304話 10/9 アネット来店
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魔法使いの引退問題か。歩けなくなったら、それは引退してもおかしくはないよな。何時までも健脚で居られるわけが無いんだから。ガタはどうしてもやってくる。
魔法屋は、何時が引退の時期なんだろうか。手が震えてきたら引退だろうが、それまでにボケが始まってくるよな。ボケたら終わりだと思うんだが、どうだろうか。
そもそも、平均寿命が長くはないと言っても、40くらいだしな。これは、子供が早く死に過ぎるからってのもある。60歳くらいまでは、生きられるだろうさ。
それ以降は、運が絡む。食べ物的には、余裕があるから、餓死する事は、まず無いと思うんだが、衰弱死は避けられない。どの位が寿命なのかは、見当が付かないな。
貴族は、長生きなんだけどな。腐肉病が出てくるくらいには、生きられるんだよ。あれも、潜伏期間が長いだけで、誰でも発症するとは思うんだけどな。病気には詳しくないから、一概には言えないけども。多分、そういう病気なんじゃないかなって思っている。
まあ、腐肉病が出たら、まず死ぬんだし。貴族くらいなものだろう? 特効薬を使ってまで治そうとするのは。平民では買えない訳じゃないが、そこまでして生きたいかってのがあるんだよな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「こんにちはー。また来ましたよー。魔法を見せて貰いますねー」
「ああ、確か、アネットだったな。魔法の具合はどうだった? 何か特殊な事が起きたりしなかったか?」
「特殊な事はー、起こっていませんねえー。お弟子さんの魔法はー、うちには合わなかったですけどー、店主さんの魔法はー、使えましたよー?」
「そうか。まあ、それは、一先ず良しとするか。確か、雷属性の魔法を買っていっただろう? 使い勝手はどうだった? 使えたはずなんだが」
「そうですねー。使えましたよー。レッドベアにもー、効果がありましたしー。あれって一体何なんですかー? 雷属性の魔法の筈ですよねー? 効いたのが不思議なんですけどー?」
「そういう効果の魔法だからな。威力や属性で判断する魔法じゃないという事なんだよ。効果が特殊な魔法なんだ。だから、レッドベア相手でも効くんだよ。そういう効果なんだ」
「解りませんねー。効果が特殊ってのはー、なんとなく解りましたけどー。だからってー、あんなに効果があるなんてー、思ってもみませんでしたー。普通の魔法よりもー、数段上の効果があったんですよー。もう何が何やらですよー。どうなっているんでしょうねー?」
「そういう魔法だからな。まあ、数は少ないが、用意はしてあるからな。買っていってくれると助かる。因みにゴブリンにもアントにも効果があることは確認されている」
「それも意味が解らないですねー。色々と常識がー、崩れ落ちるんですけどー」
「まあ、ゴブリンやアントには、勿体ない気がするけどな。レッドベアに使った方がお得ではあるだろう。その辺は好みの問題になってくるわけなんだが」
「使えるのであればー、なんだって良いってー、いう訳ではないですからねー。時とー、場所とー、場面をー、考えないといけない訳なんですよー」
「だろうな。魔法とはそういうものだと思うし、色々と考えないといけないだろうとは思う。この雷属性の魔法も欠点が無いわけではないしな。ゴーレムには使えないし」
「ゴーレムはー、森では出ませんからー、制約が無いのと一緒ですけどねー」
まあ、そうだな。麻痺魔法が使えない訳ではない。ゴーレムがいないんだから、使えるだろう。レッドフレイムベアにも効果はあるとは思うが、それは、まだ実験をしていないからな。
そもそもの話。生物には、なんとなくでいける様な気がしている麻痺魔法なんだが、本当の所は、どうなんだろうな。魔物も生物であるから、いけているんだとは思うんだけど。
それにしても、クライヴ君の魔法は合わなかったか。合えば嬉しい所ではあったんだが。特殊な事も起きなかったみたいだし、普通に使えただけなんだろうな。
クライヴ君の魔法は、ある程度、仕方が無い事ではあるんだけどな。私の魔法が特殊過ぎるだけなんだよ。だから、そう落ち込まなくても大丈夫だからな。
昨日居なかったのが残念でならないんだよな。昨日は良かったんだよ。クライヴ君の魔法にジャストフィットした人が居たんだからな。何で昨日に来たのか。クライヴ君の運命力の所為か?
自分の魔力と合った人と、何かしらの相乗効果が出た人が昨日に来たからな。クライヴ君の運命力は、低いのかもしれない。魔力も多い訳じゃないからな。仕方がない所ではあるんだが。
「それじゃあー、今回はー、少しだけ多めに買っていきましょうかねー。使い勝手もまだまだみたいですしー、雷属性以外の魔法もー、使ってみたいですからねー」
「そうか。それは有難いな。正直な所、こっちの方面には、森に行くクランが少なくて、水属性の魔法が余っているんだよ。方面的な事を考えると、不思議な事でも何でも無いんだけどな」
「まあー、それもそうでしょうねー。普通は西で揃えますからねー。西だと大体揃いますしー。それでも、水属性の魔法ってー、足りないんですけどねー」
「そうか。まあ、沢山買っていっても怒らんからな。是非に買って行ってくれ。全部と言われても困らんからな。また作ればいいだけの事だからな」
「流石にそこまでは要らないですねー。これだけで十分ですー。うちの魔力的にもー、これくらいが限界なんですよねー」
「そうか。それならば、仕方がないな。クライブ君、会計だ」
「はい。中銀貨6枚になります。……丁度いただきました」
「毎度どうも。またどうぞ」
「はいー。また来ますねー」
行ったか。だからクライヴ君は、露骨に肩を下げるんじゃない。昨日は良かったんだから、自信を持っても良いんだぞ? 昨日の事はちゃんと伝えただろう?
合う合わないは、仕方が無い事なんだよ。どうしても、合わない人には、魔法は買われない。そういう事になっているんだから、しょうがないだろう?
まあ、自分の魔法を褒められたタイミングで居なかったのは、残念かもしれないが、残念に思わなくても、今後はまた機会があるさ。その時には、買い物に行っていないと思うぞ。……多分な。




