27話 9/11 洗濯物が溜まって来たんだが、買い物に行くぞ
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9月11日風曜日。そろそろ洗濯ものが溜まって来たんだが、洗濯をするのもな。何とかならんものか。やり方は解るにしろ、加減が解らない。そんな調子で良いのかという所なんだが。
幸いにして、まだまだ服は残っている。それまでに解決策を探ろうと思っているんだが、洗濯板でも開発するか? ありふれた知識チートと言う奴だ。前世の知識を持つ者の特権だな。……洗濯板がどのようなものなのかが解っていないのだがな。
解らんとチートのしようがない。物語では良く聞く話ではあるが、そんなものは知らん。よって、作りようも使いようも無い訳なんだ。どうしろと言うんだ。世の中の転生者は中々に博識の様だ。
私の前世はそこまで博識では無かった様だな。洗濯板も知らんのかとお叱りを受けそうな気もするが、見たことも使ったことも無いのだから仕方がないだろう。
そういうものは何処で知識を仕入れるんだ? 博物館にでも置いてあるのだろうか。博物館なんぞは学校の社会科見学で行ったきりの様な気がするな。そこにあったのだろうか。
随分と物語の主人公たちは記憶力がよく、色々と発明したものだな。そう言う物語を読んでいた身としては、それがあることは解るが、それが何なのかが解らん。歯痒いものだな。
さて、現実逃避をしに飯屋に行くとするか。今日も最低限のメニューだ。店主にお任せ料理だな。それが一番安いんだ。その日の仕入れで安かったものが使われているのだろう。
仕方がないさ。食事に金を掛けるのが馬鹿らしく思っているだけだ。食べられれば問題なかろうよ。腹が膨れれば問題なかろう。ともかくいつも通りの飯屋に行くとするか。
飯屋は冒険者ギルドの回りに何軒かあるんだよ。値段は何処も変わらんよ。店主の腕もそこまでの大差は無かったように感じる。自分の料理が有るのか無いのかの違いだろう。
繁盛はしているぞ。どの店もな。一番安いのはどの店でも店主のお任せ料理なのだがな。調べたことは無いが、恐らく出てくる料理も大差は無いんだろうさ。それでもこの時期は豪華になることが多いがな。なんて言ったって、収穫時期だからな。
一番外側の収穫物を収穫するのが、10月の初め頃ってなだけで、収穫自体は9月の初めの頃から行われている。だから収穫物である野菜類は安いだろうと思っている。時期を外している物もあるんだろうが、それは農家の戦略だからな。
旬の野菜に詳しくなれそうなメニューが店主にお任せ料理と言ったところか。それを知って何になるというのかが解らんがな。食事の美味さが上がるのは有難いがな。
ともかく、店で食って、いつも通り宣伝をしよう。いつもとやっていることは変わらんよ。食っている物が変わるだけだ。それも自分の意図した方向ではないものにな。別に構わんがな。
貴族の食事に慣れているのだろうと、思う人はいるかもしれないが、貴族の食事というものは案外に質素な物なんだ。普段から良いものを沢山食べているわけではない。……と思う。
何せ貴族と言ってもトリスタン伯爵家の事しか知らない訳だな。トリスタン伯爵家の食事は質素な物であったよ。女系の影響もあるのだろうな。食で目指すは美貌のみと言ったところか。
勿論、パーティーなどを開くときは盛大に作られた食事が並ぶのだがな。私も何度か味わったことがあるが、美味いのは美味かったぞ。美味くないものもあるのだがな。特に香辛料を増し増しにされた料理は食えたものではなかったな。
あれは一種の見栄張りなだけで、食うための料理では無いからな。食うための料理は別にあるんだよ。うちではこんなにもお金を掛けているんですとアピールする為の物なんだ。
意味はないと思うのだがな。そんなところに金を掛けるくらいなら、別の所に金を掛ければ良いものを。見栄と言うのも張らなければならないときはあるんだ。貴族は面倒だぞ。
その点、平民は良いな。安上がりの食事でも腹いっぱいになるんだからな。……小銅貨1枚が安いかどうかについては議論があるだろうが、作れない身としてはこれが一番の安上がりなんだ。
さて、朝食も食べたことだし、早速出かけるとするか。今日は皮紙を買いに行くんだよ。魔法ギルドにな。それと合わせてコンパスを買いに行く。ディバイダになるかもしれんが恐らく売っているだろう。商業ギルドなら置いてあると思うんだ。
買い物に行くときは一苦労だ。小さい荷車を引いて行かねばならんからな。買い物とはそうやって行うんだよ。便利な道具類はあるにはあるんだが、それでも荷物が嵩張るからな。
背負い籠や背負い袋もあるにはあるんだが、背負い袋が一般的だろうか。籠で買い物に来ている奴はいないな。大体が背負い袋だな。その方が盗まれにくいと言うのがあるんだろうとは思う。
背負い袋は私も持っているし、今日の買い物にも持っていくつもりだからな。各種魔法を入れておくのに使うんだよ。荷物が盗まれた時の対策用だな。用心して越したことは無い。
盗みを働く者は一定数いる。幾らクランという治安維持組織が在ろうとも、悪いクランと言うのもある訳でな。盗みをメインにするクランもあるとは聞いている。
バレたら兵士が攻め込んで行くのだがな。そんなクランを幾つか知っている。名前は知らんが、潰されたという話は良く聞いた。年に2つ3つは潰される。その位には頻発するんだ。
なんせクランを管理しているところが無いからな。兵士も巡回等で治安を維持してくれてはいるが、それでも抜けるところはあるからな。そう言う抜け穴探しをやっているクランもあるという事だ。
出来るだけ関わらない様にすると言うのが鉄則なのだが、買い出しはな。狙われる可能性があるんだよ。魔法使い相手に盗みを働くことはまず無いんだがな。
魔法使いの荷物は大抵、スクロールの材料な訳だ。それ以外に使い道がない上に、魔法ギルドは買い取ってくれない。自分たちで作っているのだから当然だな。
それに悪いクランの魔法使いだって魔法ギルドは使用可能な訳だな。身元の解らない奴から何の素材かも解らないものを買っても仕方がないんだ。威力や効果やその他諸々が低くなるからな。
だから魔法使いから盗みを働くやつは余程の物好きなんだ。そんなものを盗んだところで金にならないんだからな。そして反撃を喰らう可能性がある訳だからな。私とて、護身用の魔法は腰に忍ばせてあるさ。背負い袋にも入れてはいるが、即応となると腰の魔法を使う。
使わなくて良いことに違いは無いんだけどな。治安はこの都市はいい方だと聞くし、恐らくは大丈夫だろう。荷物を狙う奴は容赦なく殺すがね。それが対価というものなのだよ。
さあ、荷車を引いて、背負い袋を背負って、まずは商業ギルドに行こうか。店は開けっ放しだ。置手紙は置いてきた。夕食までには帰ると書いておいた。急ぐものは違う店に行くだろう。
警備結界があるんだ。信用はしているさ。弟子が居ればそんな事は心配しなくてもいいんだろうが、弟子はまだまだ先になるだろうからな。仕方があるまい。それはもっと有名になってからの話だな。