321話 10/12 ニコラス来店
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朝飯を食べてきて、魔法を店頭に並べて、開店。ここまでがルーティーン。魔法が売れてくれることを願っての事なんだが、売り切れが目前に迫ってきている。
メインになる魔法が、5,60しかなくなっているからな。良いことではある。土属性の魔法と雷属性の魔法を除くとだけどな。後、水属性もか。これらは、基本的に売れないからな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「ああ、また来てしまったな。それ程には良い魔法だったという事だろうと思ってくれればいい。実際に使ってみた結果は、良かったからな。それも、異常なほどな」
「異常か。まあ、異常と言われても仕方がない感じだけどな。特に雷属性の魔法はそうだろうな。売りにしている魔法だけあって、素晴らしい効果が見込まれると自負している」
「そうだな。あの雷属性の魔法は、異常だ。何をどうしたら、あんな効果が現れるのかが気になるところではある。狩りにくいウルフがああも容易く狩れるとは、思っても居なかったからな」
「ああ、ウルフ相手に使ったのか。それは、まあ、良い感じの選択だとは思うぞ。動きが単調な方ではないと記憶しているからな。ワイルドボアやゴブリンは単調だという見解だな」
「単調か。確かにその通りだ。特にワイルドボアだな。あれは突進するだけの魔物だからな」
「それに対しても、効果は絶大な訳なんだが、ウルフには、また違った効果が見込めるだろうな。連携を取らせないことに意味があるとでも言った方が良いか?」
「だろう。連携を取るためにも数がいる。その数を大幅に減らせるのだから、大した魔法だった。数が制限されれば、群れとしては弱くなるからな。確実に減らせるというのは大きい」
そうだろうそうだろう。麻痺魔法の有用性に気が付いてくれて、大変有難い限りである。自信作だからな。もっと褒めてくれても良いんだぞ? 値引きはしないけどな。
ウルフは、作った魔法でもそうだが、群れで狩りをする。群れが一気に減らされれば、対応に追われるんだよな。再編成に時間がかかるとでも言えばいいのか? 魔物なんだけどな。
組織的な動きをするのが、ウルフの長所であり、短所でもある。大きく崩されると、組織的な動きが出来なくなってしまうんだよ。それは、人間の軍隊でも変わらないけどな。
「それにだ。全弾命中するというのもおかしい。空撃ちなんてものも無いからな。追尾する機能が、思ったよりも高くて驚いている。普通は、あそこまで追尾するものでは無いんだがな」
「私の店の魔法は、追尾機能は、殆ど標準装備といっても過言ではない。状況に合わせて、使ってもらう事にはなるだろうが、基本的には、追尾機能はついている」
「普通は、追尾機能なんてものは、特殊な魔法にしか付いていないんだがな。他の魔法屋の状況をどの位理解しているのか知らないが、追尾する魔法なんて、一握りだ。それも、正確ではない」
「追尾しない魔法程、使いにくいものはないと思うんだけどな。追尾してなんぼだと思っている。そりゃあ、その分数も絞られるんだが、追尾した方が効率は良いだろう?」
「それは、そうなんだが、作り方を知らない以上、口を出すわけにもいかないだろう? 現に口に出して、怒られたこともあるからな。作り手の事も考えろと。使い手には関係ないのにな」
「確かに、自由度の低い作り方をしている所で、それを言うのは、酷な話だろうな。彼らは、基本的には、代々受け継がれてきた魔法しか作れないからな。魔法を作るというのは、そういう事だ」
「ふむ。それだけ特殊な事をしていると、いう判断も出来るんだが、それは、研究不足であるとも言えるのではないか? ある程度、熟知してくれば、作り方を変えるという方法も取れるはずだ」
「それがそうもいかないんだよな。作り方には、派閥があるんだが、その派閥次第では、作り方を変えることが出来ない派閥もある。変に変えると、属性から何からが変わってしまうからな」
「むぅ。そこまで難解な作り方をしているのか。何度か魔法を作れたらとは考えたことがあるが、普通の魔法使いには、作れないと判断しても良いのか?」
「いや? 作り方さえ解ってしまえば、魔法使いであれば、誰だって作れる代物ではあるんだよ。単純に作り方を公開していないだけだ。公開したら、魔法が売れなくなってしまうからな」
「……それもそうか。魔法が売れないと、困るのは、魔法屋だからな。早々に話そうとはしないだろうというのは、解っていることではあるんだが。出来の悪い魔法を使うのもな」
「出来の悪いねえ。伝統的な作り方をしているのであれば、出来が悪くなるのも当然ではあるんだよな。新しい魔法の方が色々と進化しているだろうし。で? 弟子の魔法はどうだったんだ?」
「弟子の魔法か。あれは、別の意味で良かったな。書いてある事以上の数や威力を確認している。弟子の魔法が一番合っていたという事になるんだろうな。収穫ではあったな」
「お? そうなのか。それは良かった。是非とも弟子の魔法を買っていってやってくれ。私の魔法は、残っていてくれた方が、都合が良いんだ。まあ、弟子の魔法は少ないんだけどな」
「少ないのは、魔力量に因るものだろう? 魔法を作るのにも、魔力が必要だという事は、解っているからな。魔力量が少ないのであれば、仕方がないだろう。これ以上は、増えないんだからな」
「そうなんだよな。増やせる方法があれば良いんだが。そんな話は聞かないし、そもそも、そんな研究をしているという話も聞いたことがない」
「まあ、それも仕方が無い事だとは思うがね。魔力量を増やす方法が見つかっていれば、誰もがそうしているという感じだろう。特に貴族たちが金目を付けずに投資しているはずだ」
「当然だな。貴族が黙っているわけがない。戦争は、魔力が多い方が勝つといっても過言ではないからな。魔法兵の数が、戦争の結果を変えることになるだろうからな。歩兵では相手にもならないな」
戦争に関しては、魔法兵の数で勝敗が決まるんだよ。上級魔法がどの位の威力があるのかと言われたら、町を消し飛ばすくらいの威力があると思ってくれればいい。この都市だと、4発はいるか?
それくらいの規模の話なんだよ。かなりおかしい事だとは思うけどな。そんなのが、3000人も居るんだよ。まず負けないとは思うんだけどな。相殺されると、かなり厳しいことになるんだけど。




