245話 9/30 リアム来店
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何事もなく、朝飯を食べて、店に帰って来た。宣伝は空振りだった。何度空振れば気が済むのかと言われても、気が済むことは無く。全力で宣伝を行うしか無いんだ。
実を結ぶことだってあるんだから、諦めずにやるしかないんだよ。その内当たるさ。いい人に当たれば良いんだけどな。その辺りの運は余りないと思う。運は良い方ではない。
そんなこんなで、クライヴ君を朝飯に送り出し、昨日作った魔法を紐で縛って、陳列する。これも習慣になっていくんだろうな。紐で縛るのは面倒だけど。
仕方が無いだろう? 合う合わないがあるんだから。合わない魔法を使っても、大した効果にはならないんだよ。威力も低くなるし、色々と残念になるんだ。
それが解っているから、魔法屋を沢山回るんだよな。偏ると、痛い目を見るから。その魔法じゃないといけないという事になったら、無い時に困るのは自分だ。
そりゃあ、詠唱も何からも、慣れ親しんだものの方が良いに決まっている。相性が良い魔法が良いに決まっている。それが、人気の魔法だったらどうなるのか。取り合いになるんだよ。
魔力にも色がある。その色にあっている魔法を探さないといけない。見つからない場合もあるが、大抵は、1つ2つは見つかるものだ。それでも、魔法の好き嫌いがある。
詠唱文が短い方が良い。威力が高い方が良い。魔法も色々だ。その色々の中のどれか1つに決め打ちをしてしまうと、それしか使えない魔法使いになってしまう。
それが無いと、魔法が使えないという事態が、一番不味いんだ。毎回毎回同じ魔法を作る訳でもない。多分だが、ローテーションがあると思う。私の場合は、作れる魔法が多いから、色々と選択肢を増やせるが、少ないクライヴ君なんかは悩むことだろう。
そうなると、自然と、その魔法の取り合いが発生するんだよ。店側としては、良いことではある。売れる魔法だという事だから。優先的に作っても良い。店側としてはだな。
魔法使い側からしたら、自分の唯一使える魔法になってしまう訳だ。それを買わざるを得ない。1人なら良いが、10人、20人と同じことを考えた場合、どうなることになるのやら。
だから、魔法使いは、リスク管理として、色々な魔法を使う。私の店だけでやっていっている魔法使いは居ないんだよ。最低でも、3か所は準備してあると思うぞ。ミーガンでもだ。
あの特殊な魔力の色をしているミーガンでさえも、私の店の依存にはなっていないと思われる。他にも何件か、自分の使える魔法を用意してあるだろう。優先度は、私の店の方が高いんだろうが。
とにかく、魔法は使えれば良いんだけど、慣れ親しんだものを5つくらいは作っておきたいな。その位ないと不安になるだろう。何時でも使える魔法があることは、良いことだよ。
カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「また来ました。見せて貰いますね」
リアムか。まだまだ若いと思われる青年だが、妙に落ち着いているのが印象的だ。達観していると言うか、何と言うか。良いことではあるとは思うんだけど、なんとなく違和感を感じる。
「あれ? 店主さん、この紐は解いても良いんですか? 中身が見れないんですけど」
「ああ、解いても大丈夫だ。……今日から、こっちの弟子のクライヴ君にも魔法を作らせようと思っていたんだ。それと混ざるといけないだろう? だから、解る様にしておいたんだ」
「なる程、そう言う事だったんですね。では、解いて見させて貰います」
「あの、僕が魔法を作るのは、今日からだったんですか? 聞いていないんですけど」
「ああ、言っていなかったからな。何時かはやる事なんだ。それが今日だっただけだ。ちゃんと時間はとるし、そこまで難しくは無いから安心してくれ。後は給料を少し変えるぞ。魔法を作る様になるんだから、給料は上げるつもりでいる」
「あらら、良い事じゃないですか。お弟子さんも魔法を作ったら、使わせてくださいね。合うかどうかは解りませんけど、合えば使いたいと思いますし」
「だそうだ。頑張って作らないといけないな。緊張することは無い。今まで通りで良いからな」
「わ、解りました。でも、本当に魔法を作るんですよね? 緊張はしますよ」
まあ、緊張はするだろうな。それは仕方がない。何時かは通る道なんだからな。今日通る予定だっただけだ。問題ないな。本当に今日作る予定だったんだぞ? そうしないと、10月1日に間に合わないからな。今日から作っておかないといけない。
「それと、リアム。こっちの魔法も見て欲しい。この店の売りになる魔法だ。使い勝手は、個人差があるから、何とも言えないが、平原でも使えるからな。役には立つだろう」
「見せて貰えますか? ……雷属性の魔法なんですね。それに効果が少し、変わっているのかな?使ったことの無いタイプの魔法ですね。これは、どうなんだろう?」
「試してみてくれ。平原で戦うのであれば、その魔法だ。森ならこっちの魔法なんだが、平原であっているよな? 今までが風属性の魔法を買って行っていたから、そうだと思ったんだが」
「そうですね。平原ですよ。とりあえずは、使ってみますかね。それと、そろそろウルフにも対応しないといけないので、この4つを買いましょうか」
「なる程、火属性もそろそろだからな。揃えておくのは良いことだ。こっちとしても、準備をしてきた甲斐があるってものだ。クライヴ君、会計だ」
「はい。中銀貨4枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも。またどうぞ」
「はい。お弟子さんも頑張ってくださいね」
行ったか。リアムが買って行ったように、そろそろ火属性と氷属性が売れていく頃だろう。売り時だからな。狙いは外さないようにしないとな。ウルフがそろそろこっちまでやってくる。
季節柄、どうしてもな。その時期に合った魔法が必要だから。今からは、ウルフ用の魔法も結構売れると思っている。これからも、どんどん出していくぞ。クライヴ君は風属性を作らせるが。




