227話 9/27 ミーガン来店
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カランカラン
「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」
「いらっしゃいませ!」
「おや? 何だい、弟子でも採ったのかい? 随分と景気のいい話じゃないか」
「ああ、奇特にも私の店に来てくれる奴が居てな。まあ色々と問題はありそうなんだが、とりあえずは、弟子にすることにしたんだ。クライヴ君、挨拶を」
「はい! クライヴです。よろしくお願いします」
「そうかい。あたしはミーガンだよ。よろしく頼むよ。世話になる事は無いとは思うがね。どうせ魔力の色が合わないんだろうからね」
「正解だな。クライヴ君の魔力の色は赤だ。普通の色だった。ミーガンには合わないだろうな」
ミーガンの魔力の色は金色。合わないだろう。碌に合う人が居なかったんだから、赤とも相性は悪いはずだ。悪くなければ、ミーガンももう少し遣り様があっただろうからな。
金色に合う魔力の色は、何色なんだろうな。金で普通。銀色ならどうだろう。余計に反発しそうではあるんだが。銅だとどうだろうか。銀よりはマシに思えるが。
何にしても、要研究だろうな。こんな珍しい色の持ち主は中々に居ないだろうが。私にも言える事なんだがね。無色透明も実験には事欠かないだろうな。
「まあ今日は目的の物を買いに来ただけだからね。あるんだろう? とっとと出しな。もう少し、じっくりと見ないと、解らないことだらけなんだ。色々と厄介な魔法さね」
「じっくり見てくれる分には構わんよ。かなり特殊な魔法だという事は認識しているからな。ついでに言っておくと、対人戦闘では使わないでくれ。効果が強すぎて、捕縛が出来ない可能性がある」
「対人戦闘に魔法を使ったことなんてないさね。そんな治安の悪い所まで行く方が悪いのさ。普通は人に向けて魔法なんて使う機会なんて無いんだがね」
「まあ、それはそうなんだがな。対人戦闘に魔法を使うのは、よっぽどの事があった場合と戦争だけだからな。戦争はそもそも、初級魔法なんてちんけな物は使わないだろうが」
上級魔法を如何に効率よくぶっぱするのが良いかって世界だろうからな。普通に詠唱が早く終わった方が勝つとかいう、どうしようもない結果になりそうだけどな。
魔法同士の相殺が在り得たりするんだろうか。それはそれで見てみたい気もするんだが。結論、上級魔法を沢山打てる方が勝つんだよ。戦争は訳の解らない状況で終わりそうだな。
戦争なんて、一切やる気が起きないがね。戦争に使われる魔法を作らないとは言わないけども。作っても良いが、最低限の対価では動かんからな。流石に色々と思うところがある。
「さて、この訳の解らない効果があの結果を生み出したんだろう? 少しは説明をして欲しいものだねえ。一体何がどうなれば、ワイルドボアに雷属性の魔法が効いたのさ?」
「……話せば長くなるんだが、短くまとめると、雷属性の魔法の大元を司る所を使って魔法にしてある。現象としては落雷と同じだ。それを小規模にして、初級魔法に落とし込んだ」
「言っている意味が解らんのさね。落雷は雷属性のものでは無いのかい? その辺からして、若干おかしな所があるとは思うんだけどねえ。もうちょっとなんとかならないのかい?」
「そうだな。雷属性には2つの要素があるんだが、普通の雷属性の魔法はその要素の1つを使って魔法にしている訳だ。私の魔法は、もう1つの要素を使って魔法を作っている訳なんだよ」
簡単に言うと、そう言う事だと思うんだが。電気抵抗がどれだけあろうと、ボルトで威力を計るのか、そんなものを関係なく、アンペアで威力を計るのか。それの違いだ。
有名どころで言う、10万ボルドで人が死ぬのかどうかの問題だな。あの作品では、人の電気抵抗が馬鹿の様に高いから、死んでいなかった。恐らくそう言う事なんだろうと思う。
そして、魔物も、電気抵抗がもの凄く高いんだろうと思う。故に、雷属性の魔法でも、瀕死にならないし、麻痺にもならない。じゃあ直接電流で計算したらどうなるのか。
答えは、麻痺する。それだけの電流が流れたんだから当然の事ではあるんだが、神経系統が焼き切れたんだろうと思われる。内部はボロボロの筈だ。
電圧で計算をするのか、電流で計算をするのか。それの差だな。私は電流で魔法を作った。それが答えだ。だが、そんな事を説明されても解らんだろうからな。
「てえと、雷属性には2種類の魔法があるって事かい? そういう風に聞こえたんだがね。何処をどう調べたらそんな結論に達したのかは知らないが、なんでまたそんな変な魔法の作り方をしてるんだい? もうちょっと普通に作れなかったのかい」
「普通だと、売りにならないだろう? 要は考え方を変えただけの魔法なんだ。精霊としては、何方でも構わんという事なんだ。あいつらにはどっちにしても効かないだろうからな」
「精霊に効く魔法なんてものは、ほんの一部さね。精霊を倒そうって気になる様な魔法は、そもそも、王都で厳重に管理をされているだろう? 噂でしか聞いたことが無いけどね」
「まあそう言う事だな。精霊にとってはどうでもいい事柄なんだが、人間や、一部の魔物には効果があったという事なんだろうと思う。本当に一部の魔物には効かないはずだからな。ゴーレムなんかが代表的だとは思うんだが、そいつらには麻痺魔法は効かないはずだ」
「……まあいいさ。使えればなんとかなるんだからね。便利に使わせて貰うとするさね。今日は麻痺魔法を2つと、風属性の魔法を2つ貰うよ」
「会計は、クライヴ君、頼んだ」
「はい! 中銀貨4枚になります。……丁度頂きました」
「毎度どうも、またどうぞ」
行ったか。まあ、理解しろと言う方に無理がある。精霊はその辺解っていなさそうではあるんだが、区別は付いているんだろうな。事実魔法は作れているんだから。
とりあえずは、便利に使ってくれれば良いんだ。それで満足するんだから。私は満足しているぞ。有用な魔法だろうと思っている。これが売りになる魔法なんだ。売れてくれないと困るんだよ。




