25話 9/10 ギース視点 試し打ちのお願い、店主の魔力の色は?
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さて、2度目のワイルドボア狩りでやすね。買い足していた荷車がようやく届いたのでやす。これで70台体制で動けるでやす。荷車も買い足すほどに大きくなったんでやすねえ。
今日は少しやることがありやす。ニックとビルにも、あの魔法屋の魔法の試し打ちをお願いしやす。合う合わないは使ってみないと解らないのでやす。あっしが合ったからと言って使えるのかどうかは別でやす。
2人にはゴブリンの形の魔法を渡しやした。使ってみてくれと頼んだわけでやす。その為に少し多めに買っておいたのでやす。合えば儲けもの。合わなくても、あっしが使えば良いだけでやすからね。
いつも以上に張り切って平原にやってきたのでやす。荷車が多くなれば、収入は増えるのでやす。がっつりと稼ぎたいところでやすねえ。毎度毎度、そう上手くいくとは思いやせんが。
斥候であるあっしも痕跡探しの真っ最中でやす。……幾つかはあるんでやすが、人の足跡もあるんでやす。これは向かっても無駄な痕跡ですわ。こういうのはスルーするに限りやす。
1時間くらい歩いたでやすかねえ。真新しい痕跡を発見しやした。……これも追われてそうではあるんでやすが、一応行ってみることにしたのでやす。
恐らくは乱入になるでやす。あまり評判の良くないクランだと喧嘩になったりもするんでやすが、さて、どうなるかといった所でやす。なるべく急いで移動するでやす。
……30分ほど駆け足で移動したおかげか、まだ戦闘は終わってやせんでした。これならば10は貰えるはずでさあ。さあ前衛の出番でやすよ。こうなると解ってて乱入したわけでやすからねえ。
乱入は歓迎されることはありやせん。自分たちの分け前が減るわけでやすからね。しかし、乱入側とて成果無しでは帰れやせん。ここは目を瞑ってもらわないといけやせん。
何とか倒し終わり、8の成果を頂きやした。……少し渋った形になりやすね。顔は覚えておきやしょう。今回はあっしらが乱入者でやしたが、向こうが乱入者になることもあるでやす。そういう時には前回の分け前を参考にさせてもらうのでやす。それも斥候の役目でやす。
では、痕跡探しと参りましょうかね。こうなってくるとあの魔法が恋しくなってくる訳でやすが、あれは駄目だろうと烙印を押したのはあっしでやす。それを使うなんてとんでもない。無くなったら何処も斥候の育て直しでやす。それは駄目でやしょう。
近くは探すだけ無駄。とりあえずは20分ほど歩きやしょう。それで痕跡を探すでやす。まだ時期としては少し早いでやすからねえ。見つかると良いんでやすが。
幸いにして、すぐに痕跡を見つけやした。……新しい物でもさらに新しいものでやす。これならば、あの店の魔法を打ってしまった方が良いかも知れやせん。
「クランリーダー、魔法を使うでやす。恐らく痕跡を辿ってくれやす」
「解った。使ってくれ」
「では。『吠える風狼。仇敵を此方に導かん』」
風属性のウルフが走っていく。……痕跡と凡そ同じ方向でやすね。これもかなり理想的な魔法のような気もしやすが、斥候殺しよりはマシでやしょう。
「クランリーダー、追いかけやしょう。向こうにワイルドボアが居るはずでやす」
「解った。皆、移動するぞ」
どこまで追いかけていったか知りやせんが、向かった方向にいるのは事実。乱入の様にならないと良いのでやすが、その危険性も無さそうだから魔法を使ったのでやす。
魔法が乱入していった場合はどうなるんでやしょうな? こちらに分け前は来るんでやしょうか。こちらの魔法だという確証が無いでやす。流石に貰えないと思うのでやす。
10分ほど急いで歩くと、こちらに向かう影が見え始めた。来たでやすね。戦闘準備といくでやす。あっしがすることはもう無いでやすが。後はニックとビルに任せるのでやす。
しばらくすると、完全に捕捉できる距離までやってきやした。相変わらず優秀な魔法でやすね。これも斥候の役割を取られそうな勢いな気がしないでもないでやすが。
「試すか。『賤しき風はゴブリンと共に踊る』」
「じゃあ俺も『卑下した冠。ゴブリンの囁き』」
……ワイルドボアにゴブリンが突っ込んでいったでやす。案外シュールでやすねえ。魔物同士の同士討ちに見えるのがまた何とも。どちらも無視して突っ込んでいきやすが。
「突撃!」
「「「「「おおおおおおおおおお!」」」」」
ウルフがワイルドボアを止めて、後ろからワイルドボアが突っ込んでくる。それとゴブリンとの挟み込みが発生した。あれで殆ど瀕死でやすね。ゴブリンの方も中々の威力でやす。
魔法は普通に使えてやすね。……幾つか考えられることはありやすが、情報が足りやせんね。恐らくはあの店主の魔力に関係があるとは思いやすが。
3人が3人ともに同じような効果を発揮しているところを見るに、店主の魔力が特殊な色をしていそうでやすねえ。例えるならば白。何色を混ぜてもある程度は使えてしまう色。
それか透明か。透明ならば凄いことでやす。基本的に合わない色が無いでやす。はてさて何方の色か。それは誰にも分りやせん。魔力の色を調べる方法は無いのでやす。
癖が少ない魔力の持ち主が魔法屋をやるのは、とても喜ばしいことでやす。魔法使いとしても優秀なんでやすがねえ。どんな魔法でも使えるという事でやすから。
なんだかんだ、50以上の群れだったと。これで今までは帰り支度だったわけでやすが、まだ荷車は空いているでやす。これはもう一戦やっていく運びになるでやすかねえ。
運ぶ戦闘職の人たちには頑張ってもらいやせんと。まだ時間は残っていやす。欲張っても損はないどころか、得しかありやせん。さてさて、どうなる事やら。