371話 10/17 42人目の客
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質はどうであれ、量は出来ている。量が出来ないと色々と困ったことになるからな。それは大変に良い事だ。売り物を作る上で欠かせない要素となるだろう。
安定して沢山作れると言うのは、良い事である。沢山出来た方が良いのは確かなんだよ。美味しいのは美味しいんだ。斑があるかもしれないけど、それは平均してしまえば大丈夫だろう。
とにかく、量産体制を整えないといけないし、慣れて貰わないといけない。これはもの凄く重要な事なんだよ。慣れと言うのがある程度の雑さを含んでいると言ってもいい。
雑く作るというのは、いけないようにも聞こえるが、手の抜きどころを考えないといけないと言う事でもあるんだ。全力で作るには、集中力の限界があるからな。何事も適度に力を抜かないと、思いつめてやられても困るんだよな。
多少の雑さは許容する。むしろ雑に作ってもある程度は美味しくなると思っているんだよ。灰汁をどれだけ取るのかにも因るんだろうが、それだって、頻繁に取らないといけない訳じゃない。
料理は完全に素人だから、これはどうだと言うのは、言えないんだが、まあ何とかなるだろうとは思っている。そこまでの労力では無いと思っているんだが、どうだろうか。
難しく考えるから駄目なパターンもあるからな。簡単に考えた方が上手くいく事もあるんだよ。今回の件については、ある程度簡単に考えても良いと思っているんだ。
消費期限の問題はあるにしても、流石にそこまで簡単には痛まないだろうと思っている。3日くらいは余裕なんじゃないかな? 水分が含まれていたら解らないけど。
腐る原因が何なのかと言われたら、菌が原因だろう? 大半がそうだと思っているんだが、違うんだろうか。古くなるのは当然なんだけど、菌が悪さをしていると思っているんだよ。
菌も水分が無ければ、活発には動けないはず。多少は何かしらあるかもしれないが、3日はもつだろうと思っている。保存状態に因っては、10日ほど持つとは思っているんだけどさ。
菌が入らない様にするのは、不可能だ。絶対に入り込んでしまうんだよ。それこそ、無菌室で真空パックに詰め込むくらいの事をしないと無理だと思っている。だが、そんな事は不可能だろう?
乾燥材もある訳じゃないし、防腐剤もある訳じゃない。消費期限はかなり短くなるだろう事は予想されることなんだよ。それでも売るのには変わりは無いんだけどさ。
当然売る。そして、早めに食べる用に言う。まあ、食品で早めに食べないといけないという感覚は、普通にしていても育つので、大丈夫だと思うんだけど、一応な?
長持ちすると思われても困るんだよな。干し肉とは違うんだから。あそこまで保存の効く様にするには、相当な塩分量が必要だからな。簡易スープの素には、最低限の塩分しか含まれていないんだよ。
味付けには塩を使っている。それは当然だろう? 幾ら豚骨スープと言えども、塩は必須だろうと思っている。他に調味料の選択肢が無かったとも言えるんだが。
辛いだけの香辛料はある程度安いんだけど、それでも塩に比べると高い。それに、辛み成分は好みが大きく別れてしまう。それではいけない。万人に受けるようにしないといけない。
誰が食べても美味しいと思える物が一番なんだよな。流石に100人いたら100人とも美味しいと言わせるのには苦労すると思うが、簡易スープの素は言わせられる可能性はあるんだよ。
可能性の問題なんだけどな? 発展はする可能性はある。まだまだ改良の余地は残されていると思っている。が、私の発想ではこの程度が精一杯なんだよ。これ以上の引き出しは無いんだ。
残念ではあるが、これが現実である。出来ると思ったのは良いんだが、これを発展させていこうと思うと、これ以上の発想が必要だ。私には、料理の知識が足りていない。
料理の知識があったらどれ程良かったことか。こんな問題なんて簡単に処理できただろうと思っている。前世でもっと頑張っていれば良かったのかもしれないが、それを言うのも変な話なんだよ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「こんな所にも魔法屋があったのか。いつの間に出来たんだろうか? 余り意識して見ていなかったから解らないが、店主、この店は何時からやっているんだい?」
「この店か? この店は今年の9月の初めからだな。開店から50日も経っていないという所だ。場所は、まあ間違えたんだよ。下調べはしたんだが、そこまで気が回っていなかったんだ」
「なるほどね。普通は大通りに面したところに作るだろうから、その辺に関しては、失敗とも言えるのかな? その分魔法も余っているようだし、俺にとっては好都合って所かな」
「そうだな。売り切れの心配は暫くしないでも良いだろうな。後は名前とクラン名を教えてくれないか? 客の名前と顔は一致させておきたくてな。それと良ければ狩場も教えてくれると助かる」
「そうか。俺はジョンソンだ。クランは黄金の薬局だ。薬屋もしている特殊なクランと思ってくれれば良いかな。それと狩場は平原だ」
「薬屋をしているのか。それは珍しいな。普通はクランで何か店をすると言うのは無かったはずだ。と言うか、聞いたことがない。どんな薬を扱っているんだ?」
「普通の薬だよ。平原で採取出来る薬草類から作る風邪薬や傷薬。それに森から採取できるキノコ類を使った目薬や胃腸薬まで、何でもって訳ではないけど、作っているよ」
それは、もの凄く珍しいな。流石にポーションは存在しないから、仕方がないにしてもだな。色々と作っているみたいだ。私が必要としているって事は無いんだけどな。
けど、そうなのか。生産クランも兼ねているんだな。普通では無いのは確かだ。かなり珍しい部類の筈だ。クランでやっていると言う事は、結構大規模にやっているんだと思われる。
「そうなのか。薬の世話になったことが無いから解らないが、信用が出来ないと薬なんて買わないからな。それは凄いことだと思うし、それだけ薬の研究もしていると言う事なんだろうな」
「まあね。クランでやる分、色々と良い事もあるんだよ。失敗作も沢山作るけどね。……ん? あれ? これは、どうしたら良いんだい? 縛ってあるけど」
「ああ、それについては解いてくれても構わない。弟子の魔法と混ざらない様にしているだけなんだよ。だから気にせず解いてくれ。ただし、読んだら再度括っておいてくれないと、後の人が困るから、括っておいてくれると助かる。それと、平原で狩りをしているのであればこの魔法がおススメだな。雷属性の魔法ではあるんだが、平原では効果があると確認できている。数を揃えれば、タイフーンウルフにも対処は可能となっているんだ」
「そんな都合の良い魔法がある? まあ、見てみるけど。……うーん。見たことがない魔法だね。特殊と言えば特殊なんだけど、色々と特殊過ぎて困るかな?」
「そういう反応になるのは正しいな。そもそも魔法の作り方から若干違うからな。形も特殊だし、効果も特殊だ。中々に珍しいと思っているんだよ」
「そうだね。これは使ってみないと解らないかな。とりあえず、これは買っていくとして、後は風属性も試しておきたいかな? だからこれも買っていくよ」
「解った。クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨2枚になります。……丁度いただきました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。珍しいクランの人だったな。薬屋をやっているのか。生産をしているクランは初めて聞いたんじゃないか? 聞いてないだけであるのかもしれないけど。
非戦闘職を多く抱え込んでいるんだろうか。それともある程度専門性を持たせてやっているのか? その辺は解らないが、薬屋とはな。それで稼ぐことは出来なくなったな。




