292話 10/7 リアム来店
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新しい客が増えてくれるのであれば、歓迎する。どんどんと買いに来てくれ。売れれば売れるだけ良いんだよ。魔法屋をやっているんだから、魔法は売れてくれた方が良い。他の店に追いつくには、まだまだ時間がかかるだろうな。仕方が無い事ではあるんだけども。
さて、どうやって売り込んでいけばいいのか。チャンスは今なんだ。……無理だろうとは思うけどな。この通りを通ってくれる魔法使いが多い事を願うしかないか。
客は段々と増えて行っている。悪い事じゃない。もっと増えて欲しいとは思うが、それはそれで、望み過ぎだろうからな。現状で何とかしていかなければならない。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「また来ました、店主さん。見せて貰いますね」
「ああ、まだまだ魔法は沢山あるからな。是非に買っていってくれると助かる」
「そうですね。沢山ありますし、選んでも良いかなとは思うんですけど、前回買った雷属性の魔法はありますか? あれが使い勝手がよくてですね。また欲しいんですけど」
「それなら、この辺りの魔法がそうだな。後は、これだ。こっちは、クライヴ君が作った魔法になる。そっちも買っていってくれると嬉しい」
「そう言えば、お弟子さんも作るって言ってましたっけ。解りました。1つは買わせていただきます。合うかどうかは解りませんけど、使えるのであれば、買いましょう」
「そうしてやってくれると助かるな。出来れば、弟子の魔法を優先的に買ってくれると、助かるんだ。私の魔法は、数が多いが、残しておいてもらった方が良いんだ」
「? そうなんですか。解りました。まあ、合えばの話ですけどね。そっちを優先的に買えばいいんですよね。解りました」
リアムには、説明していなかったように思うからな。魔力の色の事を。別に秘密にするわけでもないが、聞かれていないのにも関わらず、言っても仕方が無いとは思うんだよ。
自慢したいわけではないからな。魔力の色なんて自慢にならないだろうと思うかもしれないが、なるから困るんだ。どんな魔法でも使えるというのは、利点でしかない。
そう言えば、クライヴ君に魔法を作る事を伝えたときに居たのも、リアムだったか。そういう事では、何かしらの縁があるのかもしれない。魔力の色が合ってくれると良いな。
クライヴ君が固定客を掴めれば、かなり大きい。殆ど作れないんだから、固定客を掴んでしまえば、確実に売れてくれるだろう。魔力の色は、赤色。それ程珍しい色ではないからな。
「それでだ、雷魔法を欲しているようだったが、どうだった? 何に使ったのかとか、色々と聞いても良いか? 平原の魔物相手には、使えるという事は解っているんだが、数が欲しい」
「そうですね。使い勝手が良かったと言ったように、良い魔法ではありました。ワイルドボアに使ったんですけど、当たれば、ほぼ確実に動きが止められるのが強いですね」
「そう言った魔法だからな。動きを止めることは可能だろう。と言うか、それしかできないと言ったところではあるんだがな。それ以上を求められても困るところなんだ」
「動きを止めるだけで十分ですよ。前衛が大分楽をさせて貰いましたからね。とはいっても、僕らのクランは、もの凄く小さなクランなので、止めを差していったのは、別のクランの人なんですけど」
「リアムのクランは小さいんだったか? その辺は聞いたような聞かなかったようなだな。忘れているという事は、聞いていないんだろうとは思うんだが」
「そうですね。クランについては、名前しか言っていなかったと思います。クランは小さいですよ。もの凄く小さいです。普通の狩りでも、組んだ方が良いくらいには、小さいですね」
「それはまた、珍しいな。そこまで小さい所には魔法使いが入ることは少ないと思っていたんだが、それでも入る切っ掛けがあったという事なんだな?」
「ええ、まあ。詳しくは言いませんけどね。色々と事情があったんですよ。それでも、今のクランには、大事にされていますし、変えるつもりは無いんですけどね」
「だが、クランが小さいと、やりづらいだろう? 合併の話とかは無いのか? 多少は違ってくるとは思うんだが。大手に吸収されろとは、言わないが、小さい所を吸収する話も無いのか?」
「話を持ってきてもらったことは、あるみたいですよ? 高圧的にって言った方が良いですけどね。高圧的に来られても、反発するだけなのに、何でもっとゆるりと来ないものかと思いましたよ」
「ああ、完全に下に見られているわけだな。それでも、自発的に吸収を進めていった方が良いんじゃないか? 流石に小さいと、身動きを取るのが、難しいだろう?」
「そうなんですよね。吸収の話も何度か持ちかけては居るみたいですけど、小さい所ほど、プライドが高くてですね。上手くいっていないみたいですよ」
「下手に吸収すると、乗っ取られる可能性があるのか。小規模クランのプライドは何とかならないものなのか、色々と聞いてみたこともあるんだが、あれはあれで、何ともならないみたいだな」
「そうなんですよね。どうしようもないというか、何でもっと協力的にならないものなのか、色々と聞いてみたいことはあるんですけどね。クランリーダーの仕事ですし、その辺は任せてます」
「でしゃばるのも、余りよろしくないか。かといって、このままでも不味いだろう? ある程度の大きさにしておかないと、狩りの時に辛すぎるからな」
「そうですね。何とも言えないですけど、今年中には、まとめたいって言っていますから、危機感は持っていると思いますよ。中々組む相手も良くないですしね」
「組んでいる相手も、そこまで良くないのか。それは前途多難だな。組んでいる所が良い所であるのならば、吸収してもらうのが一番良いとは思うんだが」
「そうですね。それでも、まだまだ良い所では無いでしょうね。よし、この6つを買っていきます」
「そうか。クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨6枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
「また来ますね」
行ったか。クランが小さいと、やれることが少ない。どうしても、大きくしていかないといけないんだけど、クランリーダー次第なのと、運だな。こればかりは、どうしようもない。
私としては、祈るしか出来ないな。合併の話が上手くいってくれると良いんだ。その方が、活動をし易くなって、魔法を買ってくれるだろうからな。思惑はあるんだよ。




