意味がある魔法だと思っている。前衛の疲労も考えないといけないからな。休ませるには丁度いい魔法だと思ったよ。それと、今日はこれだけ買っていく。ある程度は属性の魔法も欲しいからな」
「そうか。クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨5枚になります。……丁度いただきました」
「毎度どうも。またどうぞ。ああ、そうだ。明日になるんだが、大通りに携行食の店を出すことになっている。そっちも贔屓にしてくれると助かるよ。少しだけ値段が高いが、味は保証する。ただ、店員にも言ってあるが、保存の方法には十分気をつけてくれ」
「解った。食糧担当に言っておこう」
行ったか。確かに前衛を休ませるのには丁度いい魔法だろうな。麻痺している相手を後回しにして他の魔物を討伐しに行けるからな。特に今の時期のように数が多くなっているのであれば、なおさらだな。数は力だ。なるべくは避けておきたいだろう。




