230話 9/28 麻痺魔法の話、魔法使いの界隈は狭い
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9月28日土曜日。朝か。今日も1日が始まるな。昨日はクライヴ君に色々と説明をしていたんだが、理解はされなかったな。特に麻痺魔法については。頭の上にハテナが出ていたようだ。
無理もない。説明している側も、説明されている側も、知識が足りていないんだから仕方が無いんだ。説明している私の方も、知識が足りていないんだから、どうあがいても無理なんだよ。
体の仕組みや、電流と電圧の違いについて、説明は出来ない。そもそも、この世界で前世の知識が通用するという事自体が間違っているからな。調べたわけでは無いんだし。
単純に、電流という言葉を使った場合、麻痺魔法になったってだけで、それを元として、科学理論が全て通じるとは思えない。まあ、科学理論なんて解っていないんだが。
概論を学校で習っただけだ。しかも9割程度は抜け落ちている。電流の話は、有名なタイトルがあって、それで問題視されていたから知っているだけであって、むしろそれしか知らないからな。
もっと科学の知識があれば、他の魔法も梃入れ出来るだろうからな。梃入れできていない時点でお察しである。中途半端な知識しか持ち合わせていないと、こうなるという訳だ。
その拙い説明で、クライヴ君が理解できる訳もなく。体は脳からの電気信号で動いているんだと言ってみたところで、ハテナが頭に浮かぶだけだろうな。
知らんよ? その電気信号が、雷属性の魔法とどう関わっているのか、全くわかっていないからな。偶然そうなったのであって、必然でそうなったわけではない。
狙いはした。狙った結果になるのはなった。だからと言って、全てが同じですとは言えないんだよ。魔力的な何かに作用しただけかもしれないんだ。それは現在も解っていない。解っていることは、とりあえず、麻痺魔法は出来たと言う事だけなんだ。
そんな訳で、あれやこれやと説明らしきことをしていたんだが、クライヴ君は解っていないだろうし、私も解っていない。今回の魔法は、偶々そうなっただけなんだ。
結果論に過ぎないのだよ。この世界の生物、魔物も含めての生物は、電気信号にて神経を伝って、体を動かしており、記憶もしている筈だ。恐らくだが、それは正しいのだろうと思う。
人体実験を繰り返さないといけない事態になるな。確実にそうだという結論を得るためには、実験が必要だ。何が正しいのかは解らない。解らないが、麻痺魔法は使えると言う事なんだ。
言っていて、訳が解らなくなってきたが、要は使える魔法であるかどうかなんだ。使えた。それでいいだろうと。普通の雷魔法と何が違うのかは説明できないが。
そう、出来ないんだよ。出来ないならそれで仕方が無いだろう。効果の部分が違うんだから、及ぼす結果も違うんだ。それくらいの確認で済ませれば良いだろう。
どうせ作り方は公開しないんだ。麻痺魔法は、この店だけの専売特許として、永久に残していくんだ。真似できるとは思っていない。文字列閥の作り方であれば、作れるだろうが。
まあ、流行れば良いよな。流行らなければ、売りにならないんだから、困ったものなんだけど。麻痺魔法は流行ると信じている。状態異常は強力な魔法なんだと信じているぞ。
命運がかかっているまでは言わないが、当たらないと困ることにはなるな。売りが無いと言う事は、他の魔法屋と大差がないと言う事になってしまうからな。
それでは困る。私の魔法屋でしか手に入らないものがあると言うだけで、アドバンテージがあるんだから、それを手放したくはない。確実に売れる魔法なんだから、売っていかないといけない。
結果、クライヴ君が1人で店番をするのは、極力なしでと言う事になったんだがね。私からの説明は必要らしい。説明が必要ないくらいに有名な魔法にしないといけなくなった。
そこまで、有名な魔法になるのかが疑問なんだ。麻痺魔法は流行る。それは間違いない。だが、有名になるのかは、また別の問題だからな。界隈で有名となるには、もの凄く時間が必要だろう。
魔法使い界隈は、それはもう狭い界隈だ。情報の伝達速度がもの凄く遅いんだ。狭いんだから、広がるのも早いだろうと思ってはいけない。狭いが閉鎖的なんだ。
例えば、あの店にいい魔法があるとするとしよう。その情報は何処まで流れるのかと言うと、クランの魔法使いの中で共有されるくらいで、他には出ていかない。
何故かは解り切っている。そもそも、魔法屋が足りていないんだ。自分の利用する魔法屋が人に知られると、購買競争が起きる。朝に並ばなければいけなくなるな。
魔法使いは、それを望まない。出来れば、自分の使う魔法は確保したい訳だ。だったら、店の場所なんかは、秘匿する情報になる。懇意にしている魔法使いにも教えない。
盛り立てていかないと、魔法屋が廃業するが、盛り立てすぎると、購買競争が起きる。魔法使い界隈は難しいのだ。出来れば、店は流行った方が良い。店が無くならないから。
だが、店が無くならないためであっても、宣伝をすれば、後から自分が困るのだ。回る魔法屋が1軒増える訳だから、必然的に切り捨てないといけない魔法が出てくる。
そんな訳で、魔法使い界隈の伝達速度は、もの凄く遅い。むしろ伝わらないまである。だから、魔法使いは足で、魔法屋を見つけないといけないんだ。それなりの苦労はしているんだよ。
多分だが、後を付けたり、会話から情報を得たりするんだろうな。魔法使いの界隈は狭い。狭い分、情報を隠すのも難しい。何処かからは漏れるんだ。何をどうしてもな。
私としては、漏れて貰わないと困る訳だ。魔法使いの入店が増えないと困ってしまう。魔法が無くなる方が良いからな。作った分は売れていってほしいと思うものだ。贅沢だろうか。




