330話 10/12 マジックバッグを説明する
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さて、何処から説明すれば良いのか。思っていることを素直に言えば良いだけなんだろうが、それが難しい。容量が沢山のカバンってなんだよって話になってくるだろうからな。
いや、この際、カバンって形には拘らないんだけどさ。風呂敷じゃ無理があるだろう? 入れ物ぐらいが妥当だと思うんだけど、とりあえず、話をしてみることにする。
「とりあえず、まずは、そのカバンの有無を確かめたいんだが、無いんだろう? アリソンの言い分が正しければという事になるんだが、オグマは知らないか?」
「……聞いたことが無いな。荷物を持つのは、普通の事だし。それに、その不思議なカバンについては、疑問点が多く残る。まず、100倍も入れたら、重くて持てないだろう?」
「重量か。それも不思議なカバン。マジックバッグと呼称してもいいか? それについては、問題無い事になっている。そもそも、内容物の重さを感じないのがマジックバッグだからだ」
「言っている意味が解らんな。容量が見た目以上にあって、さらに重さも感じない。そんなものが有ったら、冒険者はもっと楽が出来ているだろうな」
「そうだよ。そんなものがあれば、その、マジックバッグだっけ? それがあれば、あの荷車の行列が無かったことになるんだよ。そんな訳が無いじゃない」
「まあ、結論としては、無いという事で良いんだな。実はだな。魔法で似たような物を作ろうと考察をしたことがあるんだが、没になったんだよ。理由は単純。そんなものは出来ないからだ」
「出来ないんじゃない! そんな都合の良い魔法がある訳が無いんだよ。あったら絶対に使われているもの。荷物の管理が出来るのであれば、出来ることは色々とあるんだよ?」
「まあ待て。ガブリエルは魔法では出来ないと言ったんだ。魔道具なら、出来るんじゃないかと思ったって事だろう? 違うか?」
「そういう事だ。魔法では無理だった。何をどう頑張っても、ゴミ箱にしかならないと結論がついてしまったんだ。理由は、そんなに難しい事じゃない。魔法は同じ魔法を作れないからだ」
「魔法は、そうだね。同じ魔法って言うか、同じ詠唱文だったり、威力だったり、範囲だったり。全てが違う物になってしまうって魔法屋からも聞いてるよ」
「魔法の事は、さっぱりと解らんが、魔法屋であるガブリエルがいうんだったら、本当の事なんだろうな。同じ魔法が作れないのが、どうやって影響してくるのかが解らんところだが」
「それに、ゴミ箱って何さ? ゴミ箱だったら出来るという事なの? 言いたいことは、沢山入るゴミ箱は出来るって事だよね? でもそれじゃあ、マジックバッグも出来るんじゃないの?」
「ゴミ箱とマジックバッグの違いは簡単だ。基本的には、ゴミ箱は動かさない。マジックバッグは持ち歩く。そして、ゴミ箱は、捨てたら2度と拾わないという事だ」
「つまりは、入れることが出来るが、取り出すことは不可能。さらに持ち運びが出来ないものであれば、作れる可能性があるだろうと踏んでいる訳か」
「その通りだ。さらに言うと、魔法は効果時間が短いんだ。良くても5時間が限度だ。持ち運べたとしても、5時間程度では意味がない。魔法で作った場合はそうなるはずだ」
「……5時間しか使えない、か。確かに短いだろう。しかも、1度捨てたら拾う事は出来ない。それでも、何かの需要はありそうだがな。まあ、それはさておき、マジックバッグの方はどうなんだ?」
「マジックバッグは、持ち運びが出来て、重さを感じない。取り出すことも出来るという代物になるな。私が作ろうと思った魔法はそんな感じだ」
「無理じゃない? 魔法の作り方を知らない私でも、無理だって事が解るくらいには無理だって。確かに、マジックバッグがあれば便利だろうけど、流石に、無いんじゃない?」
「そうだな。無茶だろう。魔法でならな。魔道具はどうなのかは、良く解っていないんだ。だから、聞いている。無いみたいだが、作れるのかどうかだな」
「理想は解った。だが、理屈的には、無理だろうと予想が出来る。物を小さくすれば良いのかとも思ったが、重さはどうにもならないし。一番の問題点は、取り出せるのかって事になる」
「まあ、そうなるよな。そこでだ。マジックバッグの取り入れ口を原点にして、異空間と繋げられないかってのが、私の案になる。それだったら、何とかならないか?」
「いくうかん? 初めて聞く言葉だが、どういう理屈だ? 理想は駄目だ。理屈を語れ。魔道具の作成は理屈が全てだ。理想で作れる奴も居るんだろうが、俺は理屈派だ」
「まず、この空間、この世界は、縦、横、高さで全てが決まると言っても過言ではない。それは解ってくれるのかどうかだな。ここを原点とした場合に、全てのものは、座標で管理出来る」
「……理屈上は出来るだろうな。それ以外に決めることが出来るかと言われたら、解らんと答えるしかないんだが、3方向が解れば、その地点が解るというのは、解る」
「それでだ。これに4方向目を付け加える。4方向目は、時間だ。時間を4つ目とする。そして、5方向目を付け加える。それが並行世界と仮定してもいい」
異世界とか異空間とか、そういうのを理解させるのは、無理がある。ある程度は、想像の範囲になってしまう。それは仕方が無いとは思っている。私もあくまでも想像の範囲内でしか、動けない。
異世界の存在なんて、確定出来ていないんだもの。解る訳がないじゃない。それを説明しないといけないんだから、難易度が高すぎる。マジックバッグがあれば、便利なんだがな。
とにかく、理屈ではこうだというのを説明しないといけない。仮定に仮定を重ねる事にはなってしまうんだが、これには、了承をしていただかないと、無理なんだよ。




