346話 10/14 36人目の客
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日持ちさせるには、どうしたらいいのか。それが問題だな。最低でも10日間くらいは置いておける様な簡易スープの素を作りたいと思っている。湿気に晒されたら、お終いだが。
その辺は言い含めて売らないといけないだろうな。粉なんだから、当然と言えば、当然なのかもしれないが、それを知っているのかいないのかは、買う側の問題だからな。
乾燥材なんて物は無いんだからな。無いよな? 知らないだけであるかもしれないが、私は知らないし、そもそも、高いものかもしれないので、何とも言えない。
保存状態に関しては、任せるほかないとは思っている。こちらでも、10日間放置したものについては、破棄する等の対応が必要になってくるだろうとは思っている。
まあ、売れ残りを出さない様にするのが、一番いい方法ではあるんだが、どうしても、売れ残りは発生すると思われる。初めから売れていくとは考えても居ない。
プレゼンテーションはしないといけないと思っているが、半分はパフォーマンスだな。店頭でお湯をかけて、スープになる事を証明してみせて、味見をさせるまでの事をやらないといけないだろうとは思っている。その位の事は、必要だろう。
使い方から何からも知らない状態で売る訳にはいかないからな。まあ、乞食を寄せ付ける事にもなるんだろうが、それは仕方がない部分として、諦める他無いだろうとは思っている。
絶対に出てくるとは思うぞ。あそこに行けば、タダでスープが飲めるという噂は絶対に出るとは思われる。まあ、最悪、店員に顔を覚えさせれば良いだけだからな。
1度や2度の訪問で覚えろとは言わない。そこまで特殊なスキルを身に着けているのは、貴族くらいなものだとは思うからな。10度も20度もやらせないって方向で動けばいい。
貴族は、基本的に、1度の会話で他人を覚えるように、訓練されるからな。名前を覚えていないとなれば、他家に弱みを見せるのと同義だからな。その辺はしっかりと訓練させられた。
個人的には、顔を覚えるのは、苦手では無かったから、良かったものを。出来なければ、夜会にも出れないんだから、仕方がないだろう。情報料が入ってこなかったと考えると、ぞっとする。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「こんな所にも魔法屋が。これは、運が良かったかな。こんな所にあるなんて、気が付かないよ」
こんな所にあって、すまないな。これでも立地については考えたんだ。考えが足りなかったと言われれば、その通りではあるんだが。見つけてくれるだけでも有難い。
「初めましてだな。名前とクランを教えてもらいたい。一応、名前と顔は一致させておきたいんだ。それと、良ければ狩場も教えてくれると助かる」
「僕の事? 僕はマット。クランは辺境の蔵人って所に所属しているよ。狩場は、今は平原だけに絞ったかな。ちょっと前までは、森にも行っていたんだけど」
「珍しいな。2か所を狩場にしているのは。何か理由があったのか?」
「別にそんな事は無いとは思うんだけど、狩場を移動していたのは、クランの方針と言うか、上の方針と言うか。それが決まっていなかったんだよね。だから、平原と森を行ったり来たりしていたんだよ。もっとも、最近割れちゃったから、平原だけになったんだけどさ」
「ああ、割れたのか。それは、苦労をしているとは思う。特に今の時期は大変だろうとは思うな。平原の集合体が大きくなってきているだろう? 辛いんじゃないのか?」
「もの凄く辛いかな。組まないといけないくらいには、小さくなってしまったから。それでも、何とかしているけどね。今のクランリーダーには、思う所は無いし」
「というと、今まではあったように聞こえるけどな。その辺はどうなんだ?」
「あったよ。勿論だけど、あったんだよ。狩場が変わると、必要になる魔法も変わるんだよ。平原と森だから似ているって思われがちだけど、障害物の有無は大きいんだよね。普通に使える魔法と、そうでない魔法を揃えるのは、割と難しいんだよ? どっちでも使える魔法もあるけどさ」
「ああ、そういう事か。私の魔法でも、森では使えない魔法もあるな。それと同じ事な訳だ。場所によって色々と戦略が変わってくるという事なんだな」
「まあ、平原には制限なんて無いのと一緒だからね。その点は、魔法を選ぶときに必要な事を考えなくて済むのがいいよね。……あれ? これは、縛ってあるんだけど、解いても良いのかな?」
「ああ、解いてくれても構わない。読んだらまた括っておいてくれ。弟子の魔法と見分ける為に括っているんだよ。そっちの赤いのが弟子の魔法だ。まあ、1つしか残っていないがね」
「ふーん。てことは、2人しかいないんだ。まだまだ始めたばかりって所なんだね。でも、魔法屋が増えることは良いことだよね。増えてくれないと、こっちも困るって言うか」
「まあ、そうだろうな。圧倒的に魔法を作る人間が足りていないんだから、仕方がない所ではある。大抵の子供が冒険者に憧れるだろうからな。偏りは大きくなってしまうのも仕方がない」
「そうなんですよね。冒険者って憧れの存在ですからね。かくいう僕もその口で冒険者になった口ですから、何とも言えないんですけど。……それにしても、魔法の形が変わってますね?」
「まあな。その形が売りになっていると言っても過言ではないな。それで、お勧めの魔法はこれだな。雷属性の魔法ではあるが、平原で使うのであれば、この魔法になるだろう」
「あ、そういうのもあるんですね。じゃあ、とりあえず、試しに使ってみようかな。後はお弟子さんの魔法も買わせてもらいますね。これで幾らになりますか?」
「クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨2枚になります。……丁度いただきました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。まだまだ若い魔法使いだったな。新米とまでは言わないが、20にもなっていないんじゃないかな。そんな感覚があった。まあ、私よりも年上だろうが。
とりあえず、どんどんと客が増えてきているのは良いことではある。この調子でどんどんと増やしていきたいと思っている。まあ、運が絡むんだがね。




