342話 10/14 ジョージ来店、話がどんどん大きくなっていく
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まあ、結果が直ぐに出れば御の字と言ったところか。結果を直ぐに求めるのは、違う気がするが、なるべく早くに結果が欲しいとも思ってしまうな。それと、売値をどうするのかも考えないといけない。高すぎても、安すぎてもいけないだろうからな。
「なあ、ギース。干し肉の相場はどの位になるんだ? 泊まり込みで討伐に行くクランもあるだろう? それについての1食分の食費ってどの位か解るか?」
「そうでやすねえ。食事を満足に取るか取らないかに因って違うとは思いやすが、まあ、普通は多めに持っていくでやしょうな。そうなると、大銅貨2枚から小銀貨2枚が相場になりやすね」
「……ん? 思ったよりも高いな。どうしてそうなるんだ? 食費に関しては、そこまでの金額じゃないとは思っているんだが、それは違ったのか?」
「ああ、旦那は、そもそも干し肉を買わないでやすからね。聞いている話では、常に外食でやしょう? そうなると、安い肉を食べていると推測できるんでやす。肉は安い。そうでやすな?」
「そうだな。肉は安いな。それも、誰もかれもが沢山狩ってくるからに他ならないんだがな。魔物肉を食用としているんだから、肉は安いだろう?」
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「店主ー、また来たでー。なんやギースもおるやないか。珍しい事では無いけどな。よう会うし。大体同じ店で買いもんをするんやから、まあ、会うわな」
「ジョージでやすね。一緒に聞いて行くといいでやすよ。丁度旦那が副業に手を出そうとしている所なんでやす。成功するのかは運任せでやすが、知恵は多い方がいいんでやす」
「お? 副業するんか? 何の副業をするんや? というか、そんな時間があるんか? 従業員を雇うんか? 自分の所は人員は出せへんで? 戦闘職しか居らんし」
「今度、副業をしようとしているのは本当の事だ。内容は携行食を取り扱おうかと思っている。野営をするようなクランであれば、少なくとも2食は欲しいだろう? そう考えてな」
「携行食やったら、自分らも欲しいわ。戦闘中に何も食べんってのは厳しいんやで? この時期はまあ、ええけどな? 時間がかかる時もあるんや。食べられるものは欲しいって思うやろ」
「でやすな。携行食であれば、売り先は冒険者になりやす。あっしらも、物に因っては検討することになるでやす。正直な所、干し肉を食べるのはいいんでやすが、喉が乾くのが問題でやす」
「せやんな。干し肉を食べる時は、水を出す魔道具で洗うやろ? そんで食べるんやけど、水が無くなるのは当然の事やろ? 喉が乾くんや。水も飲まなあかん」
「それででやすな。旦那は何故に干し肉が高いのかを疑問に思っているみたいでやす。あっしらとしては、ある意味で常識的な事でやすが、そもそも、旦那の事を考えると、干し肉は知らないと言った方がいいんでやす。元貴族でやしたか?」
「ああ、そういやあ、そうやったな。魔法屋を始めるんは大体がそうやしな。それで干し肉が高い理由が解らんと。肉は安いやろ? なら原因は別のとこや。答えは塩やで」
「塩? 普通に使われているじゃないか。食事処でも塩を調味料にして食事を出しているぞ? それなのに、塩が原因なのか? そこまで値段が高いのか?」
「干し肉はどうしても作成に塩を使うんでやす。それも大量に。肉を硬く小さくするには、塩が必須なんでやす。その工程を変えることは出来ないんでやす」
「そうやな。食べるだけの塩なら、そないな金額はせえへん。大量に使うってのが問題なんや。この辺には、塩が取れるところが無いからな。結構遠くから運ばれてきてんで?」
「塩は生きるためには必須の物でやす。それは貴族側も解っているんでやす。出回る塩はある程度値引きをされているんでやす。その分、干し肉なんかで回収しているんでやす」
「そういう事か。普通の使う分には、貴族から補助が出ている分安いと。ただし、干し肉なんかは、冒険者くらいしか買わない。言うなれば、高くても買う奴はいる。そこで補填をすると」
「せやな。そんな訳で、干し肉はもの凄い高いもんやと思ってもらえればええんやで。かといって、生の肉を持っていくのもな。泊まらへんのやったらええけども、1日置くのも怖いで?」
「そういう事でやす。焼いた肉を持っていくのが一番やりやすいんでやす。あっしらのクランはそうしているでやす。ある程度腹が減ると、効率が落ちるんでやす」
「自分らの所は干し肉やわ。だから非戦闘職を入れろって言われるんがそこや。かといって、金にならへん非戦闘職を多く抱え込むのも馬鹿らしい。クランの方針が違うのも納得やろ?」
そういう事か。かなり色々と問題点がある様に思うが、要するに、塩が高いんだな。それでも、生活必需品である塩を平民に高値で売るのは、問題だと。
そこで、干し肉を作る塩にはある程度の値段を付けることで、冒険者から損益を回収してしまおうとしていると。平民には塩を安く、冒険者には高く売る。なるほどな。
貴族のやりそうな事だな。自分の懐は痛まないようにするやり方は、正にそのものだ。もしかしたら、利益まで出ている可能性すらあるな。干し肉は、それは沢山必要だろうから。
「旦那がどんな携行食を考えているのかは知らないでやすが、干し肉にはその位の価値がついてしまうんでやす。食べない者でも大銅貨2枚は食べるでやす。食べるものは、もっとでやすね」
「自分は大銅貨2枚も食べへんわ。1食大銅貨1枚が限界やな。それに水がもの凄う欲しい。水もようけ持っていくからなあ。水はどうしても減らせへんからな」
「私が考えている携行食は水を使う携行食だな。喉の渇きを潤すと同時に、なるべく腹も満たしてしまおうというのが本質だ。塩は、どうするか。多少、入れるか?」
売れるのかどうかは、解らないな。干し肉の事を考えると、売れる可能性は高くなってきたが。1食大銅貨1枚でも売れるんじゃないか? そういう気がしている。
大きな副業になれば良いな。段々と大きくなっていくが、仕方がないだろう? こうなるとは思っていなかったんだ。たかが携行食、そう思っていたんだから。




