318話 10/11 31人目の客
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大分、魔法が減って来たんじゃないか? 良い傾向だな。この調子で、どんどんと売っていきたい。売り切れを目指していくんだよ。それを目標に行こう。
難しい目標ではあるけどな。どうやっても、土属性の魔法と雷属性の魔法が残ってしまうんだ。これは、仕方が無い事ではあるんだけどさ。
これが出ていくのは、どの位時間がかかるのか。ゆっくりで良いけどな。それ以外は、何とか売り切れまで行きたいところなんだ。売り切れてくれると、大変有難い。
売り切れ常連になれれば、色々と捗るんだけどな。金銭的な意味で。寄付とか色々と出来るようになるからな。教会は、2つか3つくらいに絞るのが吉だと思うんだよ。
教会は、幾つもある。これだけ大きな都市なんだから、不思議な事では無いとは思うが、至る所に教会があると言ってもいいのでは無かろうか。知っているだけでも、この都市で、教会は36ある。
大きな教会でそれだからな。小さい、それこそ、祈るだけの教会も含めると、どの位あるのかは、知らない。そんなものを数えたことは無い。そこまで、暇じゃないからな。
36というのは、子供を教育している教会だけの数字だ。その内、大雑把に見て、東側には、18の教会がある。北東には、9の教会があるんだよ。そこに寄付をしている。
2,3に絞っているけどな。そうしないと、金が幾らあっても足りないからな。他の魔法屋がどうしているのかは、知らないが、全体の金額で決めているわけでは無いとは思うんだよ。
全体の金額を把握するのは、難しいとは思う訳だ。だから、数打つよりも、近場の教会、それと、少し離れている教会に絞って寄付をした。それが、一番始めの事だ。
次に寄付をする候補も、その辺になる。同じところから寄付をされた方が良いだろうからな。順番的には、大分後回しになるだろうが、それでも、ばら撒くよりは、効果的だと思っている。
出来れば、専属になってくれる教会があると良いんだけどな。そんなうまい話は無いだろうがね。出来ないことは無いとは思うんだ。魔法屋よりも教会の方が多いんだから。
そう。忘れているかもしれないが、教会は36と言ったよな? 魔法屋は32だ。魔法屋の方が少ない。だから、教会を専属に出来れば、大きなアドバンテージがあるんだけど、どうだろうか。
教会に魔力持ちがどれだけ入るのかは知らないが、魔法屋以外にも色々と就職先があるんだろうと思う。魔力を使う仕事先は、魔法屋だけではないはずだからな。詳しくは知らないけどさ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「ふーん。ここが魔法屋ねえ。西側以外でこんな所にあるなんてね。もしかして、見落としているだけで、他にもあるのかな。商業ギルドで訪ねてみるか?」
商業ギルドで? ……そう言えば、登録はしていたな。盲点だった。私も魔法屋の数を調べたのは、商業ギルドだったじゃないか。でも、魔法使いが、商業ギルドに行くのか?
行かないよな。目的が無ければ。効果的な宣伝が出来るかもしれないと思ったが、無理そうだな。魔法屋を商業ギルドで調べる魔法使いがどの位居るのか。余りいないと思われる。
「あれ? 見れないじゃん。店主さん。これじゃあ駄目だよ。僕だって、こんな状態じゃ買えないよ。これは解いても良いものなんだよね?」
「ん? ああ、解いて中を見てくれ。そうしないと、魔法が何か解らないだろうからな。それは、弟子の魔法と区別をするために括っているだけだ。見終わったら、また括っておいてくれ」
「そういう事。弟子の魔法は、……これ1つだけ? 弟子の方が売れてるじゃん。もしかして、店主さんの魔力の色って変な色をしているのか? これだけ差があるんだよ?」
「違う違う。変な色をしているのは、否定はしないが、弟子の方には、魔力量の関係があってな。まあ、気になるとは思うが、言ってやらんでくれ。これでも気にしているんだ」
「そっちか。まあ、新しい店みたいだし、それも仕方がないのかな? どうしてもそうなってしまうだろうしね。他の魔法屋は要らないって判断をしたって事なんだね」
「そういう事だが、言ってやるなよ。私の店に来てくれたんだから。それと、名前とクラン名を教えてくれると助かる。それと、メインの狩場も頼む」
「名前? 僕はグレン。クランは守人の箱舟だよ。大きさはそこそこなんじゃない? 平均よりは多いとは思うよ。狩場は平原だね。東側だし、まあ、その辺はね?」
うーん。若いのは解るんだけど、こう、言いにくい事もズバッと来るタイプなのかな。悪気が無さそうだから、天然なんだろうけど、クライヴ君は、ちょっと落ち込んでいる。
悪い人では無いとは思うんだけどな。はっきりと言ってしまう癖があるのかね。察することを苦手としているんだろうか。まあ、私からは、そんな事は、言わないけどさ。
「そうか。平原で狩りをしているのであれば、この魔法がおススメだな。この店の売りになる魔法なんだ。試してみてくれると嬉しいな」
「売りになる魔法なんてあるんだ。珍しいね。普通の魔法屋ってそんな魔法は無いからさ。この店は珍しいんじゃない? 読んでみた感じ、形も変だし、色々と変わっているね」
「まあな。他の店と同じだと、それはそれでつまらないとは思うけどな。面白さを求めているわけでは無いんだが、この店だけってのは求めているかな」
「ふーん。分野を開拓して、そこで一番になろうって感じかな? それなら納得できるし、一番ってのが良いよね。何事も、二番よりは、一番の方が良いってものだし」
「そうともいうかな。似たような魔法は無いとは思うぞ。この店だけの魔法だと思ってくれればいい。使って確かめてくれると嬉しいな。そして、何度も通ってくれれば、なお嬉しい」
「それは、魔法次第かな。ちょっと変わった効果をしている魔法だからね。使ってみないと解らないかなあ。自信はあるみたいだけど、雷属性だし、ちょっと微妙に見えるけどね」
「騙されたと思って使ってみてくれ。魔物への効果は保証しよう。人間には試したことが無いから、解らないが、恐らく人間相手にも効果はあるはずだ」
「人間に使うなんてよっぽどだよ! 普通は使わないって。まあ、良いけど。弟子の魔法は、形はおかしいけど、風属性だし、こっちも使ってみるかな。この2つね」
「ああ、クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨2枚です。……丁度いただきました」
「毎度どうも。またどうぞ」
行ったか。まあ、口から言わないで良いことまで、行ってしまう質なんだろうな。そういう人も居ることは居るんだよ。悪い人では無いとは思うけどな。
まあ、クライヴ君もそこまで落ち込むことじゃない。魔力量に関しては、どうしようも無い事なんだから。それは解って雇用をしているんだから、気にするな。難しいかもしれないけどな。




