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貴族に転生したけど、平民落ちするので魔法屋をすることにしました  作者: ルケア


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226話 9/27 アリアナ来店

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 クライヴ君が工房の掃除から帰ってきて、今度は店側の拭き掃除を始めた。まだやるみたいです。好きなだけ掃除をしてくれればいいさ。納得がいくまでやってくれ。


 私的には、もういい気がするんだがね。仕方が無いので、私は紅茶を飲んで落ち着いているんだが。埃が被っているのならともかく、そこまで汚い訳では無いのにな。


 埃を被っているのは、雷属性のスクロールなんだよなあ。もうちょっと時期が来るまではこのままだからな。後は土属性もな。こっちはこっちじゃ需要が余りないんだよな。


 どうしても、西か南かになる。ここまで探しに来てくれるのであれば、歓迎するけども。そう言う訳でも無いんだよな。順当に西に行っている事だろう。


 ここは東。どう考えても、平原の魔物に有利な属性から消えていく。それでも土属性は補充をするけどな。買ってくれる人が居るから、補充はする。無くなるよりも、増える方が早いけどさ。


カランカラン


「いらっしゃい。ゆっくりと見て行ってくれ」


「いらっしゃいませ!」


「……誰?」


「一応弟子だな。まだ魔法を作らせてはいないが、この10月から正式に魔法を作り出す予定だ。その時はまた買って行ってやってくれ。色的には合うとは思うんだよ。クライヴ君、挨拶を」


「あ、はい! クライヴって言います。よろしくお願いします」


「……ん。アリアナ」


 相変わらず話すのが得意では無いのか、それとも無口なのか。私は話すのが苦手だと読んでいる。この前来たときは結構話していたからな。こういうタイプは説明しだすと話すんだよ。


 クライヴ君とは初対面だったか。別にだからどうしたって事なんだけどな。クライヴ君の顔を覚えて貰うのには丁度いいんだけど。クライヴ君の魔力の色と、アリアナの魔力の色は似ていたからな。


 クライヴ君が赤色で、アリアナがピンクだったはずだ。相性的には悪くは無い筈だ。多分と言わざるを得ないんだが。研究している訳では無いからな。


 研究をするにしても、時間も金も足りない。店の経営だけで、一杯一杯だ。時間も金も有ったらゆっくりと研究をするんだが、そうも言ってられないからな。


「そう言えば、アリアナ。あの魔法が出来ているぞ。在庫もまだあるし、見て行ってくれ。……これだ。麻痺魔法って言うんだが、雷属性の魔法だ」


「……見せて。……威力が思ったよりも少ない。でも効果が色々と書いてある。これの効果でワイルドボアがああなる? 読んだだけでは解らない」


「まあ見て貰ったならそっちの方が早いだろうな。この魔法は威力でワイルドボアを倒す魔法じゃない。効果でワイルドボアを止める魔法だ。あくまでも止めるであって、倒すわけじゃない。だから、戦闘職による止めの作業は必要な訳だ」


「……止めるだけでも脅威。これは実は危ない魔法?」


 ……そう来たか。対人戦で有効なのかという事なんだろうな。それはかなり危険な部類に当たる魔法だろうな。下手をしなくても、人間なら死んでいてもおかしくはない作りをしているからな。


 スクロールの効果だけを見れば、そう言う訳では無さそうに思えるんだ。威力も低いしな。しかし、効果の出る過程を考えると、人間だと死ぬ可能性がある。


 神経が焼け切るだろうし、下手をすれば、血液が沸騰する。良くて全身不随だな。一生動けなくなるだろう。初級では考えられないくらいの効果を発揮するはずだ。


 普通は、初級魔法を当てられただけでは死ぬまではいかない。全身に大怪我を負うだろうが、死にはしない。が、この魔法は、下手をすれば死ぬ。高い確率で死んでしまうと思われる。


 魔物が倒せるイコール人間も倒せる。だが、効果の出方次第では、普通の初級魔法よりもかなりやばい魔法に仕上がっているだろうな。対人戦では使って欲しくない魔法ではある。


「誤射はするなよ? かなり危険な部類の魔法だからな。後は、生け捕りにするのであれば、止めておいた方が良い。下手をしなくても死ぬ。良くて、全身が一生動かなくなる感じだな」


「……大丈夫。人間相手には使わない。使ったことも無いけど」


「それが一番だ。殺したいのであれば、躊躇はしなくても良いとは思うが、背後関係を洗おうとした時には、その魔法は止めておいた方が良いな。殺し切るだろうからな」


「……へまはしない。第1スラムに行く事は無いから」


 ああ、第1スラムでは起こりかねないんだな。知ってはいたが。第3スラムの治安は良い方だからな。第2スラムでも、そこまで悪くは無いんだ。第1スラムが異常に悪いだけで。


 そんなところには近づくなという事なんだよ。兵士諸君が見回りをしているからと言っても、安心できる場所ではない。良くて掏り、悪いと殺人と普通にやばめの地域だからな。


 建て直しの大工に護衛が付くくらいにはやばい場所だ。誰もが考えるザ・スラムって感じだろうな。生きていられる方が不思議だと思える様な空間だ。


 まあそんなには人はいないからな。柄の悪い奴らも、冒険者なら食っていけるからな。柄が悪すぎる奴らか、その他の理由で、第2スラムにすらいられなかった人の集まりなんだから。


「無事でいてくれよ? お客に死なれるのは、気分が悪いからな。魔物相手でも油断はするなよ」


「……勿論。今日はこの2つと、これ1つ」


「クライヴ君会計を頼む」


「はい! 中銀貨3枚です。……丁度頂きました」


「毎度どうも。またどうぞ」


 行ったか。とりあえず、麻痺魔法1つで様子見と言った感じか。使い勝手がよければ、次も買ってくれるだろうな。かなり使いやすい魔法だろうと思うんだがね。


 対人戦で使われるのは、想定していなかったな。神経が焼け切れるだろうから、対人戦闘には全く向かないと言えばいいのか、確殺だから向いていると言えば良いのか。


 その判断はし難いな。状況によって、色々な魔法が使えた方が良いんだろうが、麻痺魔法を人に使うと、麻痺するどころの騒ぎじゃ無くなるだろうからな。考えものだな。

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