298話 10/8 タイラー来店
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魔法陣魔法の有用性を考えると、色々とある気がするが、特出すべきところは、射程なんだよ。普通の魔法とは違うところが多いが、これが一番の特徴と言って良い。
顕著なのが、ウルフの魔法だ。あれは、見えない所からでも使えてしまうからな。追尾能力がもの凄く高い上に、遠くまで届いてしまう。これは確かに、普通ではあり得ない事なんだよ。
形だけ変えればいいのかと言われると、解らない所があるんだが、魔法陣魔法は、魔物の特性を色濃く出してしまう。その結果、魔法が魔物の様な動きをしてしまうんだよ。
デニスが使ったのは、恐らくは、麻痺魔法の筈だ。あれも射程が大分おかしいからな。なんて言っても、ノイジーバードは空を飛ぶからな。空を飛ぶ魔物は、視力が良いと思っているんだよ。
前世でもそうだったが、猛禽類なんかは、上空から地上の動物を狩る事が出来るほどには、視力が良いはずだ。具体的にどの位良いのかは知らないが、間違いなく、人間よりは良いだろうと思う。
ノイジーバードが猛禽類なのかについては、置いておくとして、要は、もの凄く視力が良い筈なんだよ。特に上空に居ることから、より遠くの魔物を発見できる。
人間の目では、どうしても、ある程度の距離までしか見えない。地球だと丸かったからな。球状になっている惑星では、見える範囲が決まっている。
具体的に何キロを見渡せるのかは、よくわからないが、数キロが限界だったような気がする。この世界も、多分だが、丸いんだろう。そう思っているんだが、どうだろうか。
確認する方法を知らないから、何とも言えないんだけどな。恐らくは、丸いはずだ。平面世界なんて、不思議な事にはなっていないはずなんだよ。多分だが。
重力魔法が出来たんだから、丸くて不思議はないはずなんだよ。まあ、あれも、解析待ちなんだが、早々には、難しいのだろうな。暫くは時間がかかるのだろう。
それはともかく、射程だ。普通の魔法よりも長い射程は、もの凄く活かせると思う訳なんだよ。どの位便利なのかは、使ってみない事には、解らないんだが。
流石に、魔法屋を放っておいて、狩りに出かけるというのは出来ない。というかだな。魔物と対峙するという事がまず駄目だろうな。そこまでの勇気が私にはない。
皆に使ってもらって、色々と研究をするしかないのだよ。射程がおかしいことは解っているんだ。ウルフの魔法が出来た当初から、確かにおかしかったんだよ。
魔法兵の標準魔法が、魔法陣魔法になってくれれば、スラムも危険な目に合わなくても済む気がするが、それは、上が考えることだからな。利権も絡んでくるだろう。
射程だけで考えれば、優秀なんだがな。威力もそれなりにあるし、便利な魔法だろうとは思っている。便利に使ってくれれば良いんだよ。そういう魔法なんだからな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「おうよ。来たぜ。今日もレッドベアの魔法を買いに来たぜ。やっぱり威力がないと魔法とは言えないからな。ここの魔法が威力では一番だぜ」
「そうか。それは何よりだ。威力が一番高いのがレッドベアの魔法だからな。それを買っていてくれるのは助かる。そうだ、また火属性でもレッドベアの魔法を作ってあるから、そっちも買っていってくれると助かるな。相性的には、火属性が一番良い筈なんだよ」
「ウルフも相手にしないといけないからな。火属性があるのは嬉しいぜ。それなりの威力じゃあ物足りないからな。魔法は、威力がないと無意味だからな」
相変わらずだな、タイラーは。威力も大事だが、他にも色々とあるとは思うんだけどな。まあ、彼の言っていることは、間違いではない。威力がない魔法は、必要ないからな。
何せ、足止めにもならない魔法を使っても、意味がない。少なくとも、足を止めるだけの威力がないと、魔法を使う意味がない。足さえ止まれば、それ以上の威力は要らないとも言えるんだがね。
倒してしまっても、問題は無いんだろう? っていうのが、レッドベアの魔法だからな。色々と犠牲にして、威力に特化した魔法がそれだからな。射程も、そこそこだと思うぞ? 他の魔法に比べたら、短いってだけで、普通の魔法よりは、長いんだろうが。
それにしても、タイラーは、レッドベアの魔法しか買っていかないな。別に良いんだけどな。特定の魔法を使いたいって要望があっても良いとは思うんだよ。こちらとしても、用意は出来るし。
かといって、他の客がレッドベアの魔法を求めているのかと言われると、解らないんだけどな。買っていくものに、混じっている事はあっても、タイラーの様に特定の魔法を買うって事が少ないんだよ。
どの魔法でも、ある程度は戦えるとは思うんだけどな。威力も別に低いわけじゃないんだけど、まあ、それは好きにしてもらえればいいからな。こちらが何かをいうつもりは無い。
「良し。今回はこれだけ買っていくぜ。これだけあれば、やれるだろう。また活躍してしまうな」
「6個か。それなら中銀貨6枚だな。……確かに」
「じゃあまた来るぜ。用意しておいてくれよな」
行ったか。まあ、レッドベアの魔法を好んで買うのは、タイラーだけだからな。基本的には、余っているはずなんだよ。タイラーには言わないけどな。
威力は高い方が良い。それはその通りだ。高すぎるのも、どうかとは思うんだけどな。それは個人の好みだからな。何も言いようがない。売れるのであれば、作っておくさ。




