246話 9/30 バーバラ来店
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クライヴ君の魔法作成計画は、私の頭の中だけで行われていたんだ。誰にも話していないし、話す相手も居なかったからな。今日から作らせるんだ。明日から販売だな。
作らせる魔法は、麻痺魔法2つと風属性の魔法を2つだ。麻痺魔法は、ノイジーバードの物を作らせる。東側にやってくる魔法使いの多くが、平原で活動をしているからだな。
平原をメインにしている客層が多いと思っている訳だ。森で活動をしているクランの魔法使いも来てはいるんだが、それでも、平原が圧倒的人気という所だろうな。
それは、場所柄、仕方が無い事だからな。それに合わせて魔法を作らなければならない。私の場合は、多くの魔法を作れるから、色んな場所で使う魔法を作っているが、絞ることは、悪い事ではない。誰が何の魔法を作るのか、それは結構重要になってくる。
クライヴ君の今後次第だ。魔力の色に適合する人が、どの方面に多いのかで、考えていかないといけない。だが、風属性であれば、どの方面でも対応は出来るんだよな。
風属性を使わない方面は無いと言って良い。出てくる魔物が土属性の魔物が多いんだ。土地柄なんだろうと思うが、そう言う訳なんだ。風属性を作っておけば、まず間違いない。
風属性ばかりを扱う店にしてしまっては、勿体ないから、何かしらの属性魔法は置いておきたいとは思うがね。雷属性も売れると良いんだがな。12月まではお預けかな。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「ええ、また見させて貰いますわ。店主さん。あの魔法、雷属性の魔法なんですけれど、まだありますの?」
「ああ、あるぞ。あの魔法は、この店の売りになる魔法だからな。優先的に作っている。何の魔物に使ったのかは解らないが、効果はあっただろう?」
「ええ、絶大でしたわ。面白い様にワイルドボアが倒れるんですもの。それはそれは前衛を任せている者たちが楽を出来た事でしょう。素晴らしい魔法だと思いますわ」
そうだろうそうだろう。会心の出来だと勝手に思っているからな。威力ではなく、効果で打倒する。そんな魔法だからな。他にはない強みになるはずだ。
薦めた甲斐があったという事なんだよ。効果が大きい魔法と言うのは、そこまで使われてはいないはずだ。他の魔法屋の魔法を知らないから、何とも言えないんだがね。
「自信作ではあったからな。属性も関係なく、生物的な魔物であれば、効くはずなんだ。ゴーレム系統には解らないが、平原で使う分には申し分ないだろう」
「ええ。後は、ウルフにも効いてくれるのかで、タイフーンウルフに使えるのかどうかが変わってきますわね。あれだけの効果です。影響は無いとは言い切れないでしょう」
「だろうな。何発当てたら無力化出来るかなどの話はあるんだが、タイフーンウルフにも効いてくれるとは思う。同じ生物系統だからな。全く効果が無いという事は無い筈だ」
「だと嬉しいですわ。あら? 紐で縛ってありますのね。解きますが、よろしいですの?」
「ああ、弟子と魔法が混ざらないように色を付けているだけだからな。解いて見てくれ。そうしないと、何の魔法を買ったのかが解らないだろう?」
「そうですわね。解らないで魔法を買う訳にはいきませんもの。では、解かせてもらいますわ」
ゆっくりと見て行ってくれると助かる。色々と作ってあるからな。麻痺魔法以上の魔法は、まだ思い付いていないんだが、何かしらあるとは思っている。
魔法は想像力で何とでもなるんだよ。魔法陣魔法ではな。想像力が豊かな方が、良い魔法が作れると思っている。他の派閥の作り方では、どうなるのかは解らんけどな。
「火属性の魔法も、氷属性の魔法も置いてありますのね。これからの時期には、必要でしょうから、当然と言えば、当然なんでしょうけれど、こちらも相変わらずですのね」
「形はどうしてもな。その形が一番威力が出るんだ。作り方の問題ではあるんだが、形を指定してやると、威力が下がる。そう言う作り方をしているんだ。使う側には関係の無い話かもしれないが」
「ですわね。前に買わせていただいた魔法も、形は特殊でしたが、普通に使えましたし、良いとは思いますわよ? 好みは別れるのでしょうけれど」
「だろうな。形が気に入らないと言うのは、ある事だと思っている。幸いな事に、そう言う人に当たっていないから、解らないが、普通の形の方が良いと言うのはあるだろうな」
それは、当然の事だろうな。慣れ親しんだ形というものがあってしかるべきだ。絶対にこの形で無ければならないと言うのは、あるんだよな。魔法使いに因っては。
計算が狂うだろうからな。私の魔法は、基本的に、他の魔法とは違う形になる。同じようにも出来るが、威力や範囲を犠牲にするつもりは無いんだ。私の魔法はこういう魔法なんだ。
そこは、変えるつもりが無い所ではあるんだよな。どうしたって変わらないという訳でもないんだけど、変えるつもりが無いんだ。使いにくければ、使わなければいいと思っている。
魔法屋は、他にもあるんだから。私の魔法が至高の魔法だとは思っていない。何が至高なのかは、個人に差があって当然だと思っている。色々とあって、比べてみてくれると有難いな。
「形はあくまでも形でしかありませんからね。使い勝手は、どうしても魔法を使うものの感性が作用するもの。絶対的な物はありませんわ。私は良いとは思いますわよ?」
「ありがとう。変わった魔法だという自覚はあるからな。そこは譲るが、この形を変える気は無いんだ。性能が下がるという点はどうしても許容出来ないからな」
「それは、人それぞれですから。店主さんにも色々とあるという事なんでしょう。それでは、今日は、この5つを頂きますわね」
「ああ、クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨5枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
「ええ、また来ますわね」
行ったか。麻痺魔法が本格的に使われ始めたという事なんだよ。それは良いことだな。感想が聞けるのは、大変に有難い。どんどんと使ってみてくれて構わないんだ。
クライブ君にも、麻痺魔法は作らせるからな。クライヴ君の麻痺魔法と、私の麻痺魔法でどの位の差があるのかも、考えないといけないんだよな。
魔力の色が違うと、何処まで効果が落ちるのかも、検証しなければならないだろう。それはまた、売れてからの話だがな。まずは作らせてみてからだ。それからなんだよ。




