288話 10/6 24人目の客
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さて、良い感じの時間になって来たな。そろそろ人が来なくなってくる時間帯だ。買い物を終えて、帰り道にばったりといった感じで見つかるかな? って所だな。
そういう魔法使いは多いと思う。新しい客が来るのも、この時間帯だからな。知っていたら、この時間まで来ないというのは、珍しいんだ。沢山買い物をした後なら解らんでもないんだけど。
沢山買い物をする。そうすると、魔法が混ざるよな? 後で選別するんだろうけど、大変だよな。どうやって選別するのかは、解らないが、使い道に寄って決めるんだろうとは思う。
色々と苦労があるんだろうなあ。良く解らないことが多いけど、魔法使いにも苦労はある。というか、苦労は絶えない。魔法屋の数だけ魔法があるんだもんな。
それから、ある程度好みの魔法を選んでいかないといけないんだから、大変だよな。そして、好みの魔法だけを使っていればいいという訳にもいかないんだよな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「あら、こんな所にも魔法屋がありましたのね。寄り道してみるものですわ」
「ああ、こんな所にもあるんだ。知っている限りでは、東側では私の店だけだとは思うんだがね。それよりも、魔法を見て行ってくれ。出来自体は悪くないんだよ」
「そうですのね。不出来の魔法屋も無い事はありませんが、自分からいう事では無いでしょう? 魔法を判断するのは、使ってみてからですわね。まだ合うとも限りませんし」
「まあ、そうだな。それと名前と所属を教えてくれるか? お客の顔と名前は一致させておきたいんだ。次も来てくれた時に、初めての客だと思いたくないからな」
「良いですわよ。私はデボラ。所属クランは「灰の油火」ですわ。主に沼地で活動をしているクランですの。以後もお世話になるかもしれませんわね」
「沼地か。沼地だと、私の店の売りになる魔法は、使いづらいな。私の店の売りになる魔法は、雷属性の魔法なんだが、マッドフロッグには効果がある。が、マッドゴーレムには余り効果がない」
「それでは、土属性の魔法を買った方がマシですわね。どんな魔法なのかは知りませんが、代替えの手段としても、あら? 何故に紐で結んであるのですか?」
「ああ、それか。解いて中を見てくれても構わないぞ。弟子の魔法と私の魔法を区別するために括ってあるだけだからな。混ざらないようにしているだけの物だ」
「それで結んでありますのね。しかし、混ざりにくいという事は、良いことですが、見づらくなってしまいますわね。混ざるよりは良いのかもしれませんが」
「そうなんだよ。何かいい方法は無いか? 出来れば、見やすいままで識別が出来れば、一番いいんだが、中々そういったことを思い付かなくてな。困っている所なんだ」
「と言われましても、他の店も特に対策らしきものをしていませんからね。画期的な方法があれば、既に行われているでしょうし、自分で探すしか無いのでは?」
「それはそうなんだがね。いい案が思い付かないんだ。紐で括るのは、確かに解りやすいんだが、見にくくなるのも、その通りなんだよ。見やすくて、識別が出来てくれれば、一番良いんだが」
単純にアイディアの無さを嘆いているだけなんだけどな。そういったことに気が回らないのは、私の悪い所でもあるんだよ。それらを補ってくれる人が居なければいけないんだが。
そういった人物に心当たりはない。クライヴ君がなってくれても良いんだが、彼には彼の役割があるんだろうと思っている。何かは解らないが、今は、掃除担当だな。
後は、もう少し、お客と話をしてくれれば良いんだけどな。日常会話はある意味で必須だと思ってる。魔法を買う売るだけの関係だと勿体ないじゃないか。コミュニケーションは大事だ。
話に入り辛いというのもあるんだろうが、積極的に入って来てくれても良いんだがな。それは難しいか。共通の話題を探さないといけないんだが、魔法という共通の話題があるんだから、話せるだろう? 私的にはそう思うんだが。
「それで、土属性の魔法は何処にあるんですの? 魔法が沢山あるせいで解りにくいですわね」
「土属性の魔法なら、この辺りだな。土属性も買ってくれる人が居るから、作っては居るんだが、東側では、まずもって見つからないだろう? それなのに、よく東側まで来ているな」
「東側で土属性の魔法は、見ない事も無いんですわ。扱っている事が少ないので、無駄足になる事も多いですが、無い事は無いんですのよ?」
「そうなのか? まあ、私の店には殆ど常備してあるから、必要になったら来てくれ。恐らくだが、置いてある筈だ。1日に1つは作るからな」
「そうなのですね。確実に1つは手に入るというのは、良いことですね。魔法は、なるべく沢山持っていた方が良いですから。使える魔法であれば、なお有難いですわね」
「使えない魔法を売るつもりは無いから、安心してくれ。使える魔法だけを出しているつもりだ。使い勝手は確かめて貰わないといけないけどな」
「それは、こちらがやる事ですもの。解っておりますわ。それでは、こちらと、もう1つは、こちらを買っていこうかしら」
「クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨2枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
「気に入ったら、また来ますわ」
行ったか。沼地の客は、正直な所、有難い。土属性の魔法が余っているからな。まだまだ売れてくれても構わんのよ。どんどん売れて行ってくれ。在庫が沢山あるんだよな。
季節にも因るんだろうが、色々な魔法が売れてくれると助かる。そうしてくれないと、在庫が出ていかない。特に、雷属性の魔法は、このままだろうからな。12月までは、長いな。




