261話 10/2 ミーガン来店
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だが、売り切れると、困るのも事実なんだ。売り切れられると新規の客が買えなくなってしまう。それでも、売り切れた方が良いのか。その辺はよく解らない。
私は、売り切れた方が嬉しいとは思う。思うが、客目線で行くと、売り切れられると困ってしまう。何とももどかしい事だ。解っているつもりではあるんだが、どうにもな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「また来ちまったねえ。まああたしに合う魔法がここしかないんだから、仕方が無いとは思うんだがね。もうちょっと増えて貰えないのかねえ。選択肢が無いのは、辛い事だよ」
「ミーガンに合う魔法は流石に珍し過ぎて、出てくることは、少ないだろうな。ミーガンにだけ合うか、皆に合うかの何方かになるだろうからな。もっと早めにこっちに来た方が良いんじゃないか?」
「はあ、1か所に依存しすぎるのは良くないんだよ。そこの魔法しか使えないとなっては、魔法使いとして終わりの始まりだからねえ。かといって、ここにしか合う魔法が無いってのも事実なんだよ」
「私としては、歓迎するがね。確実に売れる客を作れるんだからな。沢山買って行っても、ミーガンは、そもそも、魔法を使える回数が少ないんだったか」
「ああ、4回しか使えない半端ものさね。その上、魔力の色も悪いと来た。どうしようもないんだよ。とうに諦めた事でもあるんだがね。まあゆっくりと見て行くさね」
1か所に依存しすぎるのは、確かによろしくない。リスク分散は必要不可欠だ。ミーガンの様な特殊な魔力の色の持ち主でなければな。ミーガンレベルの問題色なら、依存してしまっても仕方がない。
金色だろう? そうそう居ないと思う訳だ。クライヴ君の魔法を試すまでもない。金色に赤色が合うとは到底思えない。赤色なら、他にも沢山あるはずだからな。
まあ、幸いにも、私の魔法は使えるんだ。ゆっくりと見て行ってくれると助かる。大分少なくなってきてしまったが、まだまだ魔法はあるからな。特定の属性なら。
水属性と土属性、それと普通の雷属性の魔法は沢山ある。他は、少ないな。風属性がそれでも残っていると言える程度だ。ミーガンが何が欲しいのかが解らないが。
「ん? 何だいこれは。紐で結んであるのかい?」
「ああ、作り手が誰なのかを解りやすくしたものだ。白が私の魔法で、赤がクライヴ君の魔法だ。ミーガンには、白い紐の魔法しか駄目だろうな。魔力の色的には」
「そう言う事かい。じゃあ解いても良いんだね? まあ駄目だと言われようが、解くんだけどさ。中身が見えないなんて事は無いだろう? 新手の詐欺じゃないかと疑うレベルさ」
「詐欺なんてしても、意味が無いだけなんだがな。まあ解いても大丈夫だ。中身をちゃんと確認してから買ってくれ。それと、新手の詐欺って事は、過去に何かしらの詐欺があったという事なのか?」
「ああ、有ったね。簡単な事だけどね。よく売れる魔法の中に、売れ残りそうな魔法を混ぜたって話があるんだよ。その魔法屋はまだやっているが、改善されたって話も聞かないからねえ」
「そもそも、魔法の数が足りていないんだから、そんな詐欺をする必要は無いんじゃないか? 何方にしても、売れるだろうに。そこまでしなければならない理由が無いな」
「だろうね。何もしなくとも、魔法は売れるだろうさ。売れ残るなんてことは無いよ。この店の様に客がそもそも少ないのであれば、例外だけどね」
「まあな。絶賛売れ残り中だからな。特に雷属性の魔法は、使い道がない。ノイジーバードにも使えるのかどうかが解らん。飛ばれると、無力だからな」
「心配しなくても、ノイジーバードだって、ずっと飛んでいる訳じゃないさ。戦闘が出来るくらいには、降りてきているんだよ。そこは心配せんでも、売れていくさね」
「そうなのか。それは一安心だな。ノイジーバードに使えなければ、アンデッドの出現を待たないといけないのかと思っていたんだ」
「そういや、アンデッドの季節も最近は来てないねえ。そろそろ来るんじゃないかね。半強制的に駆り出されるんだから、堪ったものでは無いんだけどもね」
「流石にアンデッドを放置出来ないだろう。少なくとも、ゴーストやレイスは散らしておいてくれないと、都市にも被害が出るぞ。あいつらは、普通に都市の中に入ってくるだろうからな」
「それは、解っていることさね。魔法使いが必死でなんとかするんだよ。どんな魔法でも使えばいいんだ。何の魔法でも良いから、ぶつけるんだよ。あいつらは、頑丈じゃ無いからねえ」
まあ、ノイジーバードの季節になったら、売れていくだろうし、大丈夫かな。最悪、アンデッドの季節まで抱え込まないといけないのかと思っていたんだが、それが無くて安心した。
とりあえずは、売れるんだろう。どうなるのかは解らないが、売れることは、確かなんだから。ミーガンの情報によればだけどな。まあ概ね正しいんだろう。
「さてと、それじゃあ、これをお願いしようかね。なんだかんだ言いつつも、この魔法が一番使いやすいんだ。あってくれる事に超したことは無いんだよ」
「ああ、その雷属性の魔法な。ウルフにも効果があったことが確認されたぞ。ついさっきの事だがな。タイフーンウルフにも、ある程度の効果があったそうだ。流石にそこまでは行かないだろうが」
「ウルフまでで十分さね。まあ使えることに超したことは無いんだ。便利に使わせてもらうさね。とは言いつつも、氷属性はとりあえず、持っておきたいんだけどね」
「まあ、解らんでもない。確実なのを持っておきたいってのは解るからな。クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨4枚です。……丁度頂きました」
「結局、限界まで買って行くんだな。毎度どうも。またどうぞ」
「なんだかんだ言いつつも、使える内は使うさ。また来るよ」
行ったか。ミーガンは、もう少し、評価されても良いと思うんだがね。使えない中で、工夫をしてきたわけなんだから。難しいとは思うけどな。
とりあえずは、これでまた魔法が売れたわけだ。どんどんと無くなっていってくれると助かるな。全部無くなるのは、怖いんだけど。何時になったら、全部無くなるんだろうな。




