297話 10/8 デニス来店
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朝飯から帰ってきて、魔法を並べ終えた所で開店した。これもいつも通りだ。いつもはクライヴ君も居るんだが、今は買い物に出かけているしな。昼過ぎまでは帰って来ないだろう。
だから、魔法の準備もしてあげないといけないと思ったんだが、既に魔法は準備してあった。魔水の中には何も残っていなかったからな。準備完了という訳だ。
そんな訳で、店を開けた。まあ、当分の間は来ないんだけどな。そうなんだよな。この店は、急いでくる店では無いんだよ。急がなくても魔法は残っているんだ。
だって、お客が少ないから。お客が多いと、それに忙殺されるとは思うんだけど、そんなことは無い。お客は、疎らだ。大挙して押し寄せるとか、そういう事はあり得ない。
客の数は、どんなに頑張っても30も居ない。その全員が来ることなんて、殆どあり得ないからな。スケジュールはズレているし、一度に来られても、困るのはこっちだ。
魔法が足りない可能性があるからな。30人程度で魔法が無くなるのかについてだが、荷車で買いに来る客も居るんだ。足りない可能性はある。
主にスーザンとドロシーだな。特にスーザンは大きなクランに所属しているために、大量に買っていく。それこそ小金貨で買い物をするタイプなんだよ。
それに比べると、ドロシーは、まだ大人しい。それでも50程買っていくからな。沢山買ってくれるのは、本当に有難い。魔法は毎日作っているからな。足りなくなる可能性もあるんだよ。
あくまでも、可能性の話だがね。足りなくなることなんて、そうそう無いから、心配しなくても大丈夫だ。売り切れが心配になるくらいまで、人が来てくれると嬉しいんだがな。
まあ、そんな訳もなく。日々、魔法は溜まっていくばかりだ。しかし、作らない訳にもいかない。作り続けなければ、本当に足りなくなってしまうからな。残りも考えて作らないといけない。
今で凡そだが、風属性が60、火属性が30,水属性が50,土属性が70,氷属性が30,雷属性が100,麻痺魔法が30となっている。それプラス、クライヴ君の魔法が数個だ。
在庫が出来てきたと思うだろう? そう思っていると、スーザンがやってきて、根こそぎ持っていくからな。小金貨は感謝しております。そこまでの売り上げは、普通は期待できないからな。
やはりというか、土属性は余る傾向にあるんだよな。使い手自体が少ないというのもあるんだが、結構余っている。が、減ってはいるんだよ。これでもな。
1日に1つは作っているからな。現在、私の店を利用している客で、沼地を主な狩場としているのは、3人だけだ。カレンさんと、ケイト、そしてデボラだな。この3人だけなんだよ。まだまだ在庫としては残っているし、これ以上は作らなくても大丈夫だと思われる。
解らんけどね。今後、増えていくかもしれないし。順調に増えているのは、平原を狩場としている人たちだ。東側だから、どうしてもそうなるのは、仕方が無い事ではあるんだが。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「店主か。ここの魔法を使ってみたぞ。見極めるのには苦労したがな。何とも言い難い魔法であった。2度目は確実だと思わせてくれる魔法ではあったんだが、如何せん形容しがたい」
「まあ、他の魔法に慣れていると、そうなってしまうだろうな。色々と違う点が多すぎるからな。何がというのは、難しいかもしれないが、とにかく、普通の魔法屋とは違うんだよ」
「そうだな。まさしくその通りだった。弟子の魔法は、それ程でも無かった関係上、相性が悪かったのだろうと結論を付けたのだが、それにしても、色々とおかしい。まずは形だな」
「だろうな。まずは皆そこで何だこれはと思ってくれるからな。形が特殊なのは、魔法の作り方の所為なんだよ。それが原因だ。他の魔法屋の作り方とは違う作り方をしているんだよ」
「形がおかしいと色々と想定が狂ってしまう。特にあの追尾能力の高さだ。あれが凄まじい。あれは、形由来のものだと確信しているんだが、どうなんだ?」
「追尾能力は恐らく形由来のものだろう。詳しいことまでは調べられていないが、恐らくは、そのはずだ。他の魔物の形になると、追尾の能力が弱くなるものもあるからな」
「そうだろう。威力は申し分ない。あれだけの威力があるのであれば、強いとも言える。言えるが、おかしいのは、雷属性で何故にあそこまでの威力が出るのかなのだ」
「あれは、威力では無いんだよ。読んでもらったら、解るとは思ったんだが、あれは、効果が前面に出ている魔法なんだ。効果で敵を倒しているのであって、威力は、さほどでも無いんだよ」
「読んだが、今一つ解っていなかったんだ。まさか効果が、あれ程まで強い魔法があるとは思わなかったぞ。威力を指標とするのは間違っているのか?」
「いや、間違っていない。あの魔法が特殊なだけだ。その証拠に、他の属性の魔法は普通に威力で考えて貰ったらいいからな。それと、この山についても、普通の雷属性の魔法だ」
「それから、一番おかしいと思ったのは、射程だ。それが一番おかしかった。試し打ちをさせて貰う関係上、敵がもの凄く遠い位置で魔法を使わせてもらったんだ。それなのにも関わらず、追尾し、当たってしまう。これはどういう事なんだ?」
「射程か。おかしいと言われたのは、初めてだとは思うが、それは形から来るものだろうな。普通の魔法がどれだけの射程を持っているのかは、実際には知らないんだが、槍や矢や球は落ちるだろうからな。射程が短いと言われても、納得がいく」
「そういう事だ。見極めた結果、使うに値する魔法だと考えたわけだ。ただ、弟子の魔法については、合わなかったがな。故にまた幾つか買っていく」
「それは有難いな。出来れば沢山買っていってくれると助かる」
「そうしたい所だが、こっちも使える回数が決まっているからな。この4つをくれないか?」
「ああ、それなら中銀貨4枚だ。……確かに」
「また来よう。良い魔法だった」
行ったか。色々とおかしいと思う部分はあるだろうが、射程か。まあおかしいよな。特にウルフの魔法とかな。あれは色々とおかしいんだよ。予想を軽く上回っているからな。
しかし、常連になってくれそうで良かったよ。クライヴ君の魔法が合わなかったのは残念だが、こればかりは仕方が無い事だからな。合わないのはどうしようもない。
これからもちょくちょく来てくれると助かるな。今の所、リピート率は高いからな。新規の人が、どれだけリピートしてくれるのかにかかっている。期待はしている。




