253話 10/1 タイラー来店
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在庫は積み上がる一方だ。それでも良いんだよ。在庫が無くなるよりは、ずっといい。まだまだ認知度が低い魔法屋なんだから、在庫は積み上がっていってもらわないと困るんだよ。
それに、大量に買い付ける人も居るからな。その人の対策に幾つかの魔法を準備しておかないといけない。多分、その人しか買わないんだろうなって魔法も作って置いておかないといけないんだよ。
いつ来るのか、解らなくても、準備はしておく。来て、無いと言われても困るからな。無いのは仕方が無いんだよ。どうしても、必要って訳でも無いからな。
準備する側の好きにすれば良いことではあるんだよ。勝手に準備をして、買ってくれなかったという事もあるんだから。何事も、運の要素があるんだよな。
用意していても、他の人に買われる場合もあるし、残っている場合もあるんだ。その辺は、その人の運次第だな。良い魔法かどうかはさておいて、欲しい魔法であるのかどうかなんだよ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「おうよ。来たぜ。そして、使って来たぜ。あの雷属性の魔法を。使ったら、倒せはしたんだが、やっぱり威力が低いな。魔法はやっぱり威力だろ?」
「威力のある魔法では無いな。あれは、効果で倒す魔法だからな。まあ予想はしていた。タイラーには合わないんだろうなとはな。まあ人それぞれだ。合った魔法を探して行ってくれ」
そうだろうなとは思っていた。タイラーは、どちらかと言わずとも、威力を重視している。威力の一番高い魔法を買って行く傾向にあるんだよな。
それに比べて、麻痺魔法は、効果で倒す魔法だ。絶大な効果ではあるんだが、威力はと言われたら、低いんだよな。そこが評価のポイントでは無いんだよ。
どうしても、前衛の止め待ちになる魔法だからな。レッドベアの魔法を好むタイラーには合わないんじゃないだろうかと、若干思っていたんだよ。
効果も威力の内だと思ってくれるのであれば、強い魔法だと認識してくれるのかもしれないと、思っては居たんだが、どうやらそうでは無かった様だな。
まあ残念ではあるが、合う合わないは絶対に起こりうる事だからな。好みが分かれる魔法であることは、その通りだからな。好みに合わなかったのであれば、仕方がない。
「ん? なんだこの紐は? なあ店主。これは解いても良いのか? 中身を読めないと買う気が起きないんだけど。解いても良いんだよな?」
「ああ、解いてもいいぞ。と言うのもな。弟子の魔法が解禁になったんだよ。それと一緒になったら困るだろう? だから色を変えて紐で縛ってあるんだ」
「ああ、混ざらないようにするための紐なのか。ちょっと面倒だけど、混ざられるともっと面倒だからな。俺は良いんじゃないかとは思うぜ?」
「ありがとう。弟子の魔法も見てやってくれ。ただ、今回は、レッドベアの魔法は無かったから、次の機会でもいいけどな。合う合わない位は試してやってくれ」
「解ったぜ。でも、やっぱりレッドベアの魔法じゃないとな。あの威力に慣れると、他の魔法じゃ満足できないんだよな。魔法はやっぱり威力だって」
タイラーなら、そうだろうな。威力偏重主義だからな。魔法は威力。それは、なんとなくだが、解る事ではある。威力がない魔法よりは、あった方が良いのは、確かなんだよ。
あり過ぎるのもどうかとは思うけどな。レッドベアの魔法は、過剰なまでに威力に極振りしたからな。これ以上は出来ないだろうって位には、威力を上げた。
あれ以上やり過ぎると、どうなるんだろうな。初級で収まるのかどうかが解らない。今の所は収まってくれているから、なんとかなってはいるんだが、どうなるんだろうな。
「そうだ。今後は火属性と氷属性も買って行くからさ。そっちもレッドベアの魔法が欲しいんだよ。準備しておいて貰っても良いか? 買いに来るからさ」
「そう言うだろうと思って、火属性にはレッドベアの魔法を作っておいてある。探してみてくれ。氷属性には作っていないんだが、何方かで大丈夫だろう?」
「おう! 火属性のがあれば、十分だぜ。これか。良いねえ。これだよなあ。これだけ威力を高めてくれてあると、文句はねえな!」
「限界ギリギリまで威力を上げてある筈だ。これ以上は無理じゃないかとは思っている。作り方次第なんだろうが、私の作り方では、それ以上は難しいと考えているな」
出来ないことは無いのかもしれない。数を減らしてでも、威力に振るのであれば、いけなくは無いだろう。が、それは果たして実用的なのかと言われたら、疑問が残るだろう。
あくまでも、実用レベルの範囲での話だ。極振りが良い訳ではない。私的には、魔法はバランスだと思っている。1点特化の魔法も良いとは思うが、状況を考えて使わないといけないだろうな。
難しい問題なんだよ。何を重視するのか。それによって、魔法の作り方が変わってくるからな。これ以上を求められた場合は、どうしたら良いんだろうな。今の所、考え付かないんだけど。
「良し。今回はこれだけ買って行くぜ。これだけあれば足りるだろう。威力のある魔法は良いぜ。何と言っても、魔法を使っているって感覚があるからな」
「そうか。それは良かった。こっちも作り手として、作った甲斐があるってものだ。それ以上と言われると、厳しい所なんだが。クライヴ君、会計だ」
「はい。えっと、中銀貨5枚です。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
「おう。また来るぜ」
行ったか。レッドベアの魔法を補充しておかないといけないな。タイラー以外にも使っている人は居るからな。なるべく作っておいてあげないといけないだろう。
他の魔法とのバランスを考えてだけどな。他の魔法使いが何を使いたいのかを考えながら作るのが良いんだよ。何でも良いから作ると言うのは、違う気がしている。難しい事ではあるんだけどな。




